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夢は座席で安楽死。

観る→考える→想う→書く。

【舞台】天邪鬼 アフタートークレポ

東京公演お疲れ様でした。私の天邪鬼も無事終了。
今の柿喰う客が作り出した世界観を観る事が出来て本当に幸せなシルバーウィークだった。
この後、兵庫と岐阜でもっともっと色んな人がこの作品にい出会うのが楽しみ。

というわけでアフタートークのレポをちらほら。
記憶違いやら記憶が飛んでる事もあるかと思うのでご容赦を。
レポ内の敬称は略したりなんだり。

9月16日(水)19時 初日

メンバー:中屋敷、七味、玉置、永島、大村、葉丸

初日なので皆からまず一言ずつ挨拶ね~という流れで、葉丸ちゃんから順番にご挨拶。
「優しいお客さまに包まれて幸せです」といったような事をいう葉丸ちゃんの言葉を、わたるくん、敬三さんと続ける。
玉置くんの順番で「えっなんだっけ、優しいお客様に包まれて?」と更に天丼。
「なんかただいまって感じかな」と玉置くん。
まゆ味さんまでまわり「優しいお客様につつまれて~」と再び天丼。
もうこの頃には中屋敷さんが「なんでだよ!」と半笑いで怒っていた。
「久々の本公演を本多劇場で出来て嬉しい」とまゆ味さん。
そしていつも通りの客席からの質疑応答感想タイム。


Q.七味さんの足がとても美しかったです。
※まゆ味さんの衣装はスカートにタイツだった。
えーどうしよう嬉しい!とまゆ味さん。
そういえば今回足が出てるよね、と。
すいませんこの辺りちょっと頭がまだぼんやりしてて私の記憶は飛んでしまった。


Q.皆さんが今「演劇を取り上げられたら」どうなると思うか?
葉丸:実際自分が高校生くらいになって色めきだって演劇から1回離れたらグレた。
だから今演劇を取り上げられたらグレると思う。というより死んじゃう。

大村:無印良品の店員やってたんじゃないかな~。
という回答に「演劇やってなかったらという質問ではない」というツッコミ。
狛江のチリと化してしまう。死んじゃうと思う。

永島:東京から離れちゃう気がする。
演劇をやってるとどうしても東京にいるのが便利だから東京にいるけど、演劇やらなくなったら東京からいなくなっちゃうんじゃないかなあ。
でもどっちにしても死んじゃうんじゃないかな。

玉置:いやーー死んじゃうと思う。考えられない

七味:旅行とか旅とか沢山して、世界中を回って友達を沢山つくるかな~。
という回答に「それって今お休みを貰ったらの話じゃないの?」とのツッコミ。
まあ演劇を取り上げられたら死んじゃうかな。

中屋敷:正直演劇を取り上げられたら、知り合いがいなくなると思う。
僕が青森から出てきてこっちで知り合った人って全員何かしら演劇関係の人で、つまり僕から演劇を取り上げたら、僕の存在価値がなくなる。
だから消えちゃうんじゃないのかな~。死んだも同然。

6人がいっぱいいっぱい語りだしたら終了の合図。凄い勢いで盛り上がっていた。
私自身がそうなので、なんか「演劇がなかったら死んじゃう」「演劇で生きてる」という回答が聞けてとても幸せになってしまった。(という個人的な感想)
いつもの事だけど、玉置くんの落ち着きのなさが尋常じゃなかった。
今回は1日店長システムがあって物販に劇団員が1人でます、今日は永島です!と言って敬三さんを紹介したところでハケ。

9月17日(木)19時

メンバー:中屋敷

2日目まさかの中屋敷さんオンリートーク。椅子が2つ置かれてもう1つの席には「天邪鬼」仕様のお洋服を着た大パンサーが。
ただしどうみてもパイプ椅子の上に横たわる死体だった。
最初のトークがないのでバリバリ質疑応答タイム。


Q.今回深谷さんが降板されるという事になって、ゲストを呼ぼうという話はでなかったのか?
今回はもう最初から「柿喰う客」の作品が良い、それでやる、と決めていた。
なのでまあまずゲストに来てもらってもやりにくいと思ったし、出来ないと思った。
メンバーでしか出来ない作品、というのにこだわったので、今回はゲストさんは呼ばずに6人体制で挑んだ。


