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夢は座席で安楽死。

観る→考える→想う→書く。

【舞台】地球ゴージャスVol.14「The Love Bugs」

地球ゴージャスVol.14「The Love Bugs」

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@赤坂ACTシアター
2016年1月9日~2月24日

http://www.chikyu-gorgeous.jp/vol_14/


2016年、劇場での観劇はじめは地球ゴージャス最新作の初日。
ポップな世界観でわいわい大はしゃぎ!楽しいおまつり!!な作品かと思ったらちょっと予想と違ったかも。
ACTシアターのトイレのスタッフは相変わらず大好きだった。

舞台について

ここ数年のゴージャスは映像での演出が派手だよな~と思う。あと最近の五朗さんは舞台上空を使うのが好きなのかしら。
映像装置を使ったり、変形の舞台セットでの演出はとってもよかった。衣装もカラフルでポップですっごくかわいいし、何よりアンサンブルチームも物凄く見つけやすい。(一度見つけてしまえば後はすぐわかる)。
豪華だ~華やかだ~!楽しい~!という面ではとっても満足だったし、地球ゴージャスも、岸谷五朗さんも好きで尊敬した上で、ちょっと自分の頭の中でまだ落としどころがつかないので感想と言うより頭の整理をする。
当たり前にネタバレがあるのと、1回の観劇で読み解けなかった部分をガシガシ書いていくので辛口め。


1幕65分を観終わっての感想が「話がまったく読めない」だった。
ゴージャスの「1幕で登場人物を説明して2幕で承転結全部やります!」感はわりといつもの事だよな~という感じなのだけれど、とはいえ本当にこの舞台がこの後どうなるのかわからないレベルに何が起きていてどうしたいのかがちょっと良くわからなかった。
年々抽象的なオープニングの尺が長くなっているのを感じているのだけれど、それに加えて今回は言葉のセレクトがちょっと難しいかな?という印象。
今までの作品だと「伏線や設定はこんがらがっているけれど、使っている言葉はやさしい」というイメージが強くて、けれど今回は「言葉数が少なくてこんがらがっている上に、出てくるワードや言い回しが少し難しい」という感じ。
ただでさえ頭が追いついていない中で、さらに混乱してしまったかも~という所。

結構遅いタイミングで五朗さんが出てきて悪ふざけをしはじめたあたりでやっとホッとして、あっいつもの地球ゴージャスだ!と安心。
その後寺脇さんが出てきてさらに話がしっちゃかめっちゃかになるので、余計に安心すると共に、本気で「この話どう収集つけるんだ」となっていたところで休憩。
うーーーんと首を捻らせながら「今回は大分やさしい感じにしてくるのかな?戦争の話は流石にしないよね?」と話していたら完璧にフラグになってしまった。
今回は「虫の世界」のお話ということで世界観も私はとっても好きだったし、Vol.12「海盗セブン」みたいなどんちゃかお祭り騒ぎで「つじつまちょっと合わなかったけど華やかハッピー!」がくるのかな~と思っていた。一緒に観劇していた友人も同じく。

ここ最近のゴージャスはメインキャストの尺配分がちょっと難しいかも。あと一人少なくてもよかったかな?という印象が否めず。これ何かの時も思ったな…。
どうしても見せ場をつくったり、説明シーンが出てしまうので、それに1幕を割いてしまうと残りの尺ですべてを片付けないといけなくなるのが勿体無い。
ただ、1幕のダンスを使ってのパフォーマンスがとってもステキだった。物凄く好みだった。
最近おなじみのSHUN振り付けでのあれこれは観ててやっぱり楽しかったし、ダンスを使っての表現というのを観ているのがやっぱりとっても好きなんだなと思えた。
衣装がカラフルなのもあって華やかで見栄えも良いし、そういった点では1幕は大満足。
「エントリーナンバー125番でダンスコンテストに負けた平間壮一くんは、カナブンとして種族の代表になれた世界か~~」みたいなどうでもいいことを言っていた。いや、あのシーンそういう風に見える。
あとゴージャスで客席を使う演出ってほぼ見なかったのでちょっとびっくりした。


