夢は座席で安楽死。

観る→考える→想う→書く。

【イベント】げきぷり~ENGEKI prince☆princess~

げきぷり~ENGEKI prince☆princess~

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2015年6月25日
@銀座K-PLACE

http://ameblo.jp/gekipri/


中屋敷法仁さん主催のトークサロン、第二部「げきぷり塾」のみ参加。
いきたいけど平日夜…むむむ…と思っていたけれど、結果的に色々ご縁があり、いそいそと銀座へ。
中屋敷さん、平田裕一郎くん、コン・テユくん、塩田康平くんのトーク…というよりかは楽しい講義のような時間。一言でいうとめっちゃくちゃ楽しかった。

とりあえず勢いだけでアウトプット。言葉は毎度のことながらニュアンスで。
中屋敷さんの発言は、嫉妬の緑に色変えを。

ご挨拶

「げきぷり塾」ということで、白シャツにグレーのベストを着用で登場の中屋敷さん。大分照れていらっしゃる。一緒に勉強していく塾生の皆を紹介します~出席をとります~という流れでゲストのお三方のご紹介。


出席番号1番のコン・テユくんで、ブレザー姿のテユくん登場。
「大丈夫?全日空みたいになってない?」「学生服を着たのは貴方と仕事をして以来*1」「あの時も無理がある、無理がないみたいな話になった」とニコニコ。
出席番号2番の塩田康平くんで学ラン姿の塩田くん登場。
「田舎のヤンキー風で来ました、良く中学生か?って聞かれます」に、テユくんから「自慢?」とのヤジが。
今日は遅刻してます、出席番号3番の平田裕一郎くん!…で何故か名探偵コナンスタイルの平田くん登場。
「なんで僕だけ半ズボンなんですか!すね毛が気になる!」と平田くん。中屋敷さんの趣味だそう。
半ズボン+白靴下はとても似合っていたけれど、確かに白靴下からすね毛が思いっきり透けて見えてて、色々斬新。


学校って言う設定もあるけど、成人だから普通に飲み物(アルコール)頼んじゃうよ!ということで
テユくんは焼酎のソーダ割り、塩田くんはレモンサワー、中屋敷さんは生ビールを注文。
「裕ちゃんは?」のフリに、平田くんはにかみながら「バナナジュース」を注文。
さっき飲みすぎちゃって眠くなっちゃったから一度クールダウンをする。この格好だし子供だしお酒飲めないし~なんて、突然の役作りを主張。
中屋敷さんいわく「さっき楽屋でこの衣装を着た瞬間子供みたいな顔になって、プロだなって思った。なんのプロかわかんないけどすごかった。」と。
運ばれてきた飲み物に対して、バナナジュースが白いことに驚く平田くん。「白い!?」「バナナって白ですか!?」と連発。
スタッフさんから「牛乳と混ぜてるので…」と説明があり、平田くんは納得しつつ「カルピスみたい!」と謎のコメント。
そんな感じで楽しく乾杯して「げきぷり塾」がスタート。

シェイクスピア」について話そう


シェイクスピア作品はどれ位観た事がある?演じた事ある人は?」との質問に、3人とも沈黙。
「大体シェイクスピアの作品は演劇学校での教材とか、若い俳優が修行の為にやったりと「演劇の教科書」のようなもの。各国で「演劇を学ぶにはまずシェイクスピア」だといわれているけれど、日本ではあんまりそういう風にはなっていなくて「とっつきにくい」とか「演じにくい」とか言われている。」

……と、中屋敷さんが熱弁している間に、平田くんの周りを虫が飛び、早速話を聞かない(笑)
「バナナジュースに集まって来てるのでは?」なんて話が横道にそれつつも、「シェイクスピアを語らずして、現代演劇は語れない」という事で、今日はシェイクスピアの話なんですよ~と。


「3人は舞台で観た事は?何を観た?」という質問に
平田「ロミオとジュリエット。舞台だと屋敷さんの奴。」
塩田「舞台は夏の夜の夢。あと昨日TSUTAYAで予習もかねてハムレットを借りてきた。3時間50分あったから1.2倍速で見た」
テユ「中屋敷さんの舞台シリーズ…はどこまでみたんだろう。韓国だとこの間リチャード二世を観た」
次に「シェイクスピア作品の印象は?イメージは?」という質問。
テユ「中屋敷!ってイメージになっちゃった。悩殺!とか絶頂!とかつくから…」
この回答に中屋敷さんは「確かにシェイクスピアオタクってあんまりいないかも」と。
平田「おー、とかなんでなの?とか変な言い回ししてるな~ていうイメージがある。なんで最初にいうんだろう?って」
という流れから、中屋敷さんの物凄いわかりやすい説明が入る。


