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夢は座席で安楽死。

観る→考える→想う→書く。

【舞台】RENT

舞台 【※】ネタバレ

RENT

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@シアタークリエ
2015年9月8日~10月9日

http://www.tohostage.com/rent2015/


いよいよRENTの季節がやってきた。
2015年版のキャストが発表になった瞬間、色々な思いが頭を駆け巡ったが、やっぱり大好きな作品だと再実感。
舞台が始まる時のあのそわそわ感、大好き。
観た日のキャスト表。

ロジャー 堂珍嘉邦
ミミ ジェニファー
コリンズ 加藤潤一
エンジェル 平間壮一
モーリーン ソニン

舞台全体について

2012年版からものすごく大きな変更はなし。だと思う。
いきなりマイナスなことを言うようなのだけれど、このRENTは、RENTを好きな人のためのRENTなのでは?と思う。
多分RENTを知らない人にはテンポが早過ぎるというか、そもそもLGBTだとかHIVの話が出てきてやんややんやしている話だけれどこれといって明確な説明がない。
のと、楽しくて素敵な楽曲が生バンドで行われて基本的にほぼ全部歌で進行されていくので「人生で初めてRENTという作品に触れる人」がこの舞台だけ観ると置いてけぼりになるというか「誰がなにの人で、何が起きてるのか」がちょっとわかりづらいんだろうなあ、というのは以前から感じている。

RENTはいわゆる「RENT HEAD」と呼ばれる、RENTという作品そのものが大好きな人たちがたくさん足を運ぶ舞台で、説明なんてなくてもどの役がどういうキャラクターで、誰と恋仲で、何に悩んでいて、みたいなそういう前提を知った上で来ている人が多い。
この感想を書いている私自身も暇さえあれば穴が空くほど映画版のDVDを見て、サウンドトラックを聞いているような人間なので、その「違和感」を体験する事ができない。

けれど2012年の時も感じていた、休憩中に各所から聞こえる「あの人がどうで何?」というような会話。それを聞いていて少し気にはなる。
RENTが好きでシアタークリエに足を運ぶ人と、キャストが好きでRENTに初めて触れる人の温度差というか、知識の差が勿体無い気がするなあとは思う。
「知ってる人」と「知らない人」のどちらにも楽しんでもらえて、長すぎず、端折りすぎずって難しいんだろうなあというか。
でも、私はこの演出好きなのだけれど。
次回観に行く時は、まるでまったくRENTをしらない友人を連れて行くので、どんな感想が飛び出してくるか楽しみ。

平間エンジェルと加藤コリンズ

平間壮一くんがエンジェル役になった時、何かの間違いかと思っていた。
もちろん、彼のここのところの躍進ぶりも、舞台に対しての姿勢が以前とは異なっているのは重々に承知している。
それにここ最近の彼の舞台を一生懸命観ていた身ではないのでなんとも言いがたいのだけれど、彼はどちらかというと「人間味が薄い」役の方がしっくりくるなあという印象で。
なんだろう、一般社会で普通に人間関係を構築している人間味があふれる役だと少し私と価値観が違う演技をしてくるな~というかなんというかそういう印象。
なので、博愛の精神と誰よりもラブに近くて、皆の中心にいるエンジェルをやるとは…?という混乱が私の周りでは渦巻いていた。
混乱しすぎて「ミミ役じゃなくて?」と5回くらい言っていた。(めちゃくちゃキャンドル消しそうだよねという話をしていた。)

やはりミュージカル畑の子ではないので、高音が出きっていないのが惜しいのと、どちらかというとドスが聞いた低音の声が好きなので、エンジェル風に作った声により軽く喉を痛めてしまっていそうなのが勿体無かった。
しかし、流石のパフォーマンス力というか、ダンスや小物を使っての目の惹きっぷりは更に研ぎ澄まされていたので、これからもっともっとよくなっていけば良いなと思う。
平間くんの攻撃性の高いパフォーマンスというか、「何が悪いことなのかわからなさそうに笑ってる感じ」が昔から好きなので、「Today 4 U」の時のエンジェルからは何か狂気を感じてぞくぞくした。
あと2幕のドアぶち壊すシーンと年が明けてからの「猫ちゃん亡くして悲しんでるんだから」のケラケラっとした笑いがなんとも言えない。すごく好きだった。
それがエンジェルかと言われるとその辺りは「まあこれも別に新しい解釈では」くらい。そういう意味での純粋さは強いように思う。
ドラムスティックを武器にしたアサシンだよね~とか言っていたのだけど、ブーツの底で蹴り殺されそうな勢いさえ感じた。
このエンジェルはコリンズを落とすために、金払って若者たちに襲わせてそう感が半端ないと友人間で話題に。力強く生きていそうで、そのタフさはエンジェルらしいのかも。
まだまだ伸びしろアリなので今後に期待。


