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夢は座席で安楽死。

観る→考える→想う→書く。

【舞台】トーキョーハイライト「Nijyu」

舞台

トーキョーハイライト「Nijyu」

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@駅前劇場
2015年12月8日~13日

http://www.sake-tabako-onna-conto.com/

舞台というかコントか。諸岡立身さんが脚本と演出を手がける役者を使ったショートコント80分。
自分がよく知っていてSNSをチェックしてる役者さんたちがやたらトーキョーハイライトの話をしていたので、気になっていたところ丁度12月に公演があるとのことで、下北不足解消のためにレッツ駅前劇場。

作品について

平日夜の駅前劇場はまあわりといつだって閑散としているのだけれど、それにしても閑散としすぎてはじまる前はちょっとビビっていた(えげつないほどに客席がすいていた)。
とはいえはじまってみたら自分の大好きなシュールさがつまってて笑いすぎて途中で涙が出て、9本のショートコントと、転換中も小ネタがはさまれて充実の80分間。
駅前劇場という小さな劇場の中に、劇団☆新感線の右近健一さん保坂エマさん河野まさとさん、マサ子の間男の高木稟さん、ブルドッキングヘッドロックの西山宏幸さん、永嶋柊吾くん、そして主催の諸岡立身さん。
なにこれ、この人達こんな狭いところに一同にとじこめていいの?大丈夫???ていうかお得すぎない???というキャスティング

全体的に、シュールな空気感の中の不条理さにクスッとくる感じがちりばめられていて私はとっても好み。
話の流れとか、会話の流れとかが「ありえる」範疇だけど「そんなのないだろ」みたいな、この究極に現実的なのにどっかおかしい感じ。なんだろうこのズレてる感じが私はすごい好きなのかもしれない。
9本のコントはそれぞれ独立しているので役というよりかはもう本当に小さい笑いがずかずかつめられていたり、途中で「役者」の部分も出てきたり。
最初の方のコントは尺が短くて、世界に入り込むに連れて1本の尺が伸びていくあの感じが、ものすごい心をつかまれてる気持ちになって上手いな~という。
場面転換中の楽曲のポップさや、びかびかと光る照明がとてもよかった。
普段小難しい事を考えながら芝居を観るのが大好きだけれど、あまりにも脳のデトックスになりすぎて終わった後口元がいい意味で引きつることに。
それにしても新感線組が暴れすぎていてびっくりした。普段もっともっと大きな劇場で観ているから、こんなに狭い劇場でこんなに近くでみたら劇場壊れるんじゃと言うくらいに暴れてて容赦がない感じがたまらない。
あとは久々に舞台上でみたしゅーごくんは相変わらず等身がおかしくてびっくり。声もよく通るし、歌が上手くなってたし、なにより肌がとても綺麗だった(何を見ていたのか)。

場面転換中に「転換コント」という謎の壮大な楽曲を用いての時間があるのだけれど、それが最高に好きすぎてつらかった。
内容としては「これをこうしてこう、それからこれをこうしてこう、これでさっきのコントとまったく別の場所、これを転換するっていうんです」みたいな事を延々繰り返し歌ってるだけで、だからなんなんだよ!!という内容。
このメンバーでアカペラで歌わせるにしては内容がなさすぎる歌なのに、正直何が起こってるのかわからない壮大さで笑った。
突然のミュージカルとかそういうのに凄い弱いので勘弁してほしい。「あるある」をよくわかりすぎてる。

それから高木さんの意味の解らなさがわかんなさすぎて、本当に自分と同じ人類なのか疑問を抱いた。
「知らんがな組手」というアドリブ無茶振りエチュードみたいなコントがあって、諸岡さんが師範になり出演者全員に順番に声をかける、声をかけられたキャストは諸岡さんが「知らんがな」と突っ込みたくなるようなどうでもよい話をする~という流れなのだけれど、高木さんのよく解らない変な歌が本当に意味がわからなくて、ちょっとどこの引き出しをこじあけてきたらその言葉が出てくるのか知りたすぎる。
「動物園にいったのさ、アザラシを見ていたらなにやら背中に黒い丸、どうやらそれはアザらしい」
というどこでも聞いた事のない楽曲(?)をいきなり歌いだして淡々と歌いきった瞬間の駅前劇場の舞台上及び客席の今にも死にそうな引きつり笑いはやばかった。
勿論私も泣きながら笑った。しかも今も耳から離れない。
この危ない飛び道具みたいな人、年末の「納め・る」に出演されるそうだけれど、若手俳優と混ぜて大丈夫なのか。凄い気になりすぎる。
いやでもるひま舞台には既に飛び道具みたいな人今まで沢山いたね、そういや…。


なんだろう、コントって物凄い感想を書くのが難しいんだなと今回改めて感じている。
本人と役の差があまりないお芝居と言うか、役は役なんだけれど、演じているというよりかは「本人がそういうお話をやっている」みたいな。この説明が最早難しい。
お芝居はコントであって、コントはお芝居である、と常日頃から思っていて、何かと言うといわゆる「お笑い芸人」と呼ばれる人達は役になりきるお芝居が上手い。
それがミュージカルだとか不条理演劇だとかになってくるとまた話は別なのだけれど、「自分ではない役」になってそれらしく振舞ったりすること、滑舌、発声、そういうところはデビューしたての俳優の何倍も何倍もスキルが高い。
だから芸人さんはお芝居がとても上手いよな~という事を前にもぽろぽろ話していたのだけれど、今回この作品を作っている諸岡さんは「芸人」で、演じているのは「役者」と呼ばれる人たちを使って作るというのは面白かった。
厳密にいうときっとそこの差ってきっとぼんやりしてるというか「何に特化してるのか」という所だと思うのだけれど。
「自分自身を演じて笑いを取る」ことと「スイッチを切って自分を出して笑いを取る」ことの差なのかな、難しい。
なのでこの感想も書くのに凄い難航した。現時点でまとまってる自信は一ミリもない。ただ、楽しかった、とてつもなく楽しかった!!という事だけ書き残しておく。
あ、あとは笑いの方がシリアスよりよっぽどテンポ感に対して厳しいなと感じた。すっごい操るの難しくて技量がいる。

最終的には「よくもまあこんな集団を1つにまとめる空気感を作れるもんだ、すごすぎる!!」となったので次回公演があったらまたいきたいな~というところ。
同時上演されていた「フレッシュとおっさん」も気になったのだけれどそこまでは手を伸ばせず残念!!
それにしても最近どんどんよいものを見つけられていて嬉しいな~。


あとは久々に駅前劇場に入った気がするけれど、相変わらず駅前劇場とOFF・OFFの関係性が好きだ(2つの劇場はぴったりと隣あっている)。
双方の劇場が静かになるシーンで隣の劇場の音が聞こえてくるのがたまらなく好きだし、先に終わった劇場は「ただ今隣が上演中だから静かに帰れよ」というアナウンスをされることもなく、そう指示された看板がボンとおかれているので、そっと静かに帰らなければならないという決まりがある。
その空気がすきすぎてだめだ。下北沢やっぱり好きだな~と思う。
なんだろう、どこを向いても誰一人として同じような人がいないあの空気、すごいよいよね。大好き下北沢。
あと下北沢と多摩センターは意外と行き来が出来るということを最近学んでしまったのでその辺り活用してもうちょっと下北沢にいく頻度も元に戻したいと思った。