「今、僕達はお芝居を『観る』っていうけれど、昔は『聞く』だった。今は照明が当たっているけれど、昔は照明効果も無いし、めがねも無い。遠くの役者が全然見えない。
あとは自然光の下でやっているから、お芝居はどちらかって言うとビジュアルじゃなくて、声とかセリフの美しさで魅せていた。だからいきなり「ロミオ!」って言うとびっくりしちゃう。
「おお~」っていう事によって「今からいいセリフ言うよー!」っていう効果がある。ロミオはそうかどうかはわからないけれど。
「文字で読む」んじゃなくて「俳優がどういう音で読むと客に響くか」みたいな事を考えられて作られている。シェイクスピア作品はやけに名前を言ってくる。それを言うと遠くから見てるお客さんが誰が喋ってるかわかる。あと時間をよく言う。「今は夜だな~」とかいっちゃう。照明が無いから、それを言わないと今が何時かわからない。「今が何時なのか」とか「冷たい風だな」とか俳優さんがいう事によって、状況がわかってくる。」

客席含め一同「おおお~」っと納得の声。


テユくんから「場面転換する時に今みたいに幕とか照明がないから、一回はけて、もっかい作り直して、やり直すって本当ですか?」という質問。
「今は照明とか音楽でごまかしたり出来るけど、昔はそれが出来なかった。だから場面転換の時は一旦芝居が止まる。でもその間にお客さんは席で考えてたりする。お客さんの呼吸も座席にあるんですよ。」
…という話をしているところで、中屋敷先生から「という訳でテストです」という案内が。

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こんなテスト用紙を配られ騒然とする客席。
な、中屋敷さんの本気だ!?という、まさかの5択式×16問のテスト。
A4サイズにびっしりと文字がつめてあり、問題用紙と解答用紙の2枚セットに会場阿鼻叫喚。
「16問もあるー!?」という客席の声に「まだ問題用紙をみないでくれ!」「用紙行き渡った?」とリアルテストばりの空気に。
制限時間5分でよーいスタート。ちなみにイベントが始まる前に3人も5分で必死に答えたとの事。


一生懸命必死にテストを答えている間に、真横で話す4人。
好きな番号を書いてた~とか、中指が好きなら3番で~とか、
「これは何問正解が屋敷さん的には普通?」「1部のゲストだった武田航平くんは3問正解で~」という様な話をしつつも最早殆ど耳に入ってこなかった、くらいテストが難しかった。
私が問題を解き終わってステージを見てたら「のどかわいたな~」とぼそっといった平田くんにお水をさっと用意するスタッフさん、みたいな流れが起きていた。
「中屋敷先生はなんでシェイクスピアにハマったんですか?」とテユくん。
シェイクスピアはやっぱり面白い以上に今の演劇文化の基本になるものがある。
基本的な物語の構成とか、キャラクターの作り方とか、シェイクスピアからわかるものがある」と中屋敷さん。

そんなこんなしている内に制限時間終了。
ペンと解答用紙を後ろからまわしてね~ともう完璧に学校の空気感。
「まさか銀座に来てテストを受けるなんて」と中屋敷さん。本当に(笑)
一生懸命バナナジュースを飲む平田くんに視線が集まったりと、和気藹々なゆるーい空気。
武田くんは「知らねぇけど気持ちで解く」といって、堂々と3点を取っていたよと。

答え合わせタイム


16問全部、解説付きの答えあわせをやってくれたので問題と回答と、生徒勢の答えの発表があった奴はそれも合わせて。ちなみに、言わずもがな「問題作成/中屋敷法仁」である。


【1】「シェイクスピア」の正しい英字表記は?

(ア)shaekspeare
(イ)shakespeare
(ウ)sheakespare
(エ)shakespiere
(オ)shekespeare

正解:(イ)shakespeare

シェイクスピアはイギリス人という事を知らない人が多いけれど、彼はイギリス人。という事は当然英語表記になる。シェイクスピアがイギリスの劇作家だ!って解っているだけでも素敵なことだと思う。ちなみに僕は目をつぶっても書けるんだけど、世の中がどうなのかはわからない。」

「中屋敷さんが第一問はチャンス問題だ!って言ってたからこれだけは外せない!と思っていたのだけれどテストの空気に飲まれて別のにしちゃった~っていう奴だよね~ひっかけなんじゃないか~って思っちゃった」と3人。
そんな平田くんは「ア」、テユくんは「ウ」、平田くんは「エ」をそれぞれ選択して、全員不正解。


【2】シェイクスピアと同年に没した日本の有名人は?