2012年のオルタネートから、見事Wキャストのコリンズになった加藤くん。
この間、劇団プレステージの物販で見たばかりだから更に不思議な気持ちに。
2012年の時に加藤コリンズの回が観られなかったのだけれど、当時から周りの評判が良かったのでとても楽しみだったのだけれど、評判以上に私の中での好感度は高かった。
歌で人を泣かせられるって本当にすごいと思う。柔らかく笑うし、たくましく生きているし、このコリンズいいな~という。ほっこり。
TAKEさんのコリンズも好きだったので、どちらも好きなコリンズで嬉しい。


今回の難点というか、事前に気になっていた点としては、平間くんも加藤くんも同じアミューズ所属の若手枠(部署は違えど)なので、当たり前に接点がある。
素の2人がやり取りしているのを見てきた事があるのに、そんな彼らが演じるエンジェルとコリンズを観て、果たして私は無事に泣いて帰ってこれるのか!?と身構えていたのだけれど、意外と平気だった。むしろ普通にとってもかわいかった。
ただまあわかっていたとはいえ、キスシーンはちょっと「おっ」となってしまうのが、キャスト本人を知っていると起きる事案だよなあという。

しっかし「I'l cover you」では化粧が全部取れる位に泣いた。色々身構えながらも、この2人の組み合わせで観る事にしてよかったと思う。
次が平間エンジェルとTAKEコリンズなのでどういう変化が出るか楽しみ。
IVANエンジェルと加藤コリンズの回も見たいんだけど、RENTあるあるのキャストの日程と私の日程があわないという奴に引っかかっていて、さてどうしたもんか。


村井マークと堂珍ロジャー

村井マーク。村井マーク。村井マーク。
今公演大本命にして、最大の目的村井マーク。何回言うんだ。
最初にキャスティングが発表になった瞬間、何も観ていないのに「好き」と言った。過剰評価でも過度な期待でもなく「これは私の求めてるマークが来る」という自信があった。
そして実際に観終わったあとの私のツイートがこれ。

本当にそれくらいよかった。
いや~~村井マークが外人なのか?と言われると全然違うんだけど、なんだろう、とてもマークだった。
日本国内で上演される、日本人が演じるRENTで、2015年の今マークをやらせたら村井良大が最適キャストだと思う。という位の評価。
ナチュラルボーンマークかな?みたいな話を一緒に観ていた友達ともしていた。
終わった後もずっと「村井マークが」「マークみがやばい」みたいな言語が崩壊したような会話しかできていなかった。
誰が最初に村井良大に目をつけたのか。凄い気になる。よくよく考えなくてもすごいしっくりくるんだけどキャスティングした人、とても趣味が合うと思う。
「Tango Maureen」で女性のパートでダンスを踊るマークが本当に大好きで。村井マーク本当に最高だなみたいな頭の悪い言葉しか出てこない。

そして堂珍ロジャー。
同じく楽しみにしていたけれど、予想の何倍も何倍もよくて、かっこ良くて素敵だった。
ちょっと気弱そうなところ、自分の言いたいことを言えなさそうなところ、肝心な時に臆病になるところ、だけど強い言葉を使うところ。そういう辺りが全部よかった。
ビジュアルもとってもかっこよくて、1幕終わりに何故かかっこよすぎて怒っていた。
力強いジェニミミに振り回されてタジタジになってるのがかわいすぎた。
ユナクロジャーもこれから観るので、こっちもこっちでとても楽しみ。