Q.1人減るという事で役を分けたり、役を減らしたりしたのか?
深谷の降板を発表する頃の、9月の頭までは役が決まってなかった。
全員が全員の役をやっていたし、全員のセリフがいえたりした。
なんなら全員が「あまのじゅんや」をやっていたりしていて、元からセリフが分かれていたので、役が減ったり~とかはなかった。


Q.演出家に必要な事はなんだと思うか?
「朝から晩まで俳優を見ていても飽きないこと」。
例えばうちの玉置なんかもうちょっと見ていただけで疲れちゃう。でもそれを毎日何時間も見なきゃいけない。それでも飽きない人。
後は色んな戯曲や物語を読んでも疲れない人。シェイクスピアをやっていたら次はチェーホフで…みたいにどんどん変わっていくので、作品に対する愛と欲望があってこそかな。


Q.今回の舞台の装置が学校の体育館みたいで素敵。何かイメージはあるか?
仰るとおりに学校の講堂をイメージしている。どこか学芸会とかお遊戯会みたいなイメージ。
あとは「作られた青空」みたいなものが欲しかった。(背景部分のことを指して)
ここ(本多劇場)は舞台をやる為の場所だけれど、学校の講堂というのはそもそも式典とかセレモニーをやる場所で、そこでお芝居をやっている。
それが面白いと思った。ある種戦争に向かう前の何か儀式的なものもあったりとか。
あとはスケールコントロールが少しおかしくて、普通ならば舞台が奥にあって、手前にリボンがあったりする。そういう遊び心もある。


Q.この作品を作る事になったキッカケは?
まず最初に去年の11月に新作本公演をやろう!と話していた。
その時に最初「中屋敷の追悼公演やろう」みたいな話になった、ある種の生前葬的な。まあ今回は結局やめちゃったんですけど。
一度、僕らが自分たちで自分たちを嘲る芝居を作りたかった。
どこか「芝居」に逃げていないか?という所が気になった。芝居をやっていて「僕たちは芝居の人なんで~」という線引きをしてないか。
そういうのを考えた時に、自分たちで自分たちをバカにする、みたいな作品が作りたかった。
僕たちがどうやったら、人の、皆さんの頭の中に入り込めるか~みたいなところを考えていた。


Q.今の社会情勢にも寄っている内容かと思う。この問題を取り入れようとかはあるか?
日本語のエネルギーはすごいと思う。
例えば「犬!サル!キジ!」と言ったら、人はそれだけで「桃太郎」を連想する。
逆に「ウラン濃縮工場」なんて言葉を聞いたら思わず体が強ばって耳をふさぎたくなる。
そういう単語たちを、リズムがよいセリフに乗せてどこまでお客さんの頭に入れられるかな~みたいなのはあった。
気持ちが良いリズムで、おっかない言葉たちを綴って、気がついたらお客さんの頭に侵食させていく感じ。


この辺りでタイムアウト
「天邪鬼」という作品には沢山の本音と嘘が詰まっているので、どちらも愛してね。と中屋敷さん。
この日の1日店長はわたるくんだよ~と紹介しつつ、パンサーの首を絞めながら退場。

9月19日(土)14時

メンバー:中屋敷、永島、大村、葉丸

今日は中屋敷+新人メンバー(not初期メンバー)でトークをしよう!という回。
4日目ですがどうでしょう、という中屋敷さんからの質問。

大村:皆に浜崎あゆみを聞いてもらえてよかった。
(この日のアドリブシーンでわたるくんは浜崎あゆみをうたい大やけどをした。)
永島:言葉の力って本当に不思議なもので、本当に右肩が痛くなってきた。言霊ってありますよね。
葉丸:言霊といえば、女優なんでこういう事言っちゃだめなんだと思うんですけど本当にトイレに行きたくなって困っている。
あと、なんかよくわかんないんだけど玉置さんが今日一人で喋っててめっちゃ怖かった。
(狼のシーンでずっと「むー、むー」と言っていたらしい。)

今回の公演どうですか、という中屋敷さんからの質問。
大村:久々の本公演でとっても楽しかった。楽しい。
永島:今回動きのプロセスが複雑なところが多い。じゅんやとお母さんのシーンとか。
葉丸:屋敷さんがいるのがいまだに慣れない。何でこの人一緒にステージの上にいるんだ?って不思議になる。
と、葉丸節全開でケラケラ笑っているのに対して屋敷さんが「おい!慣れろよ!」と。