(ア)織田信長
(イ)豊臣秀吉
(ウ)徳川家康
(エ)宮本武蔵
(オ)近松門左衛門

正解:(ウ)徳川家康

シェイクスピアは15世紀に活躍した劇作家なので、日本で言うと戦国時代。ちなみにシェイクスピア徳川家康が没したのは1616年。今が2015年なので来年の2016年はシェイクスピアが無くなってから400年目なので、来年はきっとシェイクスピアイヤーになるのでは?それを知ってるだけでも「解ってるね!」となる。
日本は戦国時代だったので、能とか狂言をお殿様の為にやっていたのだけれど、シェイクスピアも「王様達に守られて」に劇を作っていた。すべてのシェイクスピアはあくまでも王様を褒め称えたり、王様達が観てるという前提で作ってる。だからそこを逆手にとって皮肉ったりユーモアを入れたりと、当時の社会背景が見えたりもする。」

平田くん正解、塩田くん「イ」、テユくん「ア」をそれぞれ選択。
「一番古いのは誰だろう?って思って徳川家康を選んだ」という平田くんに対して「一番古くないぞ!?」となる本人以外(笑)


【3】シェイクスピアの戯曲『ウィンザーの○○の女房たち』。○○に入る言葉は?

(ア)やかましい
(イ)美しい
(ウ)おかしな
(エ)陽気な
(オ)エッチな

正解:(エ)陽気な

「大体シェイクスピアは40前後は作品があるといわれているけれど、これはいわゆる「喜劇」。
ウィンザーの陽気な女房達が、飲んだくれの騎士をやっつける!みたいな、陽気な女房達が陽気に活躍する、というざっくり説明ですいません。シェイクスピアは「悲劇」「喜劇」「ロマンス」「歴史もの」と色んなタイプに挑戦をしていて、それが素晴らしい。」

3人は「エ」を選択。理由は「ぽいから」で、全員正解。


【4】次のうち『亡霊』が登場しない作品は?

(ア)『マクベス
(イ)『オセロー』
(ウ)『ジュリアス・シーザー
(エ)『リチャード三世』
(オ)『シンベリン』

正解:(イ)『オセロー』

シェイクスピアの作品では7作品に亡霊が出てくる。これは舞台ならではの表現。
シェイクスピア作品のヒントでもあるけれど、亡霊は「幽霊が出てくる」んじゃなくて、主人公とか登場人物にとって後ろめたい気持ちとか、親しい人が亡霊として出てくる。亡霊が出てきたら「シェイクスピアっぽいな~」「ここがキーだな」と思って欲しい。」


【5】『恋の骨折り損』/ナヴァール国王とその家臣達はフランス王女とその侍女達を口説く為に変装する。何に変装した?

(ア)フランス人
(イ)イギリス人
(ウ)ロシア人
(エ)イタリア人
(オ)エジプト人

正解:(ウ)ロシア人

3人の回答は、塩田くん「くどきたいならイタリア人」テユくん「この時代ってエジプト人が神秘って言われてなかったっけ」
平田くん「この中で一番変装!ってなった時にエジプト人では?(服などで)」という感じ。

シェイクスピア劇は「変装」が良く使われる。お客さんは正体を解っているが変装することによってドラマを動かしていく。変装する=違う身分を被る、というシステムを発明したのもシェイクスピア
「なんでロシア人なんだ!」となるのがこの話は面白いところだから是非それは読んで(見て)もらいたい。なんでロシア人なのかはわからないんだけど、そういう文化のズレみたいなのも面白い。」

結果的に「ロシア人も変装出来るね…帽子とか」という話になっていた。


【6】『ヴェニスの商人』/高利貸しシャイロックが商人アントーニオに金を貸す担保として要求したのは?

(ア)腹の肉
(イ)胸の肉
(ウ)お尻の肉
(エ)腕の肉
(オ)太ももの肉

正解:(イ)胸の肉

3人の回答は、平田くん「お尻の肉。一番肉の量が多そうだから」
塩田くん「胸の肉(心臓に近いからでは?とセレクト)」テユくん「腹の肉」で、塩田くん大正解。

「世界中で一番上演されているのは『ヴェニスの商人』じゃないか?と言われている。
大人も子供も見れるし、とんちもきいていて教訓もある。「胸の肉」というのは「心臓の肉」というイメージがあるから、胸の肉が正解。
オチはご存知の方が多いのかもしれないけれど、結果的に肉を渡すぞ~となるも「血は一滴も流すなよ」というとんちで返す。尚、こちらはD-BOYSが上演しておりました。」

テユくん「和田正人と加治の顔しか思い出せない、観にいったのに間違えた」とのこと。


【7】シェイクスピア作品には様々な「道化」が登場し観客の笑いを誘う。『マクベス』に登場する「道化」の職業は?

