夢は座席で安楽死。

観る→考える→想う→書く。

【舞台】雛見沢停留所 ~ひぐらしのなく頃に原点~

雛見沢留所~ひぐらしく頃に原点~

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@八幡山ワーサルシアター
2015年8月26日~30日

http://shingidan.web.fc2.com/hinamizawa.html


進戯団 夢命クラシックス×07th Expansion……ということでまさか今年「ひぐらし」も舞台化するなんて…というわりとびっくり案件。
けど「あっクラシックスがやるんだ」という事で5秒で納得。
相変わらずクラシックスのウィッグ選びは素晴らしいと思った。

ひぐらしについて

近年はあまりにも暑すぎるのでアレなのだが、夏になりひぐらしが鳴き始めると毎年背筋がぞくりとする。
私は基本的にゲームをやらない。けれど「ひぐらし」はゲームと銘打ってあるがその実PCでのサウンドノベルに近いので当時物凄いはまっていた。
多分「目明し編」が出た直後くらいに友人に進められて、最初は絵柄がムリ!というひぐらしにハマる前の人間あるあるを通り抜けて、気がついたら毎日夜中から朝までPC前でヘッドホンを付けて夢中で読み勧めていた。
当時から中二病をこじらせていた私には物凄くツボにはまるコンテンツだったし、発売に合わせてちょっとずつ謎が解けていき、最終的には部屋で一人で大号泣…みたいな、白川郷に友達といく算段を立てていた、みたいなそんな日々を過ごしていたのは一体何年前なんだ、ちょっと思い出すのが怖いからやめたい。

コミカライズ、アニメ化、実写映画化、PS2移植版と色々出て色々チェックしていたけれど結局自分が好きなのはPC版のあのオリジナルのBGMがついた原作で、よくCDとか聞いたりしていた。
圭一とレナがめちゃくちゃ好きで、梨花ちゃんに幸せになってほしいだけの人生だった。
「罪滅ぼし編」が好きだったかな~。なんだかんだ「祭囃し編」の後の「賽殺し編」が自分の中でヒットだった気もする。
今の私に全編をプレイする時間がないのでちょっとその内ちまちま好きなシーンだけでも保存データひっぱりだして再生しよう。

話がそれたけども。
まあそんな感じで結構いい勢いでハマっていたコンテンツの1つ。(しかし続編の「うみねこのなく頃に」にはハマらなかった。)
原作者の竜騎士07先生がそもそも舞台を作りたくてこの「雛見沢停留所」の脚本を書いて、それが結果的に「ひぐらしのなく頃に」というPCゲームになり、爆発的にヒットして、まわりまわって書いたオリジナルの脚本で舞台ができるってめちゃくちゃいいな~と思った。
凄い夢がある話というか、夢みたいな話と言うか。そりゃ竜騎士先生もはしゃぐよなという。

しかもこういう作品をやらせるには定評のあるクラシックスが手を組んで舞台をやるとか間違いなくハズレがない!!!……という過剰な評価を例え裏切られたとしてもまあそれはそれで仕方ないと思えるレベルには期待値が高かった。
のでまあ普通に高い方の席を何も考えずにピッと購入して、夏が終わりかけの8月末に八幡山まで向かったわけで。
当日は天気が悪くて、雨が降っていた。ひぐらしの世界観といえばやっぱりピーカンのイメージが強いのでまあ現実の天気は左右できないよね~~~なんて思っていた。

10分前から流れるラジオ調の前説が浅沼さん*1が好きそうな感じの流れだな~という感じ。私も好きだった。
「どうしたら前説を聞いてもらえるか問題」ってもうちょっと色んな場所で議論された方がいいのと、「前説で言ったことを守られない問題」もどうにかならないかと思ってるので前説から世界観に入れてくれるのはいいな~と思った。
ただ問題は10分前から流してるから結局ギリに入ってくる人には聞こえないので、定刻から諸注意を流す必要性を最近感じてる。
手を変え品を変えしても本当~~~にどうしようもないよなあ。私が観た回も実際誰かLINE着信してたし。だから切れって言ってるのがわからないのだろうな~悲しい。

舞台について

高い方の「指定席」は舞台上に座席が設定されていた。
舞台の上にはバス停のセットのみ、1段低い自由席は舞台上を囲むように3方向にまとめられており、指定席は舞台上のバス停のセットの奥に「バス停の椅子」で座席が作られていた。
座って5秒でお尻が音を上げたので座布団を借りた。

ワーサルシアターは元々狭いところなので、指定席なら腰が痛くなるし、自由席なら首が痛くなるかなみたいな感じのどっちもどっちの選択なので、特に嫌だった~とかでもなく、どっちでも楽しかったのかな~と。
余裕があったら自由席からもう1回観たかったかな。クラシックスは毎回評価が高いのに箱が小さいのがわりと難点で、そもそもチケットがあんまりないのと、増やそうと思った時にはチケットがもうキャンセル待ちしかないみたいなのは少しネックだなと思ってる。
まあでもマサミさんの世界観を表現するには丁度よい小屋があるんだろうし、今回の題材に関してもあまりにも広すぎるとうーーーんという所だから難しいのだけれど、もう1サイズ広くても良かったかなあとは思った。相変わらず私の意見は結局どっちなのかがよくわからない。

