夢は座席で安楽死。

観る→考える→想う→書く。

【デスミュ】あいつこそが新世界の神様

※作中のネタバレ含みます。



既に100万人位が言ってそうなタイトルにしてしまった。
なんかもうそれしか思いつかなかったのでとりあえずこれで。


私は所謂ジャンプっ子だったので「テニスの王子様」も好きで、「テニミュ」も非常にしばしば観にいく。
最近は波が落ち着いてしまったのだが、自分が漫画原作の舞台に触れたのはテニミュが最初だったと思う。
なので初日前のこの記事に目を疑った。

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おいおい作品間違ってねーか!?と思ったけど、そういえば原作にテニスするシーンがあるから別にやる事はなんら問題ないよなと思った。まあちょっと狙ってると思ったけど。
自分の周りの「テニミュ好き」はどういう事だ?と口をそろえていっていたし、たまたま深夜の特番を見た友人は「デスノートのミュージカルやるけどテニスしてた」とかいう良くわからない情報をくれた。
とりあえず良くわからないけどテニスをするという事は痛いほどわかった。
初日の幕があけて、普通の感想を漁ると共に、やはり2.5次元界隈は「デスミュがテニスで」みたいな話で盛り上がっていた。
私は「本物のプリンス(ミュージカル界の)がテニスしちゃったらシャレにならないじゃん!」とかふざけた事を言っていた。
私の周りの人はテニスが大好きなことを再実感した。……そこは今おいて置いていい情報だった。


で、肝心の自分の目で見て来たテニスシーン。巷じゃ賛否両論なのだろうか。私的には大問題だった。
「テニスをしながら歌う」という事に慣れている私は、「ワッ!本当にテニスしてる!」くらいにしか感じなかった。
後はテニミュキャストの何倍も技量や経験や知名度がある俳優さんでも、エアーでテニスするのは大変なんだなと強く感じた。(テニス合宿って凄いんだなと思ってしまった)


テニスのシーンが気になってる方の為に詳細を記述しておくと、普通にラリーをしながら心理戦的な歌を歌っている。
光の効果とネットはなし。ラケットだけのエア勝負。
歌の途中でギャラリーが茶々を入れるのもなんか何かを髣髴とさせるものがある。「オマージュ」位が丁度良い表現かな。
背景に緑を現すパネルがあり、ステージは回る。そして生オケ、生歌。
月くんは腕時計をしたままラリーをしていて大丈夫なのかな?Lは素足で石とか踏まない?とかそんな心配をする。
テニスについての詳細はそれ位。


話を戻して。
「テニスシーン入れるならもっと重要な所あっただろ」という意見を序盤の方割と目にして、確かになぁと思わなくも無いのだがこのシーン、実は凄い重要なことを歌で言っている。
のだけども目の前でテニスの試合が繰り広げられてるからテニスばっかり見てしまってついつい歌詞が耳に入らない。
インパクトという点では最高なのだが、1回しか観劇しない人には少し優しくない設計で、オマージュでふざけてる様に見えるのは仕方ないのかなとも思う。


原作では、このシーンで月とLは探りあいをしながら親睦を深め、その後喫茶店で更なる探りあいをする。
その喫茶店の部分を含めて、全部テニスのラリーをしながら歌詞にまとめてしまったのは中々勢いある決断だ。
しかし本当にここの曲の歌詞が深い。深すぎて、深読みをするオタクは気が狂いそうになる。


もしかして非オタの方にはうえっとなる言葉のセレクトなのかもしれないが、相対する月とLとの探り合いの攻防戦と己の葛藤を、凄くストレートに表現してくれていている。
自分がオタクなせいで、一般的な感覚をもう忘れてしまい、どういう言葉のセレクトがおかしかったりオタクに媚びてるのかの判断力が段々にぶっているのだが、原作読んでてもこの二人が言ってること(特に月)は恥ずかしいワードが多いと思う。
決して腐女子に媚びてる訳ではなくて、原作の彼らのそういう部分を、まっすぐ恥ずかしい言葉の歌詞にしてくれてるだけなのではないかなと。
そしてそれがオタクな自分には刺さる、と、結果は一緒なのかもしれないのだけど、間にひとつ工程が含まれていて欲しい。頑固なオタクなのでそこは主張する。


彼らにとって頭脳戦だけでなく、テニスにおいても対等に戦える(戦いたいと思える)相手は互いだけであり
試合後にLが言う「あなたがキラでは困ります。あなたは私の始めての友達ですから」というセリフ。これがとっても深い。
なのでそこに行き着くまでの大事なやり取りを、テニスしながら語ってくれてる。ので、是非歌詞にも注目してもらいたい。
んだけどやっぱりまあテニスばっかり見ちゃうんだけど。
のでこの記事下部になんとなくうすぼんやり耳コピしたニュアンス歌詞を置いておくのでよければご参考までに。


簡単に説明すると、M-22「ヤツの中へ」の歌詞はデスノートにまつわる探りあいの言葉で二人が攻撃しあっている。
しかし、曲中後半の盛り上がるところだろうか

「他の事どうでもいいお前しか見えない、まるで今世界に二人だ」

という突然の爆弾フレーズがある。
正直こんなどストレートに言葉投げてこられた事は今まで無かったので、どうしたらいいんだと頭の中が大渋滞している。


ただ、これは決して「恋をして苦しい」とかそういう意味な訳ではないし、私がどきどきしてるのもそうだからではない。
「世界に二人だ」という言葉のニュアンスは、私は「いままで世界に一人きり」だったから、
「お前しか見えない」という言葉も、やっとぼやけた世界の中でピントを合わせるだけの存在が現れたからだと思った。
その直後にも今まで自分が抱いたことのない感情に戸惑うフレーズがあり、それぞれが「自分に対等な相手」を見つけた喜びと困惑を表現している。