(ア)門番
(イ)医師
(ウ)詩人
(エ)墓堀り
(オ)羊飼い

正解:(ア)門番

「今のお芝居は「こっちは別の世界」みたいな事を言われるんだけど、当時はそういうシステムが無かった。
主人公が悩んでる!とか、そういう途中途中で「客席と話す」みたいなタイミングになると道化が出てくる。道化はわりと悲劇にも出てくる。「ここで一旦休息」とか「ハシ休め」みたいな物でも出てくる。」

ちなみに3人とも「墓堀り」を選択していたため「あれ?」という空気に。

「この問題はひっかけで『ハムレット』に出てくる道化は墓堀り。この問題の『マクベス』だと門番で、ただの門番だと笑えないけど、この門番はべろべろに酔っ払って、色んな事を話してくる。
直前に王を暗殺する!という緊張感が凄いシーンの後に、酔っ払った門番が出てきて「一回休憩しよう」となる。シェイクスピアは相当客席を意識しながら作品を作っている、という事が読み取れる。」


【8】『オセロー』/妻である出ずでもーなの浮気を誤解した将軍オセローは、嫉妬に狂うあまり妻を殺してしまう。その凶器とは?

(ア)花瓶
(イ)椅子
(ウ)ネックレス
(エ)枕
(オ)下着

正解:(エ)枕

3人の回答は平田くん「枕。隣で寝てて、殺したくなっちゃって枕で」
塩田くん「べただけど花瓶。後ろからガンって」テユくん「ネックレス。そのまま絞め殺す!みたいな」

「『オセロー』は4大悲劇の一つ。ヴェニスが舞台で、ムーア人という少し人種差別を受けている種族で、コンプレックスがある。
本当は愛されているはずなのに、愛されて無いんじゃ?と不安になる心の弱さがあって、そこが魅力。
オセローは体も大きいんだけど、いざ恋人を殺す!となったらビビってしまって、枕で絞殺してしまう。時代と文化があるから僕の意見になっちゃうけど、ナイフとかじゃないのが面白いな~と僕は思う」

回答を聞いた後に、「枕だと証拠残らなくてバレなさそう」と言う平田くんに対して「さすが名探偵」とのいじりが。


【9】『オセロー』や『ヴェニスの商人』などで用いられた表現のひとつ。「嫉妬の色」は何色?

(ア)黄色
(イ)緑色
(ウ)紫色
(エ)黒色
(オ)ピンク色

正解:(イ)緑色

平田くんの回答は「紫が好きなので、紫にしました。黄色は明るくて陽気、緑は優しそうで、黒は黒すぎる、ピンクはエッチな色だから。」
テユくんも「紫。今までの中屋敷作品にピンクが多い…いやでも紫?」、塩田くんは「黒。」で、全員不正解。

「今の日本と当時のイギリスは中々表現手法が違う。未だにイギリス…英語圏だと使われる表現。
ちなみにこれは嫉妬=「その目の色をした怪物が来る」といわれている。「green eyed monster」といって、緑が嫉妬の表現になっている。
シェイクスピアは読むとわかるんだけど、たまに「何やその例え!」とかがよくある。
これは「わからない」で終わらせるんじゃなくて、「解らない事を面白がる」みたいな所がある。
何の話?みたいな、腑に落ちないセリフが多いんだけど、それ位シェイクスピアは当時のレトリック・慣用句を駆使していた。そしてそれが今の時代の日本にもまだ生きている。」

この辺りで平田くんの靴下からすね毛が飛び出ていて怖いとかやばいとかそういう話に。


【10】『真夏の夜の夢』/夜な夜なアテネ近郊の森野中に集まる町の職人たち。何をしていた?

(ア)酒盛り
(イ)芝居の練習
(ウ)恋人との待ち合わせ
(エ)恋の薬の売買
(オ)ただの散歩

正解:(イ)芝居の練習

平田くんは「恋の薬の売買」テユくんは「芝居の練習。祭りでも近いのかな?って思って」塩田くんも「芝居の練習」との回答。
塩田くんは観た事があったので、唯一答えが解った!というものだったとのこと。

「一座のものは揃ったか!というセリフから始まる。職人達なので本当に面白くない芝居をする。
元々この作品は妖精の王様達の恋愛と人間達の恋愛の要素があるのに、そこに更に職人達の芝居の練習が入ってきてしっちゃかめっちゃか。
お芝居の中でお芝居が始まる「劇中劇」という構造を発明して、エンタメとしてのクオリティが本当に高い。
あと職人の癖に意外とダメ出しが始まったりとか、全部の役を俺にやらせろ!とかが出てきて面白い。
恋の薬の売買はフェイクで、実際は恋の薬を取り違える~というお話。」


【11】『尺には尺を』/修道女のイザベラは死刑宣告を受けた兄の命を助けてもらうよう公爵代理に願い出る。公爵代理のアンジェロが出した、兄の命を助ける為の交換条件とは?