少し話がそれて、さっきの言霊の話じゃないけど「セリフをカットする」という事が嫌いで、僕たちは「成仏させる」とか「卒業」とか言っている。
なんか使わなくなったセリフに呪われちゃう気がして、と中屋敷さん。
あとは「ジャスト」と「ベスト」を意識しよう、みたいな。このシーンでこのセリフはジャストだけどベストではないよね~という話をするとのこと。
僕たちはいわゆる戯曲至上主義じゃないから、台本ありきで~というんじゃなくて、この柿の中で色んな事をどんどんやっていきたい。
そんなところで質疑応答タイム。


Q.先ほど言霊と仰ってましたが、好きな言葉や座右の銘などはあるか
葉丸:胆大心小。大胆だけど細心の注意を払っていこうねという感じ。
大村:過信せず、みたいな。
永島:縁。えにし。
中屋敷:質問の回答とはちょっとずれるのだけれど、母親の教育で「ネガティブな単語は使うな」と育てられた。
「嫌い」じゃなくて「好きじゃない」、「まずい」じゃなくて「美味しくない」みたいな。
ネガティブなんじゃなくて、ポジティブの反対にする。
文句はどこまでも言える、逆もしかりでよい方向にどれだけでも持っていける。
あと僕は何を食べても「おいしい」しか言わなくて、よく玲央くんとかに言われる。
たまーにこれは…というものに出会うと「しょうゆの味がよく出てるね」とか言っちゃう。

この質問途中で何故か客席に玉置くんが乱入し、普通に座席に座って落ち着きのない様子でトークを聞いて普通に手を叩いて笑っているもんだから
それが気になって若干答えをちゃんと聞けていなかった。なんだったんだあいつ。(CV.きよしくん)


Q.見ていて現実の事を思い出した。この台本を書き始めたのはいつ頃から?
「天邪鬼」というタイトルを先に決めた。去年くらい。
そして「狼が出たぞ」というセリフを使うと一番最初に決めた。
そこから「木に変身」とか「私はカモメ」とかをばらばらと作っていった。
台本を書く~というよりかは、「劇場でどの言葉を使うか」みたいな事を中心に考えて、どの言葉を使ったらお客さんが信じてくれるか、また信じてくれないか~みたいな風に考えてます。


その辺りでタイムアウト
本日の1日店長は七味まゆ味です!と紹介されて、あれ、なんで玉置くん客席にいたんだ?と思ったら、座席からぴょんと飛び跳ねて楽屋の方にさっていった。
なんだったんだあいつ。(CV.きよしくん) 柿のそういう自由なところが大好きすぎる。

9月21日(月)19時 乱痴気

メンバー:中屋敷、七味、玉置、永島、大村、葉丸

いやー乱痴気だよ~どうだった~というようなところからスタート。
「悪趣味」という公演からこの制度をやってるんですよ~4年前かな~とか言っていたら、2009年だからもう6年も僕たちはこんなふざけた事をやっているのか!?という話でひと盛り上がり。
玉置くんから「人に興味を持つために乱痴気をやってる。普段の自分の稽古を見ているよう。自分以外の役が何をやっているか意外とわからないから乱痴気は楽しい。」というような話。
乱痴気から本痴気(柿はメイン公演を本痴気と呼んでいる)に逆輸入されるネタとかもあるしね。みたいな話。

あとは乱痴気は「何をやっても許される」みたいなところがあるし、逆に皆が何をしてくるかわからない。
「敬三お前なんで今日ヒザから行った!?」だとか「玲央くんのチューリップは予定通りです」とか「屋敷さんのすべりこみがおかしい」とか
「七味さんが5歳児なのにギャグをやるとオバサンになる」とかもう皆ボロクソ言い合いで、このトークがめちゃくちゃ柿っぽくてサイコーによかった。