指定席は当たり前に舞台の上に自分たちが座っている。セットの一部に組み込まれた気持ちになった。
けれど役者からしたら「私たちは見えていないもの」なので、当たり前に物凄く近くまで役者がくる。間近で表情を観る事が出来る。
逆にこんなに近いのに見えてない事にする演技をするのって相当な集中力を有するよなあと思ってしまった。(本当に手を伸ばさなくても殴れるくらい近かった。)

私は「雛見沢停留所」自体は確か漫画も読んでなかった気がするので、最初梨花ちゃんと魅音のキャラの差に驚いたけれど、でも少し違うだけで空気感はゲーム越しに観ていたあの2人まんまだった。
ラシックスはメイクがめちゃくちゃコスプレ寄りというか、ウィッグのセレクトはいいし、メイクもがっつりカラコン込みのをしていて、そのちょっとコスプレっぽさというか2次元っぽさが「ひぐらしの舞台をやっている」という事に対して妙にしっくり来ていたとこがある気がする。

物語についてはまあ深く触れる必要はないかなあというか、これはゲームの圭一くん*2を主軸にしたストーリーじゃ絶対舞台には出来なかったものなので、改めて原案書いてた竜騎士先生の引きのよさというか運のよさは凄いなと思ったし、その原案を舞台にしましょう!といってここまで上手いこと世界観を残して舞台を作ったクラシックスも流石だな~という感じ。


私はいわゆる「周りがおかしくなっていると思ってたら自分がおかしくなっていた」という下北系舞台あるあるというか、まさにひぐらし雛見沢症候群に匹敵するそれが大好きなので、舞台において「現実のシーン」と「幻覚のシーン」が混ざり合いながらも、照明の色などで差分をつけられているのがよかった。照明って便利なアイテムだな~。
後はその設定を用いると「誰が感染者なのかわからない」まま私たちは物語を見ているので、感染者が誰か発覚した後に「あっなるほどあそこは幻覚だったのね」とピンとくるのも面白いというか。
KOOLになれ紅葉美緒!!!という感じで目の前でめちゃくちゃL5ってる紅葉くんはとてもよかった。*3
しかし血のりが友人のスカートに付着したのでそのあたりはわりと事故である。
あとは早乙女じょうじくんの使い方が上手かった、まあまさに富竹的な立ち位置*4だよね。誰が悪いのか、誰がおかしいのか解らない世界観における、「別に悪い人じゃないんだけどわけわかんないおっさんの存在」ってなんでこうもどきっとするんだろう。

後はまあひぐらしといえば私の大好きな!そう!ループですよね!!!
という感じで、「ひぐらしのなく頃に」は主人公の前原圭一の物語と見せかけて実はその裏でずっと戦っていた古手梨花の物語なので、舞台でその梨花ちゃんの己との戦いの結果が観れるとはで普通に泣きそうになってしまった。
魔法少女まどか☆マギカ」のほむらちゃんとか、「新世紀エヴァンゲリヲン」におけるカヲルくんの匂わせ発言とかもそうなんだけれど、当たり前にただキャラクターたちが同じ世界を駆け抜けて行ってる中で、一人ないし数名のキャラクターが実はループに立ち向かっていて……みたいなのが物凄く大好きすぎる。(こじらせている。)

だから舞台作品だけ観た人からしたら「あっ夢オチだったのかな?」ともとれるようになっているあの流れは、私の中では「間違いなくリセットした」と思っていて。
悲劇をみた結果、梨花ちゃんが「今度は魅音を助ける世界にする」と羽入*5と手をとって飛び出すさまは、さながら祭囃し編の皆に話を打ち明けることにした「運命を切り開くことにした梨花ちゃん」だったな~という。
己の罪を知って、恥じて、そして改める。それが出来るのがループものの良いところ。
舞台において作中内であんまりループする奴は評判悪かったりするのだけれど(私は同じシーン5回とか観てもわりと平気なタイプ・ただ通えるかというと若干怪しい)、今回はもうラストに1回だけだったのとループであることすらにおわせる程度だったので丁度良いバランスなのかな。
ただ「何十回何百回とループしてきた」としたら色々つじつまが合わないものもある気はする。ただそれはどんな作品においても起きうる事で、今回に関しては別に「この世界で魅音と友達になる分岐」が起きたのかなと思えば消える程度のひっかかりだった。


作中でずっと雨が降っていたので、つまり結果的には外の天気が優れないのは正解だったのだけれど。
なんだろう、こうも雨が続くとどうにも頭が痛くてたまらない。体調でも崩したのかな?なんて思うのだけれど、頭痛薬を飲んでも収まらないくらいガンガンと頭が痛む。
昨日の夜も寝ようとするとよく眠れなくて、何度も起き上がってしまった。
そういえば昨日から歩いてると足音が1つ多い気がするんだけど、なんでだろう、なんか不思議。


……なんて言ってみたりしたくなる8月ラスト観劇だった。
フレデリカベルンカステりたくなるよね、ひぐらしに触れると。*6

 

*1:浅沼晋太郎さんの書き下ろしだったそうだ。

*2:ひぐらしのなく頃にシリーズの主役の前原圭一

*3:雛見沢症候群の末期症状をL5とする。「KOOLになれ」は原作のセリフで誤植じゃない。

*4:原作に登場する吉村の立ち位置的キャラ。フリーのカメラマンさ。

*5:いわゆる作中オヤシロサマといわれていた巫女装束のキャラクター。原作だと梨花ちゃんにしか見えない。

*6:「フレデリカベルンカステりたい」=原作のポエムをつづりたくなる現象。