(ア)兄の代わりに国外追放となる
(イ)兄の代わりに自殺をする
(ウ)現在の公爵を暗殺する
(エ)現在の公爵の妻となる
(オ)自分とベッドで一夜を過ごす

正解:(オ)自分とベッドで一夜を過ごす

平田くん「修道"女"というのを見落としてて男と男なのかと思ってたからオにしちゃった。この時代って、そういうの多くないですか?お兄ちゃんがそもそもコイツ(公爵代理)の抱かれ役で、そういうの想像しちゃった」と、まさかの爆弾発言。
テユくんは直感で「エ」、塩田くんは「ア」を選択。まさかの問題文取り違えなのに、平田くんが正解(笑)

シェイクスピアは道徳劇にも手を伸ばしている。現代の人間でも「これはどうしたら?」と思う事が沢山あるけれど、この作品がまさにそれ。
語ると長くなるけれど、ポイントが2個ある。1つ目はイザベラのお兄さんの死刑になった理由が「婚前交渉」で、当時の倫理観では死刑。
しかし公爵代理が、助けを求めてきたイザベラに対して更にダメな事を要求。妻にするんじゃないより汚い。
オープニングで公爵が「人間は権力を与えたらどうなってしまうか見てみたい」と言ってどこかにいってしまう。公爵代理は権力を持ってしまったからそういう事になってしまった。この後どうなってしまうかは是非原作を。
どうしてこの行動を取ったのか?とか、倫理観から考えるとどうなるか?とか、色んな問題が錯綜していてそこがよいところ。」


【12】『ハムレット』/デンマーク王子ハムレットの名台詞。「弱き者、汝の名は女…」。ここでいう「女」とは誰の事?

(ア)妻
(イ)恋人
(ウ)妹
(エ)母
(オ)世の女性すべて

正解:(エ)母

塩田くんは「妹。恋人かな?って思ったんだけど、昨日見ていたから。妹が沢山出てきたよな~と」という発言に中屋敷さんがポカンとしている。
平田くんとテユくんは「オの世の女性すべて」という回答。
全員不正解どころか、そもそもハムレットの妹は出てこないんだけど、塩っち大丈夫?と心配の声が。芋焼酎飲みながら1.2倍速はよくない、と反省の塩田くん。

「全体的な意味としては(オ)でもいいのだけれど、このシーンで前後のセリフだけ取る(エ)の母が正解。
解釈を広げると、セリフとしてはハムレットはお母さんの事を嘆いているんだけど、そのセリフを会場にいるお客さん全体に投げかけている。
お母さんが弱くなっていないのが微妙にポイント。ハムレットは自分のお父さんを殺されている。その殺した張本人は父の弟。ただ、お母さんはすぐにその弟と結婚して、今は若干ハッピー。でも「なんで再婚しちゃうんだよ!弱いなあ!」という嘆きが入っている。」


【13】『お気に召すまま』/公爵の御前で行われたとある試合からドラマは動き出す。何の試合?

(ア)フェンシング
(イ)アーチェリー
(ウ)レスリン
(エ)テニス
(オ)歌(ポエム)

正解:(ウ)レスリン

3人とも「フェンシング」と回答すると、中屋敷さんから「ところで、今日のメンバー見てみてよ」と煽る。
本人達も、客席も「ああーー!」と納得の声。「シェイクスピアって何人?ウィンブルドンがあるのはどこ?」と更に煽る中屋敷さん。
そこまでひっぱっておいて「正解は…レスリングです!」と満面の笑みを浮かべていて、これがやりたかったんだなと(笑)

レスリングと翻訳されてるけど、少し古い翻訳だと普通に「相撲」と書いてある。
いきなり相撲が始まってウォー!ってなっちゃう。でも1人くらいテニスって書きなよ」
という中屋敷さんに
「だってお城じゃ狭いからブーメランスネイクとか打てないでしょ!」と反論の平田くん。「ファイヤー!って言えないよ」と塩田くん。


【14】『テンペスト』/かつてのミラノ大公プロスペローは自分を祖国から追放した弟たちに復讐する。最終的にどうした?