天才はいつだって孤独である。月もLも孤独だった。やっとリングに上がって対等に戦える相手が現れたのだ。
それを喜んでる姿が体中からにじみ出ている。Lがこの舞台の中で一番楽しそうにしてるのはここだなと思った。この瞬間が、彼らの喜びの絶頂なのだ。
何故なら自分は負けず嫌いのたった一人の天才だから、これから目の前の相手を倒さなければいけない。
倒してしまったら、また世界に一人きりに戻ってしまう。けれどだからと言って戦う事をやめる事は出来ない。
なんていう刹那感。なんていう難儀。天才はやっぱり孤独な生き物なんだと、彼らの楽しそうな顔が逆に切なくて堪らない。
だからこのまま時が止まってしまえばいいのに、と私は座席で祈っているが止まることなく話はすぎていく。
最終的に、自分の手で息の根を止めることに執着している二人の唯一無二感はそれだけで世界遺産に認定したい。
みたいな事を考えながら「尊い」とか言ってる自分はやっぱりただのオタクでしかなかった。


このシーン、Lは裸足でテニスをして、試合が終わった後はかかとを潰したスニーカー(おニュー)をスッと履いている。
Lが嫌いなものは「靴下」なので、そんな細かい気遣いがありがたかった。
更にLはラケットを左手で持っている。Lは両利きの設定なので、別のシーンでは右手で物を持っていたりするが、L役の小池徹平くんが左利きなので、テニスのシーンは左にしたのかもしれない。
「Lが両利き」と知らない人は持ち物を持つ手が変わる事に違和感を覚えるのかな、なんて思ったが、ラケットを持ってる手を気にする層は客席の中にそんなに多くない気がする。
あとラケットの色が月は赤、Lは青でアニメのテーマカラーと同じになっていた。相対する二人を表現してるみたいで本当に素敵。
そんな感じで原作ファンには大変ありがたいシーンになっている。


「突然テニスを始める」ことで、テニスのワンセットマッチが終わってしまえばそのシーンは終わりでいいし、私は「Lがアクティブに動いてる姿」を生で観ることが出来たので、
どういうノリでこのシーンが入る事になったのかの経緯はしらないが、入れてくれてありがとう!という気持ちしかない。
「テニスをする」という前情報のおかげで興味を持った人は沢山いるだろうし、2.5次元舞台慣れしてる人はデスミュの世界観に入り込みやすいのかな?となんとなく思ったので(根拠とソースはない自分調べ)
そういう人たちが興味を持つきっかけになったのは良いと思うので、テニスします!って先に言ったのも、正解だと思う。
そういえば小池くんがやたらテニスするのお気に入りなのかしらとパンフ読んでも感じた。


と、言うように「テニスしてたよ」と言えばそれで終わりだし「歌詞が腐媚び」と言うとそれまでかもしれない。
けれど、少し掘り下げて考えてみると「このシーンあって本当に良かった」としか私は言えなくなってくる。
とはいえ前言撤回ではないのだが最早オタクの私が何をいってもなんの説得力もない気がする。もういいや、本当に尊いので考える事を放棄したい。


しかし、見事にまあキャラの解釈がとてもドンピシャなので、二人でテニスするスピンオフをやってくれないかなと思ってしまった。(勿論2バージョン作ろう)
別にテニスしてなくてもいいんだけど、私がこのテニスシーン以降を観ると胸が抉られてしまい「テニスの場面で終わらないか」と思ってしまうのでそう言ってるだけで別にテニスじゃなくていいんだけど。
でもここでLが「夜神~キャッチボールしようぜ!」っていったらまた別の物になっちゃうから、テニスしてくれて本当に良かった。
テニスって心を通わせるのに便利なスポーツなんだなって改めて思った。


私が二人の関係性とか考察しなくてもいいくらい、この歌詞で全部物語られてる気がするし、
勢いよく二人についても書いてしまったのでなんか長くなってしまった。
とにかくこのシーンが大好きで大好きでつらい。観るたび胸が張り裂けそう。
でもあと何回しか観れないのか~とか思っていたら更に辛くなってきた。もういやだ、DVD出してください。


M-22「ヤツの中へ」

耳コピニュアンス歌詞。ざっくり伝われば十分なので誤差はご勘弁。
月→/L→/二人→

違うもっと深く踏み込んでこい さあ何が欲しい
キラが二人組めば殺せるんだろ さあ顔を見れば

どこまで見抜いているんだ
見せてみろ
焦り 怒り
さらけ出せ

打ち返すその力 この腕に伝わる膨れ上がる
肉体も何もかも 一つに繋がれて
この心はそのままお前だ

もうミサの事は勘付いてるか さあ全て吐けよ 
そうキラの武器は死神なんだろ
さあボロを出せよ

攻める様に見せかけて 守ってる
わかる 見える
その心

ついてこいどこまでも燃え上がれひとつの炎になれ
他の事どうでもいい、お前しか見えない
まるで今世界に二人だ

待て自分取り戻せあり得ないこれは私じゃない
何故奴はこんなにも僕を駆り立てる本気にさせる

受け止めて打ち返す 気がつけばお前は意識の中
皮膚の下潜り込み 同じ目で物を見る
混ざり合い絡み合い叫びだした意識が
求めてる狂おしくお前だけを強く
止めてやるこの手で 息の根を