そんでもって物議をかもした2幕。
ゴージャスといえば「反戦」と「母は強し」がキーだよな~というのは認識していて、寺脇さんが正装して出てきた時点で嫌な予感しかしていなかったのだけれど、その上で「やっぱりそうなったか」という印象。
なんだろう、戦争について、平和とか愛とかについて、今の日本の状況とか世界の情勢とかについて考える事を放棄しているわけではないし、そういうテーマが掲げられた舞台を観に行っていたなら別に気にならなかったとは思う。
けれど「この舞台でそういう話聞かなくてよかった」というのが本音。

というのもあまりにも反戦へのメッセージが強すぎた。お陰でこの舞台で「何が言いたいのか」「何をいちばん伝えたいのか」というのが不透明になりすぎてしまったように私は感じた。
全体的にふわふわほわほわしたファンタジーがいっぱいの虫の世界で、当初「特別なアニバーサリー!今日はフェスティバル!祭典をはじめよう!」とかいっている空気感の中、「戦うのは良くない」というような抽象的な表現を用いてくるならまだわかる。
けれど物凄く具体的な固有名詞や国名まであげて「人間の世界の中で戦争があった事を忘れてはいけない」「戦えない国である事を主張しよう」みたいな事を物凄い重圧で主張されてしまうと、もうそこしか印象が残らない。
あまりにもあの時間がリアルすぎた。五朗さんが掲げる「お芝居は嘘の世界」という嘘の世界の中に、突然NHKの臨時ニュースを流されて現実にぐいぐいぐいっと引き戻されたのが私は残念に感じた。
戦争の話がしたいのであれば最初から虫の世界野中でのそういう話を作ればよかったし、逆にファンタジーにするなら戦争の話は諦めてほしかった。せっかくファンタジーなのに突然30分くらいリアルな時間があって勿体無いな~というところ。重厚さのギャップが物凄く気になった。
途中、環境について触れる場面があって、こういうテーマだから環境についてお説教されるなら全然問題なかったのだけれども、突然戦争の追体験みたいなのをさせられて「戦争忘れないでね!」って新年早々言われても~う~んみたいな。

五朗さんは色んな支援活動を意欲的に行っていてとってもステキな人だと思うし、何より彼のセンスや才能が大好きなので決して否定の意はないのだけれど、ここ最近の脚本のお説教感と頭が固くなってる感は否めないかも。
でもエンタメの引き出しも増えてるからそこが不思議。ただ個人的にはもうちょっとエンタメばりばりのバカ騒ぎが観たかった。
「ファンタジーと愛」「ファンタジーと戦争」「愛と戦争」はそれぞれ同居できるけど「ファンタジーと愛と戦争」を全部混ぜるにはちょっと1幕で尺使いすぎたかなと思う。
私や、一緒に観劇した友人は「ゴージャスで反戦の話は出てくるもの」と言う認識で言ってるから「はい!」という感じだったけれど、はじめてゴージャスを観に行って、愛のファンタジーだと思ってた人はこれでよかったのかどうかが凄い気になっている。


そんでもってゴージャスの脚本の重箱の隅をつついたら負け、というマイルールがあるのだけれど今回はわりとでかい疑問が残ってしまったのでつついてみる。

結局黒幕は誰だったのか?
シルバー(ヤマト)に感染させる為に各種族を集めたのはいいのだけれど、その黒幕は誰だったのか。例えばメインキャストの中に黒幕がいて~というようなちょっとありきたりかもしれない展開だったらまだ解りやすかったのかも。
マルシアとか丁度よいポジションだったと思うんだけど、今回明確な敵がいなかった気がする、そういえば。

そしてあっさり倒されてしまっていいの?倒されたインセクトたちはその後どうなった?
なんか気がついたら戦闘シーンが終わっていて、気がついたらシルバーたちが殲滅されていたのだけれど、そんなに簡単に倒せるものだったのか?という。そして一応各種族の代表として選ばれた者たちがシルバーにされていたのだけれど彼らを倒してしまってよかったのか。

そもそもそのあとどうなったんだ?
というのは愚問だな~~と我ながら思うのだけれど、結局あの世界の中での終着点が私には見つけられなかった。「誰かに集められました」「集めたのは悪い人でした(誰なのか不明)」「皆頑張って生きていこうね」みたいなのはわかったんだけど、じゃあ残された人達はどういう世界で生きていくのかしらとか、倒されちゃった子達はどうなったのかしらとかそういう「余白」以前の不明点がわりとあって、歯がゆい。
全体的に2幕後半からの駆け足感がつよくて、もしかしたら拾えてないセリフとかあるのかもしれない。