(ア)両目を潰した。
(イ)両腕を切り落とした。
(ウ)彼らの息子を殺した。
(エ)彼らの妻を奪い取った。
(オ)謝ったから許した。

正解:(オ)謝ったから許した。

テユくんは「息子を殺した」、塩田くんは「妻を奪い取った」、平田くんは「両目を潰した!」と元気良く。

「『テンペスト』はシェイクスピアの最後の作品。初期の頃は残虐劇が多かった。殺したりとか血が出るとかそういう事でお客さんを喜ばせていた。
それがどういう訳かロマンス劇に入ってから、広い視野で物を見るようになって「本当にすばらしいものは何か?」みたいな事を考えるようになっていった。
最後のシェイクスピアの作品で、彼は何故か復讐するのをやめて、「許し」の作品を作った。
初期の頃は両腕を落として両目を潰して~という様な作品を作っていた人が、やがて『テンペスト』において、悔い改めるなら許す、みたいな感じで死人がでない。
どうみても死人が出そうなテンションの作品なのに、もう一歩慈悲の心に踏み込んでいる。シェイクスピアの百面相感がとても面白い。」


【15】『リチャード三世』/王位を奪ったリチャード三世が戦死する直前の命台詞。「○○だ!○○を持ってこい!」。○○に入る言葉は?

(ア)剣
(イ)槍
(ウ)馬
(エ)鎧
(オ)十字架

正解:(ウ)馬

「十字架だと思ったけれど、中2病っぽいからやめて剣にした」という塩田くんに対して、
「えっ、十字架にしちゃったんだけど!?」と平田くん。うわー中2病だー!と中屋敷さんに煽られる(笑)
ちなみにテユくんは「剣」を選択したとのこと。正解者なし。

「十字架を持ってくるという事は諦めているかもしれない。神に祈るのではなく、リチャード三世は神にすら歯向かっていた。何故馬なのかという事に関しては、解釈が色々ある。直前のセリフに「馬の代わりに王国をくれてやる」というセリフがある。あんなに欲しかった王国なのに、今は馬がないから「馬を持って来い!」と、王国を天秤にかける不遜さとか無礼さがある。でもこれも一解釈。
この間の僕の作品*2では、「馬だ!」っていうのがダサくて。原作だと「a horse」なので、「アホー!アホ!早く持って来い!」にした。今からもう死ぬって言うのに、絶対に諦めない見苦しさみたいのがいい。
リチャードは哲学者でいいセリフを吐くけど、最期の最期で即物的。それがダサくてかっこいい。」


【16】『リア王』/父である老王リアを愛する末娘コーディーリア。父への愛情をどのような言葉で伝えた?

(ア)「私の命よりも大切な方…」
(イ)「あなたを愛する事が私の幸せ…」
(ウ)「愛してると何千回も言い続けたい…」
(エ)「何も言えません…」
(オ)「愛しすぎて殺してしまいそう…」

正解:(エ)「何も言えません…」

3人とも「オ」を選択。ちなみにもし娘に言われるとしたら、塩田くんは「ア」、テユくんは「エ」とのこと。

「この問題には前フリがある。三姉妹がいて、お父さんが今から財産を分ける!から俺に愛を伝えろ!という話になる。長女が言うのはア、次女が言うのはイ。二人は言葉を尽くして、お父さんに愛を語っている。
その間に三女のセリフが出てきて、私はなんて言ったら…と葛藤をしている。そして最後に三女が言うのが「nothing」。
その言葉にリア王はガチ切れして、三女は追放されてしまう。本当は「言葉にならないくらい」という事が言いたかったのに、その愛が何も伝わらなかった。
愛は言葉では計れないけれど、それを言葉で計ろうとするリア王の愚かさみたいなものがある。
余談で僕もリア王を作っていて*3、ミュージカル調にしたんだけど「nothing」だけは難しかった。
シェイクスピアはポエマーで、詩も上手いしことわざも皮肉も駄洒落もうまい。でも真実の愛を伝える時は「nothing」になってしまう。
その触れ幅というか、本当は書けるのにあえて書かないことによる緊張感とか、出し引きが上手い。ただ書けるだけじゃない。」

以上で全部の問題が終了です。と。あっという間に90分が過ぎていた。既にノートが真っ黒。
結果発表で、平田くんは4点、塩田くんも4点、テユくんは2点。ちなみに私はボロボロだった。
会場の中では8点の方が2人と7点の方が2人いらっしゃって、4人のチェキがプレゼントされる。
上位者の皆さんも「わかってたつもりが勘違いが多かった」「誤解が多い」と仰っていたので、やっぱり相当難しかった模様。

総括


「様々な角度からシェイクスピアを読み解くことができる。言葉ひとつ、劇構造、時代からも読み解けるけれど一人の劇作家がいて、その功績が今のわれわれの演劇文化にも大きく影響している。そしてそれで今の演劇はどうなってるんだろう?と思う事ができる、いい素材になる。皆もコメントをどうぞ」

