夢は座席で安楽死。

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【舞台】眠れぬ夜のホンキートンクブルース 第二章~飛躍~

眠れぬ夜のホンキートンクブルース 第二章~飛躍~

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2015年5月30日~6月7日
紀伊國屋ホール

http://www.mizu-pro.com/


2008年ぶりにホンキートンクへ来店。
復活編を観なかったので、話通じる?と友達に聞いたら「ほら水プロだから」と言われた。
開演30分前からしかロビーが開かない為に、始まる前から割りとお祭り騒ぎ。
クッションを貸し出してくれるサービスがありがたすぎる、あれ色んな所でやってほしい。


水プロの楽しみかた(個人的)

気がついたら10周年だそうで、おめでとうございます。
水木英昭プロデュースの舞台とも、なんだか随分長い付き合いになった気がするけれど
沢山観てるかっていうと、やっぱり、ばらばらまばらな感じ。


水プロの舞台と言えば、伏線を回収しない式舞台ということで私の周りでは定評がある。
なんというか100個くらい伏線を投げておいて、回収されるのは大体2個くらいのイメージ。
今回の作中終盤、水木さんご自身で「そういうの良いから先進めてくれる!?」って言っていたのがめちゃくちゃ面白かった。
思いついた布石はどんどん投げておこう!とか、今その話いる!?っていう事を突然広げちゃってる所ある。のに、楽しい。
特にホントンシリーズはホストものだし、人も死なないし、明るくてハッピーというか。
(SAMURAI挽歌Ⅱのラストが私は割と衝撃的だったというか未だにぽかんとしてる)
度々、もうちょい女子の意見があった方が…と思う行動とかセリフとかがあるんだけど、その突っ走ってる感じも男のロマン的な、なんというかで、観てて割とアリ感が何故かある。
水プロはこういう感じ!って解った状態で劇場に行くから、そういう面でのがっかり感はもう私はないから、評価は甘い気がする。


出る若手勢が大体固定化してて、水木さんがその子達好きなんだな~っていうのがよく解るからそれも強い。全役者の使い方が上手いというか、いいところを使えてるというか。
きちんと全員にバックグラウンド与えつつ、立ち位置がしっかりしてるというか、旬のキャストを集めてメインじゃない所に回すのはいつも中々潔い。
そして何より、誰より、おじさま達が楽しそうなのが一番よい。水プロは演技指導の仕方というか、物語の作り方は好きでわくわくするな~とはいつも思う。


ただ如何せん伏線が回収されなかったり、伏線の上をまったく違う伏線が通り越していくので、それが気になりだすともう何も楽しめないところはある。
今回のホントンも、一言でいうと「めっちゃカオス」だった。初っ端からなんかもう色々凄かった。けど心底笑って難しいこと考えずに楽しんできたからよし。
カオスな楽しさにストーリーがおまけでついて来てる感じかな。
いや、ちゃんとストーリーもあるんだけども、あるんだけども、うん。


あと、カーテンコールがしっかりしててきちんと皆がにこにこしてるのもよいのかも。
今回も何人かの話聞けたけど、千秋楽じゃないのにそういう姿見れるのは割りと嬉しい。皆仲良くてかわいかった。
流石に今回は終演後物販に若手勢は出てきてなかった。
何年か前の物販の時、鈴木拡樹くんとかも普通に対応してたけど、今じゃもうロビーがとんでもないことになりそう。


物語とか役とか

先が読めるのに、更に斜め上をいく。それが水プロ。
真面目な話も、シリアスなシーンも、それでもふざけてくれるのが最高に楽しい。
ただまあ今回の話も、ふざけるにはちょっと…というネタもあるので、色んな境遇があったり、地雷がある人にはちょっと辛いかなと思った。
親との確執とか虐待の話を簡単にさらっとされて、その後すぐに笑いに持って行くのはうーん?と思ってしまったタチではある。
私だったら、あんなに綺麗に母親をゆるせないかな~と。しかもあのダチョウ倶楽部ノリやられたら、リアルだったら確実にキレて暴れる。


今回の主役は翔(鈴木拡樹)だったけど、かなり倫也(椎名鯛造)もいい味だしていて。
ゆえに倫也のキャラぶれが凄い気になったんだけど、そこを掘り下げたり統一しちゃうと、W主演になっちゃうか、下手したら椎名くん主演になっちゃうから難しい。
水プロは割りとこの二人で人間関係書くの好きというか、上手いと思う。二人とも動かしやすし芝居で絡ませやすいんだろうな~。
拡樹くんってこんなに薄っぺらかったっけ?という位に体が薄かった。ビビッた。
んでもって二人とも相変わらず年齢が不詳だった。