素人が完成された作品に口を出すのは失礼だとわかった上で、あくまでも「私の趣味」として、1幕後半で「シルバーが放射能により汚染された新種の虫たちだった」という事と実は誰かが黒幕でした!という所まで発覚、2幕前半で時間をかけて殲滅させるところまでいって、ついでに何かしらのセリフでその種族たちがどうなるのかのフォローを入れて(ファンタジーなんだから倒したら目を覚ますとかでもいいのでは)、2幕後半で「あっでもスィンクルマンが感染しちゃってました!けど愛を歌うよ!」みたいな展開にした上で「皆がんばっていきてこうね!環境は大事にね!戦争も勿論反対だ!」みたいな方がよっぽどストンと来た気がする。
わかんない、私の趣味だからどうなんだろうというとこなんだけど、やっぱり2幕頭のあれそれが!長い!!

あと恋愛要素について。
これはもうちょっと解りやすくてもよかったんじゃないかな~と思ってる。
カップルとしては2組出来てることになるのだけど、1幕から2幕にかけてちょっとブレがあるかな…と感じた。
というのもなんとなく1幕冒頭で天娘はスィンクルマンとくっつくのか?みたいな流れがあったように感じていて(特に最初20分くらいかな)、かつそこでブン太が若干かませ犬としてほろ苦い話になるのかな~と思いきや、ブン太と天娘の間に恋愛要素は生まれず、しかも天娘はシザーQとくっつくんかい!みたいな感じになってしまった。
キャラクターの記号を観た上での趣味なのかもしれないけれど、尺都合でそこの要素が削られてしまったんじゃ…というイメージが若干。
シザーQを恋愛要素に持ってこなくても良かったんじゃないのかなあと思うんだけれど、そうすると今度話の中にどう絡んでくか?というつじつまも合わないしでうーーんめっちゃ難しい!!

さらにスィンクルマンとティアラが「カマキリ」と判明した時点ですっごい申し訳ないのだけれど「あーこれ最後に城田くんは相思相愛になったら食べられて死んじゃう奴だ」というのが解ってしまって、この後どうやって城田くんが愛を伝えるところまでいくのかな!みたいな目線で観てしまったのも良くなかったのかもしれない。
というかそういう前半にここがくっつくのかな?みたいにあった記号と違うところがくっついてるのもあって、まるでスィンクルマン(城田くん)を最後殺す為に、ティアラとくっつけたようにも見えてしまったかなあ~というところ。
あとやっぱりゴージャスに出てくる女の子は強いんだよな~。
五朗さんが好きなのが「勝気で強い女性&かっこつけてるけど実は弱い男性」のコンビだと思うので、多分そこがちょっと私のツボと違うのかもしれない。
二番手以降で登場する、寺脇&藤林コンビの恋愛ともいえないあの関係性が私はいつも好きなのだけれど、今回藤林ちゃんは振り付けのみで出演してないので残念!

そんな風な大分荒削りな脚本と、回収されまくらない複線と、説明されない謎が残りすぎて結局「戦えない国であることを主張する」というところのリアルすぎるメッセージだけが残ってしまったという初日の観劇。
ここまで書いたら大分スッキリしてきた。本当に思うことが大量にあったんだなと気がついた。

キャストの使い方について

あれこれぶつくさ言ってるけども、やっぱりゴージャスは華やかだし役者の個性をもってくるのは上手いなあと思った。
特にTwitterにもかいたけれど若手勢。城田くんはゴージャス発出演とは思えないくらいなじんでいたし、あの長身がゴージャスのキャストの中にいてとてつもないアンバランスさなのがファンタジーさをかもしだしまくっていた。
城田くんの魅力を見せます!みたいに五朗さんが事前のインタビューで言っていたけれど、確かに見てて「いいなあ」と思わされた。からやっぱり若手を伸ばすのはとっても才能があると思う。
し、自分が好きだったり興味がある若い子をすっごく上手に使ってくれるステキな人だな~と改めて思った。
ただ初日の時点では、メインキャストのばらつきが強かったように感じて、人によって別の世界にいるみたいだった。これはキャストがどうというより初日だった~というのと、あとはやっぱり脚本のテンションの差によってなのかな~という部分もあるので、この辺りはもう何日かしたらバランスよくなるのかな。