平田くん
「勉強になりました。テストは忘れちゃってたけど、最初の方の「おお~」とかの理由が解ったのが凄かった。そういう理由だったんだ!っていうのが解ってよかった。次から見かたが変わる。嫉妬の色は緑色。」

塩田くん
シェイクスピアを愛している中屋敷さんのわかりやすい解説が聞けたお陰で、これから見よう・読もうっていう作品が見やすくなった。こういうことなんだ!っていうのが解って、これはシェイクスピアが始めたんだ、というのが解るようになった。凄く勉強になった。」

テユくん
「はるばる飛行機に乗ってきた甲斐があった。一生懸命喋っている中屋敷さんが段々シェイクスピアに見えてきた。これからちゃんとシェイクスピアを見ます」


「僕の意見だけれど、海外の俳優さんにお会いした時に「シェイクスピアを知っている」という事がパスポートになる。今のイギリスやアメリカで何が流行っているとか、日本で何が流行っているかとかは解らないけど、シェイクスピアだと話題が出来る。
俳優にとってパスポートみたいな存在だと思っている。シェイクスピアを知っていると国境を越えられる。日本国内だと意外と役に立たないけど、それがまさにパスポートと同じ。国境を越える時にシェイクスピアを知っていると為になる。
前に韓国の俳優さんとも最初にシェイクスピアの話になった。まあすぐキムタクの話になったんだけど。」

最後に閉校の乾杯をしましょう~となったら、突然塩田くんがトイレへ。
突然「僕の太ももは質感が20歳くらいだから触ってみて」と中屋敷さんに太ももを触らせる平田くん、と困惑する中屋敷さん。


「皆難しいって言うんだけど、もうワケわかんなくていいから読んで欲しい。読んでみたら意外と「ハイハイ」ってなる事もある。解らないのが当たり前だから、もっと手軽に読んでもらって、愛して欲しい。
僕は決して「皆シェイクスピア勉強してよ!」って事じゃなくて、流し読みでもいいから読んでもらいたい。
中2病っていえば、高校時代ずっとマクベスをもってた、キモくない?(ゲスト・会場笑う)
マクベスシェイクスピアの中で一番薄いから、文庫をいつもポケットにいれて、事あるごとに読んでた。周りからは「そういう奴だな」って思われてた。
TVドラマとか漫画は「僕らが知らない事」をやらない。僕らが知ってることとか、想像の範疇とか架空の事をやる。例えば花の名前とか、鳥の名前とか、歴史の事とかをシェイクスピアはちゃんと書く。それが読みながら人生の勉強になる。
ドラマで「あ!あの鳥はヒバリ!」とか言わないけど、ロミジュリとかだと植物の名前とか言ったりしてる。」


塾もそろそろ終わりなので、閉校の乾杯に。テユくんは落第で、残り二人は次回も是非と。
最後に言い残した事は?という流れで。
平田くん「大丈夫です」とスパッと言い切り。
塩田くん「シェイクスピアにかけますと…ラズベリーボーイズって舞台をやります。まったくかかってません」と告知。テユくんは特になし。

「今度『女中たち』という1900年代半ばのフランスの作品だけど、それを作った人たちもシェイクスピアを知っている。だから距離を測るメジャーにもなる。シェイクスピアが1600年代の作品だから~とわかっていると、他の作品との距離もなんとなくわかる。
ハムレットとかも沢山パロディをやられているけれど、ずっと昔からあるもので、現在地がわかる指針というか、コンパスみたいになる。
皆とよく演劇の話とかするけど、僕は別に専門家じゃなくてただのファンだから、こうやって齟齬が生じてたりセッションしたり「これが気になるんだ!」とか「こう思うんだ!」みたいのがとっても面白かった。」


最後に何か質問は?という事で平田くんから「屋敷さんが柿*4でやるときの作品セレクトの基準は?」
「悲劇が面白い。個人的な話になる。個人にフューチャーすると悲劇になって、引いていくと喜劇になる。
例えば今日テユ君が2問しか当たらなかった~っていうのをどんどん突き詰めると悲劇になる、でも会場の皆さんと喋ってると面白くて喜劇になる。そう考えた時に、個人にフューチャーする事の方が今は興味がある。」

平田くん「じゃあ俺にフューチャーしたら何劇になります!?」と食い気味の追加質問。
「ロマンス劇。ロマンス劇って言うのはシェイクスピアの色んな要素があって、悲しいこととか殺人とかもあるんだけどラブロマンスも起きるしでも結果「人間っていいよね」みたいになる。
テンペスト』の最後に凄い好きなセリフがあって、それまで人間を見た事がない女の子が「人間ってこんなに美しいのね」というのだけどそのセリフが大好き。
シェイクスピアは色んな作品であれだけ人間のグロさとか酷さを書いているのに、一番最後の作品の一番最後のセリフでそれを言うのがすごい。裕ちゃんはそんな感じがする、裕ちゃんを見てると「人間っていいな」って思う」

