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夢は座席で安楽死。

観る→考える→想う→書く。

【舞台】月組公演「1789-バスティーユの恋人たち-」

月組公演「1789-バスティーユの恋人たち-」

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2015年6月19日~7月26日
東京宝塚劇場

http://kageki.hankyu.co.jp/revue/2015/1789/


周りがとても楽しそうにしていたのと、評判がよくて気になっていたのとに加え、東宝版もやるよ!って言われ、なんかもうこれは観ておかないと後悔する奴だ!という事で、舞台おたく暦数年目にして初の宝塚。
勢いだけで行動しすぎ感が否めない2015年である。

宝塚について

という訳で、「えっ、そうなんですか」といわれる事が多いのだけど今まで宝塚の舞台を生で観た事がなかった。
こういう演出は宝塚のパロディだとか、この俳優さんは宝塚出身の方だとか、これこれこういうファンのシステムがあるんだよとか、そういうのは知っていて、私も我ながら今まで宝塚観た事あるんじゃないのか?くらいに思っていたけどそんな事はなく、初体験。
それだけある種の記号として「宝塚はこういうもの」というのが一般的にも、舞台好きの知識としてもあるのって本当に凄いなと改めて感じた。
しかしいくら映像でなんとなく知っていたり、パロディネタを観てみた所で実際の生の体感に勝るものは存在しない。今回は2階の後方からの観劇だったのだけれど、自慢のよく見える双眼鏡のお陰もあり物凄く楽しめた。
近くの席にお子さんがいたのでマナーがちょっと残念だったりもしたのだけれど、途中から段々どうでも良くなって、双眼鏡って便利だなと今日は双眼鏡にも心から感謝しまくってしまった。(視界がカットできるので)


一言で言ってしまうととても綺麗な世界観。というのも当たり前だけれど女性しかいない。
普段私が観る作品はどちらかというと「男性しかいない」とか「男性の方が多い」ので、だからとっても新鮮だった。
私が「綺麗だ」とか「美しい」とか普段よく言う事が多いのだけれど、それって人間的に汚い部分が綺麗だとか、抗ってる何かとか、もっとこうどん底から這い上がる何かに対しての「綺麗」みたいな感想な事が多いのだけれど、宝塚の世界は本当に、純粋に観たまま受け取ったまま「綺麗」「美しい」という単語が似合うな~としみじみ思った。


そもそも私が宝塚に近づかなかった第一の理由としては「ここにハマったら本当にヤバい」という危機回避能力からだったのだが、とりあえずそこに関しては、とても楽しかったのだけれど通帳を全部つぎ込むことにはならなさそうというか。
決して悪い意味ではなくて、「役者を追いたい」というポイントだけ見ると私が吸い寄せられる何かとは少しだけ別ベクトルの空間だったので大丈夫だと思う。
ただ心底楽しかったし綺麗過ぎる世界観だったので、今後も普通に色んな作品見てみたい!となったし、もっと宝塚のルールとか専門用語とか知りたい!とはなった。
なんとなく知っているっていったって、知らない知識の方が多くて、知ってるルールも偏っているものが多いので、ちょっと暫くは色々調べてみようかと思う。
とりあえず貯金が全部吹っ飛ぶほどのめり込む事は無いだろうけど、財布を開くのに躊躇う事もなくなった気がする。
結果的にダメじゃんという感じなのだけれど、まあでもやっぱり面白いものは沢山観ておきたいし、色々知っておきたいしで、わざわざ気になるのに遠ざける必要性も無いか~という事で、今後も気にせず劇場に足を運んでいきたい。


初めて生で見たレビューショーは私の考えていたものの何倍何十倍も綺麗で、かっこよくて、自分が見たことの無いきらきらが沢山あった。
今まで偽物(という言い方をするとあれだけどパロディのもの)のレビューショーは色んなところで見てきたけれど、確かにこんなに凄い世界なら皆こぞってパロディするわ!という感じだった。
思っていたよりぎらぎらしているというか、男性的なダンスも多いんだな~と感心したり、どこかLDHっぽさを感じるようなダンスもあって、こんななんだ!?と驚いていた。
そんでもって伝統の階段降りは流石に生でみたら背筋がぞくっとするものがある。すごい。
あと宝塚と小池修一郎さんの演出というかスタイルって物凄いバランスが良いのだろうな~と感じた。彼は本当に私より女子力が高いと思う。
そして観終わった後に1階のショップでDVDとブルーレイと公演の写真が売ってるのって物凄いシステムだなと思った。今観終わった作品のブルーレイを買って帰宅したら見られるって中々すばらしすぎる。