裏でよく言われてるのが「七味さんはバイト感覚でギャグをやっている」とのこと。
何かと言うと「台本にないセリフが出来ない」という。出来ないと言うよりどこまではっちゃけたらいいのかとか、そういうところ。
今回まゆ味さんはわたるくんの役(しりたいぞう)で、わたるくんは色々自分の引き出しでネタを持ってきてスベっているんだけど、自分はそこが持ってこれない。といったような話。
あとは逆にわたるくんは、中屋敷さんのやっていた役(ななひかる)だったのだけれど、中屋敷さんは演出も付けているので参考資料がない。
マネするものがないから結構苦労したかというと好き勝手やりました。とかそのへん。
そんなところで質疑応答タイム。


Q.これから大所帯になるそうですが、どうなっていくのか
最初のオリジナルメンバーがいて、そこに2011年頃から3人入って、この6人(7人)で出来ることはもう極めたかなと思っている。
だからもっと新しいことに挑戦したい。あと10人くらい欲しいかな。
そもそもこの3人(永島、大村、葉丸)もいなかったのだけれど、今はいるのが当たり前になってるので、まあどんどん新しい風を取り入れられたらと。

この辺りで何故か玉置くんが敬三さんのポケットに手をつっこみ始める奇行がはじまる。


Q.今回は相談にて配役を決めたとのことで「俺スカートはきたい!」とかあった?
今回は「こいつが一番これをやらないだろう」みたいな役を天邪鬼に決めていった。
例えば一番ありえそうなのが、じゅんやときよしの入れ替え。でもそこをトレードしちゃうと面白くない。
だからとにかく打率が悪そうな役をやった。
大村くんなんてまず間違いなくお金持ちに見えないし、むしろどう見てもドラ息子すぎる。
ちなみに僕(中屋敷)の役は七味さんの推薦です。とのことで、まゆ味さんが「自分の役をヤシキにやってみてもらいたかった」とかいう感じだったらしい。


Q.今回の乱痴気の稽古は何日くらい?
2日(2回)とかそれくらい?
今回は役がかなり早くから決まっていたので、皆がそれぞれネタを暖めてきた。
それを稽古でぶつけて「あー!」みたいになってまたネタを暖めたりとか、そんな感じ。

この辺りで何故か再び玉置くんが敬三さんのポケットに手をつっこみ、ポケットの中身を出す事に成功。
なにやら大変ご満悦だったので、それがやりたかったらしい。


最後に全員いるので一言ずつ。

七味:東京残り少しなので、今日の乱痴気を観て楽しかった~とかあれば是非本痴気も~!というような事。
玉置:残り少ないので、悔いがないようにやる。ので皆さんも悔いのない観劇を!
永島:思っている以上に腰とあわせてヒザはデリケートな箇所なので皆さんも気をつけてください。
大村:僕にはお金持ちの役はムリなんだなとよくわかった公演でした。
葉丸:最後にいうのもなんなんですけど、この乱痴気で2シーンくらいおじさんしかいないシーンがあるのが本当にやばくて。
「シンデレラになりたいの皆おじさんなのヤバイよね」とメンバーからも茶々。
なんでこのおじさんとかおばさんこんな頑張ってるんだろうヤバイ!みたいになってすごいたのしかった。

と、げらげら笑い出す葉丸ちゃん。すごいかわいかった。
のだけれどそこで中屋敷さんがブチぎれて「お前後輩なのに失礼だろ!!!」と愛のある叫びを。
今回のアフタートークで一番暴言が飛び交っていたのではなかろうか。なんていうかアフタートークで笑いすぎて涙が出た。

今日の1日店長は玉置くんです~ということで皆がはけていく中、一人舞台上から飛び降りてロビーにさっていく玉置くん。野性味あふれていた。
その後ロビーでかなりデカい声で物販をしていたのでもうなんか何がなにやら。元気がいちばん。
「仙台にいきてえー!!!」とか叫んでいた。仙台公演、あるといいよね。

9月22日(火)14時

メンバー:中屋敷、七味
 ゲスト:千葉雅子猫のホテル

以前まゆ味さんも客演で出た「猫のホテル」の千葉さんが来ましたよ~わ~い!みたいな感じからのスタート。
まゆ味さんにエスコートされて千葉さん登場で、早くも色々興味津々なご様子。
今回は舞台上がかなり八百屋舞台になってるので、こんな傾斜ついてるんだ!八百屋は腰にくるよね!と千葉さん。
そんな感じで3人のトークスタート。