しかし。ホストがテーマの話ってなんでこんなに楽しいんだろう。とりあえずまずシャンパンを飲みたくなる。
わいわいしてる所とか、汚いところとか、ちょっとファミリー感とか、そういうのがすき。
あと水プロはホントンを凄い大事にしてるから、もうずっと同じキャラクターが登場し続けるし
同じキャラを別の人がやったり、同じ役者がシリーズによって別の役をやったりで「その役がそこにいる」のを重視してくれてるのは結構いいよなと思う。
私はオリジナルの舞台は演者=役という考えなので、第一弾と第二弾で同じキャラを別のキャストがやったら寂しくはなるタイプではあるのでその辺り難しいんだけど、でもなんかどんどん新しいキャラが出てきてお店の人入れかわり!ってなるとまた説明も必要になっちゃうし、ホントンはこれでいいのかなあと。
どっちが正解とかは、まあ特にないのでケースバイケースかな。


さらにはホンキートンクのメインテーマが、いつまでたっても変わらずに同じものが使われてて。ドンドンパスーン。
そんな風にずっと変わらずに続いていくものがある中で、当たり前にネタやセリフは時代と共に変わっていく。
津田英佑さんがカテコで「10年前だったら腰が~とか老眼が~ってネタは無かったけど」と言っていて、10年間同じシリーズの同じネタやるのって凄いことだなと改めて。
それに、ずっと追ってきてる人は楽しいだろうなあというのと、思わず今後もホントンには行きたいと思わされてしまった。
今回作中のネタだと、アイドル声優とかアニヲタキャバ嬢とかニコ生風とかその辺りに、とても現代を感じた。
例えはホストものでも、数年前だったらアニヲタの女の子とキャバ嬢はきっと真逆の立ち位置にいたと思うんだけど、今回はヲタなキャバ嬢が出てくるわけで。
そんでもってホストにもヲタがいる。アイドル声優が出てきて熱く語る。それがなんかとてつもなく今どきだった。
結果的にカオスってたので前回を見なくても平気だったんだけど、即効友達にDVD借りる約束はした。
麟太郎くんが「世界平和の為にホストしてる」話がぶっ飛びすぎてて物凄い気になったのと、翔がドSホストなの、とてもみたい。


コスプレはするわ、モノマネ大会あるわ、寸劇は始まるわ、遠慮なくBLネタがぶっこまれるわでもうなんか笑ってる間に絶対大事なセリフ物凄い勢いで聞き逃してると思う。
会場全体が結構オーバーリアクションして、ヒーヒーいいながら笑ってるし(リピーター組はそうでもないかもだが)本当に笑いへの追求が尋常じゃない。
個人的には山田邦子さんの拡樹くんのモノマネが一番ツボ。昔、彼のモノマネしてた時期があったんだけど、凄いよく解るニュアンスだった。
あとなんかもう、後半のショーのくだりの口上の、セブンイレブンいい気分!足したら55!松井秀樹の背番号だ~!!の辺りの畳み掛け具合が尋常じゃない。
いよいよ、この辺りはこれは芝居なのかなんなのかよく解らなくなってた。
この物語において、ストーリーとして伝えたかった事はきっとそこじゃないんだけど、とかく伝わったのは「ホンキートンクめっちゃたのしい」というところだった。
だからもう今回のホントンのメッセージ性はそこにあると勝手に思うことにした。


あと、今回若手組が良いバランスだった。(どっからどこまで若手とするかアレなんだけど)
原作もの舞台常連の若手陣なのに、全員きちんと物語に生きてるのが演技っぽくないというか、ナチュラルにその空間を作り出せる子達が揃っていた気がする。
比較的頑固ものとか、偏屈とか、ちょっと変わった子とかが集まってた印象はあった。というか、本人達のキャラが濃い(笑)
全員どっかしらで横のつながりがある子達だから、こことここはテニミュ、こっちはペダルだよね、ここは最遊記、違う眠れぬ町のホストだよね、とか。
予め培われてきた信頼関係とかもあるのかな~。だから芝居とかふざけてるところが自然に見えたのかも。理由はよくわかんないけど皆可愛かった。


青柳くんは明らかに田舎物じゃない足さばきのムーンウォークしてるなあとか、
碕くんはヘルパーとか保父さんとかしてると、女子に対するよりも柔らかい優しい笑顔するよなあとか、
鳥越くんは普段もお芝居についてこういう風に弾丸トークしてるのかなあとか、
河原田くんは最近本当にしぐさが乙女化してるし視線がしなやかになってきたなあとか、
なんでちゃっかり増田くんはここにいるんだろう…とか(笑)ジョジョメン5ひとつとってもそんな感じ。
個人的にはPaniCrew山本くんが好きなので、思わぬ形の出番があって中々嬉しかったところ。
本当はもっと個別にここがかわいかったー!ここがよかったー!みたいなのは沢山あるのだけど、にっちもさっちも細かくなりそうなのでとりあえずこんな感じ。そもそも目が足りてない。


この感想もわりと何が言いたいか解らない度合い強いけれど、「楽しかった」が、すべてです。
難しいこと考えない舞台って、意外と感想が「楽しかった」で終わっちゃうというか、あれが可愛かったこれが可愛かったの羅列になるから、中々難しい。
まあなんていうか手に汗にぎる、笑いでした。