作品について

大きい舞台をめいっぱい使っての派手な演出、派手な衣装、生オケ、綺麗な歌声、全部素敵だった。
そんでもって私の初宝塚が「1789」で正解だったと思う。なんというか物凄く解りやすかったし、見やすかった。
宝塚の作品自体がそもそも、概念とはとか哲学とはとか下北ぶっ飛び系の舞台でない事は知ってるので、そういう意味での最低限の「解りやすさ」の保障はあるのだけれど、それにつけても解りやすい。
映像を多用しすぎないけれど、ポイントポイントで使うから、その瞬間に客席の共通見解が一致するというか、どういう席でどういう見方をしている人でも要所要所でリセットされるあの感じはとてもよい。
この演出は何がどうとか、この言葉の意味はどうとかそういう意味の考察をする舞台も大好きなのだけど、非日常の夢の時間を与えられて「楽しい!」と出来るのもすばらしいことだよな~と。


そもそも「宝塚」という世界に対して初めて踏み込むから、色んな新しいものに対して頭がパンクしてしまうところを、ストーリーが物凄く解りやすく、それこそある種漫画を読んでるような「こういうキャラクターいるよね」「こういう展開あるよね」みたいな、そういう作りが良かったかもしれない。
宝塚ってやっぱりある種の夢の国というか、どこか現実世界ではない感じは2次元力が高いよなあと思う。
1789はフランス革命の話だから、なんかこう私の中ではベルばらの番外編を読んでいる感じというかなんというか。
元々少女マンガが物凄く好きなので、こういう話はとっても好きだし、途中普通に泣いたりしたり。


後はもう衣装が断然にかわいい。綺麗。
色味は派手すぎない色合いだし、豪華につぐ豪華の様な生地をふんだんに使っていて、マリーアントワネットのドレスなんてケーキのようだった。
1幕のカジノのシーンのドレスを使っての演出があまりに綺麗&好みすぎてどうしようかと思ってしまった。
男役陣のあの軍服も大好きだし、何よりふわふわのロングの髪の毛の男性というあまりにも2次元的な記号に弱いので、どきどきしっぱなしだった。
ビジュアルからして好きなんだろうな~と思う。本当に漫画を読んでるみたいというか。
実際にこんな男の人なんて存在してなくて、むしろリアルでいたら興味ないのだけれど、でもどんぴしゃでとてもかっこよくて素敵、って、本当に夢の国。


役どころとしては、悪役のアルトワ伯爵に速攻目を奪われて、気がついたらずっと双眼鏡で追ってしまっていた。
なんとなくこうテニスの王子様氷帝的な何かを感じ取って、休憩中に一緒に観ていた方にいったらニュアンスは通じたようで。
かつ、2幕でのアルトワ伯のソロで「私が神」的な歌を歌っていてもうこれは多分そういう感じだよなという。
終わった後Twitter見ていたら同じような感覚のフォロワーさんもいらっしゃったので、何かしらの記号が近いものがあるんだろうなと。
悪役サイドは秘密警察の3人組がいたりとわりとキャラクター的にも解りやすいものがあり、そもそも私が悪役びいきなのもあり、あと主人公とヒロインを取り合う悪い奴が好きなので、完璧に釣り針に引っかかってしまった感は否めない。
いや~かっこよかった。アポロンアポロン……。
フェルゼン伯爵もとてもかっこよかった。マリーアントワネットとフェルゼンの関係性っていつどこで見ても泣いてしまうのなんでなんだろう……。
あとお一方、レビューでとてもかっこよい!と思う男役の方がいたのだけれど、お名前がわからないのが残念。どこかで多分その内解るだろうと信じて。


そして役者さん一人一人もとっても素敵だったのだけれど、2階から観た一糸乱れぬ群舞が本当に美しくて見惚れてしまった。
最近は大きい舞台を観に行くことが多くなったけれど、そもそも自分はミュージカルとか大劇場にあまり行かないタイプなので、出演者が一桁しかいないような舞台もよく観る。
なのでこんなに沢山のキャストが出てるんだ!?とびっくりしたりもした。
長く続いていて、常設の劇場があって、沢山の安定したキャストがいるからこそ、ここまでクオリティが高いものが出来るんだよな~と思うと100年続いてるコンテンツってとんでもないなと改めて思った。
先日友人と「ジャニーズは3次元入門編」という様な事を言っていたのだけれど、そういう意味では宝塚もそういうものなのかな~と思った。
私は宝塚ってもっと近づきにくくて、敷居が高くて、初心者は軽率に近づいてはいけない文化だと思い込んでいたのだけれど、母体と絶対数が大きいからこそ、手軽にふらっと足を運べるコンテンツなんだよな~と考えを改めた。



そんな感じの人生初宝塚だったのだけれど、宝塚自体もとても素敵だったし、1789という作品もとても素敵だった。
1789は来年東宝版をやり、すでにメイン3役の5人のキャストは発表されていて、この人たちがどういう風に演じるのだろう?というわくわくもあれば、これから発表されるキャストも誰がやるんだろう?というわくわくもある。
良い意味で「えっ!?この役を小池撤平くんと加藤和樹くんがやるの!?」というのがすでにおきてて、どういう風に変わってくるのかも楽しみ。
同じタイトルを色んなキャストでやるのってとても良いよなとこの連休で感じたので、まさにこのタイミングで宝塚版→東宝版(Wキャスト)を観られるというのは幸せなのかもしれない。