中屋敷:「こんな劇団になりたい!」というので、僕は猫のホテルを目指してる。
なんていうか猫ホテのメンバーが好きで、どこの芝居を観に行っても客演に猫ホテの人がいると「あっこの舞台は大丈夫だ」という安心感がある。
柿もそんな風に俳優の魅力を出せる劇団になっていけたらと思う。なので今日はとても光栄です。

千葉:柿喰う客の芝居を毎回観れているわけではないので恐縮なのだけれど、今回は語りかけられる熱さがあった。
最後の着地はどうなるのだろ~と思っていたら、そうくるか!みたいな。
客席にいてもとても何かを投げかけられる舞台だった。

中屋敷:色んなやり方があるけれど、僕たちは「客はこっち」「舞台はこっち」と線を引きたくない。
むしろ「舞台に飛び込んでいこう!」というやり方を取ってて。

千葉:なんだろう、いつもはスタイリッシュでクールみたいなのがあるんだけれど、今回は剛速球だった。
けれど走りきらない柿っぽさみたいなのものあったのかな。楽しいお芝居だった。

中屋敷:演劇の中の嘘と本当とか、かけひきを意識してる感じです。

千葉:配役シャッフルの公演もやってるんですよね?
というあたりで、まゆ味さんから「昨日の夜でした~」という補足。

中屋敷:乱痴気公演なんかは、僕は七味さんの役だったんでスカートにタイツだったんですよ。
(ここで千葉さん驚いて叫んでいた。)
1つの役をやるんじゃなくて、色んな角度から見る、みたいな感じ。役だけ決めて皆で自主練してぶつけてくる。

七味:アドリブの部分も結構皆が自由にネタを持ってきてぶつけるので
今日なんかはわたるが「岡田以蔵」がわからなかったし、敬三は「ロールスロイス」を取り違えていたし。
(わたるくんは「お客様の中に岡田以蔵がわかる方いらっしゃいませんか!」と叫んでいて、敬三さんはバイクに乗るフリをした後に車だと気がついていた。)

中屋敷:立ち位置とかも段々決まってきてしまうので、乱痴気をやることで自由に戻したり、引きで観たりしてる。

千葉:初日の段階では立ち位置とかは自由ということ?

中屋敷:大体の立ち位置は決まっていて、でも決まりすぎるとパキパキしてしまう。
人間であることを思い出させないといけないから、ギャグのシーンをいれてちょっとは火傷をさせる。
うちの劇団員にはいないんだけど「あっ今いい声でてる」とか「あっいま決まってる」とか、段々芝居に酔ってきちゃう。
なので恥をかかせる感じで、ギャグを練りこんで現実に引き戻しています。

千葉:1ヶ月前くらいから稽古?という事は1週間前から動きがつく感じ?

中屋敷:今回は稽古も早かった。何しろうちのメンバーは台本を覚えるのが早い。

七味:ある程度のキャスティングはあるけれど、セリフの配分はあとからやったので、今回は皆が全部台本を覚えて言った感じ。
猫ホテさんでもそうだけど、稽古場でしかやらないギャグがある。
例えば今回だと、永島と大村が頭をくっつけて「シャムの双子」で出てくるシーンがあったのだけれど、それいるか?となってカットされた。

中屋敷:最初は面白いなとなっていたけど、段々「これいらねーな」となっていった。
ただ、稽古場で本番の事だけやっていくと繰り返しの「作業」になってしまうから難しいし、つまらなくなる。
台本どおりのことはあくまでも最低限で、いらないものを沢山つめたところからそいでいくイメージ。

千葉:そうじゃない所も沢山あるけれど、その辺りはうちと似ているかもしれない。

中屋敷:あとこれは僕だけかもしれないのだけれど、台本に誤字が多い。(PCで書いている)
で、誤字が多いんだけれど、俳優がガンとして直してくれない。
てにをはが間違っていて「あっそれ誤字だから直して」といっても「台本に書いてあるからなおしませ~ん」と言ってくる。

千葉:一緒だー!!!(と、きゃっきゃとわらう千葉さん、かわいかった)

七味:ほらやっぱり私たちは役者なんでね、脚本家さんが書かれた台本どおりにまずは読まないと…。

中屋敷:そういうのいいから!
台本を書いた後に稽古に入ると、俳優からも色んなものが跳ね返ってくる。
勝手にここのシーンで動くとか、ここでいい声出すとか。それで「そういうのもありだな」と思う。
僕は「台本に書いてない事は好きにやっていい」と思ってるから、好きにやってもらっていい。
(そういえば中屋敷さんの台本にはト書きがない)

千葉:それだけ聞けて本当に満足です。(本当にご満悦そうだった)
そういえば、この公演が「事実上の解散」と銘打ってるけども、それはどうして?