平田くんは「いいないいな人間っていいな」を座右の銘にします。と、大満足。

「それくらいスケールをコントロール出来るのがシェイクスピア。色んな角度から見れる。
シェイクスピアは一作品だけ見ても解らない事が多いかもしれない。でも二作品見ると「あれを書いた人がこれを!?」みたいになったりする。
その深さにびっくりする。でもだからって沢山読め!って訳じゃなくて、一作品でも色んな層があって面白いのに、読めば読むほど豊かになるんじゃないかな~と思う。」


チェーホフとかの古典作品が他にもあるけど、そういうのはやらないのか?」という質問。
「やりたいと思っているんだけど、やっぱり全部シェイクスピア以降だからっていうのがある。
例えば今AKB48が流行ってるけど、おニャン子クラブがあってこそのAKB。そう考えないとおかしくなっちゃう。その作品ばっかり見るんじゃなくて、原点をみたい。テニミュとかでも前があって、今がある、みたいな。流れを把握しないと、「2015年にやる意味」が解らなくなる。
単純に50年前の作品をやる!っていうんじゃなくて、300年前これがあった、その後にこれがあった、そして50年前の作品をやる!というのを考えると自分の立ち位置が解る。
あくまでも自分は演劇という大きな歴史の中にいる存在にしかすぎない。
僕らが亡くなった後、この後もずっと続いていくし、次の世代につなげて行きたいな~と思ってる。」

何でも知らないとダメだけど、それよりも「知ってると楽しい!」ってなるのがいいよね、と一同。
「知れば知るほど世代とか国境を越えることが出来るから、シェイクスピアや演劇を通じて色んな人と出会っていってね」という素敵なシメのあと、3人がはけて、中屋敷さんがはけて、イベントは終了。

感想

なんというか本当にとても楽しい時間で、思わず物凄く真剣にノートを取りながら一生懸命話を聞いて頷き続けてしまった。
塾生の3人も、平田くんは普通の男の子だったら斜に構えて聞かないような些細な疑問を「なんで?」って普通にぶつけるし
テユくんも知識を引っ張ってきながらも「記憶違いだったら申し訳ないのだけど…」と学ぶ側の態度だったし
塩田くんも「予習してきました!でも芋焼酎飲みながら1.2倍速でみました!」みたいな事をあっけらかんと話していて。
そんな3人が投げてくる些細な疑問とか、「わからない」の言葉に対して、中屋敷さんは一切バカにしないどころか「おっ、そこ聞いてくる!?」とわくわくしながら綺麗に答えていたので、なんだかとても優しい空間だった。

始まる前にフォロワーさんとも話していたけれど、中屋敷さんは本当に「好き!」があふれている人だなと再実感。
「僕が好きだから」「僕が見たいから」という、自分の興味とか趣向とか、損得の前に好きという気持ちがあふれているから、見ていてとても幸せになる。
何よりとっても勉強熱心だし、知識も豊富だけれど「自分はいちファンだから」と決してお高くとまっていないし。
中屋敷さんのすごいところは、自分が好きなものを自分が好きなように作る、語る、話す。というところで、その「好き」が、皆に好きになってもらえたら嬉しいけれど、嫌いな人に無理強いするのはな~という距離感もきちんと解っている。
知識があるなしが優劣ではないけれど、知っていたら「僕は楽しいと思う」「僕は好きだからおすすめ!」という主観のしゃべり方をしてくれるのが心地よい。
で、その「好き」の力が、結果的に私達に「気になる!」という気持ちにさせてるのが、なんかもう凄いなあと心の底から思ったので、色々見習っていきたい。


次回は開催未定だけれど、また開催したいというような事をおっしゃっていたので、是非また開催をしてほしいなと思ったし、平日でも今度はちゃんと最初から前のめりで予定を開けよう…と決めた。
あの小さな空間もよかったけれど、大学の大講堂みたいな所で人気の子達をゲストで集めて、キャストファンの子達が聞く~みたいになったら、解りやすいし、もっと演劇が身近になるのになあと思ったんだけど、どうなんだろう。

 

*1:2012年7月パルコ・プロデュース『露出狂』の事かと思われる

*2:2015年2月公演・女体シェイクスピア007『完熟リチャード三世』

*3:2013年3月公演・女体シェイクスピア004『失禁リア王

*4:中屋敷さんが主宰をつとめる演劇集団「柿喰う客」