あとは誰がよい悪いとかではなくて、歌唱法の差が物凄く気になった。
全員がそれぞれ上手いのだけれど、本来の畑が違うのでどうしても一緒に歌うと気になる。
例えば城田くんととむさんの歌声はまったく問題なかったし、逆に櫻子ちゃんと壮一くんや五朗さんの歌のシーンは気にならなかったけど、それらが全員まざると「なんかちょっと違うぞ」感があった。少し勿体無かったかもな~という。まあでもこれもゴージャス特有かしら。

今回、平間くんがメインキャストに抜擢されたことでワー!となっていて、勿論彼も頑張っていたし、彼がメインキャストとして出演してる地球ゴージャス作品を観る事が出来たのも嬉しかったのだけれど、どうしてもまだ他のゲストと比べてまだ武器が少ないかな~という印象。
いや、ダンスはめちゃくちゃよかった。もっと公演数を重ねていくとしっくりくるかな?というところ。
もっともっと大人にもまれてよい成長の仕方をして欲しい~という良くわからない希望。

まさかのダークホースで猪塚くんが凄いよいポジションにいてびっくりした。彼はクレジットをもっと上にしなくてよいのだろうか…。
通例の「アンサンブル」の扱いではなくて明らかにセリフががっつりある役を与えられていたし、クザリアーナの時から思っていたけどゴージャスの世界観で「ちょっと面白いモブ以上メイン未満」として使うには丁度良いのだろうな~。
声量もどんどんよくなってるし、自分なりのキャラクターをつかんで演じるのがうまくなって言ってるので、こういう大きい舞台のスパイス要素として使うには丁度よいポジションなのかも。

SENDEN虫もう1人の風間くん、は、他アンサンブルより1段上くらいの扱いかな?序盤セリフがないのでどこにいるのか一瞬見失ったけど見つかったらあっという間だった。
風間くんは群舞の中で踊るのが本当に上手になったというか、綺麗にまとまるようになったな~とぼんやりみていた。
今回猪塚くんが目立つ役だったのと、若手アンサンブルは2名なので悔しい部分もあるのでは、と感じたけれど、あの役は今の風間くんのスタイルとはちょっと違うし、逆に群舞の中でばりばりアクションやったりダンスを任されたり、というポジションは個人的には観ていてしっくりきた。
あとセリフ数少ないけれど風間くんも圧倒的に声の出し方よくなったし、すごい成長を感じた。

女子陣は小林由佳ちゃんが大好きなので、相変わらずの素敵なロングヘアーのなびかせてのアクロバットやしなやかなダンスに見惚れてしまった。
狙って観に行く!という程追いかけているわけではないのだけれど、最近由佳ちゃんが出てる作品を定期的に観られているので嬉しい~。
後はゴージャスではお久しぶりのIKKOさん。この辺りのダンス見られると安心するので凄い幸せ。
アンサンブルは女子男子ともにいつもの顔ぶれもいれば新しい人も多いので、そういった意味でもちょっとまだ慣れない空気感なのかな~どうなんだろう。

全体的に「ゴージャスの中にアミューズの若手俳優が混ぜてもらってる」というのがいつもの事だったのだけれど(三浦春馬くんは除いて)今回すごいがっつり食い込んできて、そこそこ出番もあったりしたので余計に自分の中で世界観がブレてるところがあるのかなあとも思う。
よくもわるくも身内感というか、見慣れたものが揃いすぎてるというか。
アミューズの舞台に外部のゲストを呼んでいる」と言う認識に頭がなってしまってるかもしれない。


多分というか確実に「物足りなかった」んだな、というのがよーくわかった。
でもそれくらいゴージャスに期待をしていて、いつも期待値が高いと言うことで。
一旦頭整理用の吐出しができたので、一旦リセットした上で、来月もう一度観劇にいくのでその時はもっともっと楽しめるといいな~。