中屋敷:このメンバーの柿喰う客は一度「事実上の解散」だなと僕たちは思っていて。
この状態を一回壊そう、と。この7人でできることは極まったから、もっともっと新しい事に挑戦するために、違う角度から何かをする若い人を10人くらいいれたいです。
あっ若くなくても勿論大丈夫。

千葉:ということはうちの10人を丸々引き取ってもらって……。

中屋敷:いや!それは!流石に!(ツボに入って大分笑っていた)
「猫喰う客」になっちゃいますよ!!!


と、いったところでタイムアウト。この日は質疑応答なし。
だけれど千葉さんの質問がどれも素晴らしかったのでたっぷり聞けてよかった。
今日の1日店長は……あれっなんで2人いるの?「今日は2人店長です!(?)」ということで、敬三さんとわたるくん。

9月23日(水)14時 東京千秋楽

メンバー:中屋敷、深谷

東京千秋楽おわっちゃいました!という訳で今日のアフタートークは7人目の柿喰う客、深谷由梨香をゲスト?に迎えました!
と、中屋敷さんの紹介の後に、きゃーきゃー騒ぎながら登場するゆりかさん。
「もう本当によかった!最高だった!やばい!私泣いちゃったよ!」とゆりかさんがガンガン言っていて、軽く引いている中屋敷さん。
「僕、深谷さんと話したくないんですよ。稽古場とかでこれどう?とか聞いても基本的に最高だ!しか言わないし」と中屋敷さんが言ってる間にも、ずっと「最高」と言い続けるゆりかさん。
「10年やってきて、柿と屋敷がこんな作品を作って、もう、感無量!感無量!!!」と私たちの代弁者みたいになっているゆりかさん。
ぶっちゃけこの人まさか焼酎とか飲んできたんじゃ…と心配になるレベルだったけどいつもこんな感じだった。
直前まで千秋楽の公演が終わってしまった寂しさがあっという間にどこかに飛んでいった。
そんなところで質疑応答タイム。


Q.この作品の主軸に桃太郎があるけれど、何故桃太郎をセレクトしたのか?
また深谷さんがいたら何役をやっていたのか?

auペプシのCMも桃太郎を使ってる。
これは僕調べなんですけど、日本人で「桃太郎」を知らない人はいない。
例えば浦島太郎だとか金太郎とかだと、最後を覚えてない人がいたりとか矛盾が生じたりしているのだけれど、桃太郎は日本人のDNAに植えつけられている。
後は、僕は2歳8ヶ月の息子がいるんですけど、皆さん「はじめて桃太郎を読む人間の感動」を見たことはありますか?
皆が当たり前に知ってる桃太郎を、1ページ1ページ新鮮な顔をして見ている息子の姿をみて感動した。
ちなみに深谷さんがいたら「鬼」役が増えていたのではないのかな~と思う。
ただ今回は鬼を登場させないで、架空の敵としてもっと大きなものにした。

ちなみに、今回稽古がはじまる前にプレ稽古というのがあってそれは深谷さんも参加していた。
「私はカモメ」とか「狼が来たぞ」とか、まったくバラバラの1ページずつの台本を6人(中屋敷さん除く)に渡して、読んでもらっていた。
それでどこまで他のメンバーを信じさせるか、信じさせないか、みたいなことをやってました。とのこと。
ゆりかさんは洗濯板のシーンを読んでたよ~と。


Q.各役の名前がそれぞれその役をイメージするものだが、何故「しょうじきよし」に正直という単語を用いたのか?
上手くロジカルに説明できるかが難しいのだけども。
彼は「狼少年である」ということに対しては正直。
しょうじきよし、という子供は「嘘つきである」という事に対して正直と言うか、自覚的に嘘をついている。
あまのじゅんや、と言う子供は「自分が嘘をついている」とは自覚していない。無自覚で嘘をついていると言うかお芝居の世界にいる。
だから彼の名前は「しょうじきよし」になっているのかな~というところ。