2012年の時の中村ロジャーがとても好きだったのだけれど、賀来マークとセットになると「ここ2人もしかして逆でも良かったんじゃ」と思ってしまうところがあって。
賀来マークとJulianロジャーの組み合わせで観ると賀来マークなんだけど、中村ロジャーとの組み合わせで観ると、賀来ロジャーの中村マークでもいいんじゃ?みたいな。
そんな感じで賀来マークはなんかすごい不思議な感じだった。
彼はとても「傍観者」が似合っていたのだけれど、別に傍観者である事をそこまで嫌がっていないというか、好き好んでフィルムの外にいるように見えた。
逆に中村ロジャーはものすごい何かに追われて焦っているように見えた。その辺りが「逆でも良かったんじゃ」の理由なのだけれども。多分これもこれで両キャストを知りすぎてたのが当時逆に良くなかったのかなと思ってる。
そんな2人も好きだったのだけれど、という前提の上で。


私はロジャーとマークの関係性がめちゃくちゃ好きで。
それがどういう関係性かというと物凄く難しいんだけれど、歪んだ色眼鏡というよりかは本当にただ親友性が大好きというか「輪の中に入れず傍観者としてあがくマーク」と「輪の中から飛び出していきたいロジャー」が別の方向に何かと戦っている。
そしてそんな2人が親友で、ずっと夢にむかって戦っている。
ベニーが1人で先に自分たちの輪から出て行って大人になってしまったのを見て2人で悪態をつく。真逆なのに、同じ時と夢を共有して共に行きているこの親友感が尊い。
冒頭の「RENT」でどんなに顔を近づけても、気味が悪くないと言うか、どこまでもこの2人は親友なんだ!というのが解るあの距離感、なんだろうな、とてもよい。

そんでもって村井マークの「傍観者な自分」を責めているあの卑屈な感じ、たまらない。
堂珍ロジャーのどこか外に飛び出していきたくて周りを責める幼い感じ、たまらない。
足掻いて足掻いてあがきまくって、でもどうしても傍観者でしかいられないマーク。
だから大人になる事を選んで、仕事に徹する。けれどそんなマークを、大人になりきれずしがみついているロジャーは冷たく「お前は誰なんだよ!」と怒鳴りつける。
これはロジャーの嫉妬や焦りもあるんだと思うんだけど、その言葉がとても痛い。
結果的にその言葉を聞いてマークは何を選ぶかって言うと、仕事をやめて「自分の好きな映画を撮る!」という答えを出すのが、めちゃくちゃ少年感が強くて、素晴らしい。

そんな2人がそれぞれの殻を破って歌う「What you own」。大好きな楽曲なのだけれど、2015年の今聞いたらとてもとても泣けた。
セットが回る演出は、多分好きじゃない人もいて。確かにあの無機質なセットの中で突然ぐるぐる回りだすのはちょっと不思議なところもあるのかもしれない。
でも私は今まで停滞していたあの世界が、やっと2人を中心に回り始めて、「君は一人じゃない」と言い合う2人。あまりにも尊すぎる。
ああ!世界がまわりはじめたんだ!2人が自分らしく生きていけるんだ!お互いの道を歩き始めるんだ!と、物凄く力をもらえる。
だから、とっても好き。


RENTの中には沢山たくさん好きな言葉も歌詞もつまってる。
でも音楽が大好きだからついついリズムに身を任せてしまって、あっという間にシーンが過ぎ去ってしまうから、どうしたらいいんだろう。回数いけばいいんだっていう話なんだけど。
「過去もない、未来もない、今を生きるだけ」という言葉が、3次元の、今しかない舞台というものにのめりこんで生きている自分にはめちゃくちゃ刺さる。
もっと今の1秒1秒を大事にしないと、と思わされる。ただうすぼんやり生きてると、どんどん時間に取り残されてしまう。
それから「戦争の反対は平和じゃない、クリエイトだ」というセリフ、とっても大好き。
RENTを観ると、なんかクリエイティブな事をしたくなるというか、くだらない140字でもいいから今自分が思っていることをどんどん発信したり、アウトプットしたりして生きたいなあと思わされる。やっぱり、RENTとっても楽しい。
もっと色々書きたいんだけど、取り止めがないので一旦男性キャストの話でストップ。
RENTは女子が強くて男子が弱い作品なので、女子たちに関しては力強くて美しくて素敵、というところで結構満足してしまう。
男子キャストの弱さとかなよなよしたところとかをつきつめてくと、どうしても感想がよってしまう。難しい。でも思った事は思った時に一旦書きとめておかないと、という事で。


とりあえず私の1年はおおよそチケットの半券で数えられてると思う。
Seasons of Tickets.