Q.桃太郎は本当は悪い奴では?という説もあるが、中屋敷さん的に今回はどっち?
「桃太郎は本当は悪い奴では」という説は戦後からと言われているらしくて。
他の国を攻め入って侵略してはいけないんだよ、宝を持ち帰っちゃいけないんだよ、というのを戦後反省してそういう説が出たのかなとも思っている。
僕はどちらでもいいというか、どちらがあってもよいと思う。のでどっちともいえない。
例えば今子供たちが桃太郎という作品を読んで、桃太郎がヒーローになるのか、それとも他の国を侵略する悪い奴になるのか。
なので我々がどうなのか、どうとるか、と言うようなところに重きを置いている。


この辺りでタイムアウト
東京千秋楽なので役者全員出てきて一言ずつ挨拶するよ~ということで、いよいよやっと本多劇場の舞台上に柿が7人そろい踏み。

葉丸:えっ、この挨拶で最後?(確認)この時間を過ごせてとっても幸せでした。ありがとうございました。

大村:これで最後?(確認)こんなにも沢山のお客さんに来ていただけて幸せです。ありがとうございます。

永島:これで最後?(確認。中屋敷さんそろそろ震えだす)
今は7人だけれど、これから増えたりするかも…あ、いや増えて。違う柿になるんじゃと思う。
これからも熱く過ごしていきたい。ご来場いただきありがとうございました。

玉置:これで最後?(確認。中屋敷さんがもー!と怒り出す。これ、初日も見た奴や。)
敬三と一緒になるけれど、7人なのはこれで最後。10周年の時にまた新しい柿喰う客の姿で会えたら。
この後兵庫と大垣公演があるので、近くにお友達が住んでる~と言うような方はぜひぜひお勧めしていただけたら。

七味:えっこれで最後?……ごめん、私飴なめてて!!!滑舌悪いと思われたらやだなと思って弁解するけど!
と言う辺りで葉丸ちゃんから「飴なめてる方がどうなんだ!?」とツッコミ。というより今日の七味さんがおかしすぎて本当にヤバイ、とげらげら笑い出す葉丸ちゃん。
突然「七味さんのおかしかったところ」を振り返るコーナーが始まるかと思ったが「お客さんに気持ちよく帰ってもらおう」という事でその話は終了。
この公演が出来て幸せでした、とまゆ味さん。なんかもう中屋敷さんが物凄い顔をしていた。

深谷もーーーー!本当に!ただ!今後の柿喰う客を!なにとぞ!宜しくお願いします!!!!
みんな!!!気をつけて行ってらっしゃい!!!!!
…と、大声で叫ぶゆりかさんを見て、中屋敷さんがやっぱり物凄い顔をしていた。凄かった。

中屋敷:今後とも、柿喰う客を何卒宜しくお願いいたします!また劇場でお会いしましょう、ありがとうございました!


という所ですべてが終了。
今日は1日店長の紹介がなかったから物販にメンバーは出ないのかな~と客席でアンケートをじりじり書いて「本当に終わっちゃったんだ~」なんて友達と話しながらトイレに立ち寄っていたら
なにやらロビーから騒音が聞こえる。というか叫び声が聞こえる。
恐る恐るロビーに近づくと、玉置、永島、大村の男子トリオが普通に物販をバナナの叩き売りのように売っていた。

「僕たちは20時の電車でこれから兵庫に向かいます!」
「色々売り切れてるけどパンフレットは1部1000円だよ!」とかもうしっちゃかめっちゃか。
外に帰るお客さんを追いかけて「忘れ物ない!?」と叫んでる玉置くん。
ロビーをふらふらふらふらしすぎてお客さんにぶつかりまくるわたるくん。
最早物販の外に立って、パンフレットを売る事を放棄している敬三さん。
そしてそんな3人をにこにこ見つめているゆりかさん。
なんていうか、本当にめちゃくちゃだった。「しっちゃかめっちゃか」という言葉がよく似合った。
けれどあの虚構の世界の中から、この現実の柿喰う客のトークだとか、物販での姿だとかを見れて、いい感じに現実に戻ってこれた。

じっくりたっぷり楽しんだ、本多劇場での天邪鬼。
次に私が柿喰う客の本公演を観る時は何がどうなっているのやら。わくわく、そわそわ、どきどき。
これからも楽しみ。