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夢は座席で安楽死。

観る→考える→想う→書く。

【舞台】二兎社公演40「書く女」

二兎社公演40「書く女」

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@世田谷パブリックシアター
2016年1月21日~31日

http://www.nitosha.net/kakuonna2016/


2016年初・橋本淳くんは世田谷パブリックシアターから。
年齢ネタが続いてしまって恐縮なのだけれど淳くんも先日29歳のお誕生日を迎えて(めでたい)29歳とか嘘だろ~!?と思いながらも、当然に人は年をとるし、私も年をとるし、おたく年数は増えていくし、日々悟りを開くんだなあみたいな謎の感慨深さに襲われる。
自戒のための記載なのだけれど、今回チケットの発券を忘れた上に発券番号がわからなくなるという大ポカを人生で初レベルでやらかした。無事になんとかなったといえど、本当に慌てたので人生落ち着いて行動したい、悔い改める。

感想ぱらぱら

久々の世田パブはやっぱり駅から直結ではなかった。(いつも迷子になる)。
外があまりにも寒いのと、シアタートラムの周りをぐるぐる回ってしまっていたので会場についた瞬間、暖かいのとほっとしたので思わずちょっと眠くなってしまった。
座席につくと、周りは本当に老若男女多彩な顔ぶれが揃って…というよりここ最近で観劇する舞台の中では年齢層がダントツに高かった。
ステージの上にはシンプルかつモダンなセットが組まれていて、これからどんな世界を見せてくれるのかな~とそわそわ。
紙吹雪とライトを用いての雪の演出があまりにも好きすぎて、しばらく見惚れてしまう始末。あの演出とってもよかったな~。静かで儚くて綺麗という印象。

物語の構成は樋口一葉という女性が「書きながら生きる」という事を決めたところからはじまり、そして彼女がどういった事を考え、何に悩み、どうあがいて生きて、そして死んでいったかというシンプルかつ深いもの。
公演時間は休憩含め2時間45分程度、あっという間だった気がするし、ずっしりと重みがあってとてつもなく長くも感じた。
どことなくジャジーなピアノの生演奏と、セットの現代感と、物語の時代背景のズレが面白くて、けれどとてもよいテンポで樋口一葉の人生が進んでいった。楽しかった。
静かな空間の中に響くマイクオフでのセリフも何一つ聞き取れないなんてものがなく、各人の演技力に圧倒されるばかり。やっぱりマイクオフの舞台好きだ。

樋口夏子(一葉)を演じるは、私が勝手にヒロインにしたい女優No.1の黒木華ちゃん。華ちゃん、本当にかわいらしくて大好き。主演でまるまる3時間近くずっと彼女の演技を観続けられて2016年早々幸せだった。
さらにこれは私の下調べ不足だったのだけれど、最近気になる清水葉月ちゃんも出演していて、舞台上に現れた時に「わーっ!葉月ちゃんだ!?」とすごい驚いた。本当に毎度のことだけれど下調べが足りなすぎる。
華ちゃんと葉月ちゃんは同じ「なつこ」という名前を持っているので、互いを「いなっちゃん」「ひなっちゃん」と呼び合っているのがとってもとっても可愛くて、つらかった。頭のわるい感想だ。
女性陣が多く出演するこの作品、色んな種類・柄の着物とさまざまな髪型を合わせて来ていたのだけれど、それがもうどれも素晴らしくて、それだけで十分満腹!といった感じ。
もちろん全員見た目だけではなく演技の腕も抜群なので、本当に何も言うことがなかった。


自分の学の無さを堂々と露見するのだけれど、樋口一葉についての知識がこれっぽっちもない。たけくらべを書いた人で、5000円札に書いてある人、それくらい。
だから今回この「書く女」を物凄く新鮮な気持ちで観る事が出来たし、逆に知識0の私が知識を100にして帰る事が出来てとっても嬉しかった。
私もこうやってぶつぶつと長い文章を書くのが好きだし、何より頑固だし、匂わせた終わり方大好きだし、自分が現実で起きたことを文章に投影して整理しがちなので、ものすごく勝手に樋口一葉に対して親近感が湧いた。
当たり前に私とは違う強さと頑固さ、不器用さなので観ていてものすごく心臓がえぐれる!というわけではなかったのだけれど「ああ…わかる…わかるよ…」とるシーンがいくつかあり、それをさらに華ちゃんが繊細かつ力強く演じるものだから余計に染みてしんどかった。
なんだろう、樋口一葉ってばとってもメリバ民の関係性厨ね!みたいな語彙力のない感想しか出てこなくてどうしようもない。それはきっと脚本と演出の永井さんも近いものがあるんじゃないかなと勝手に思った。
良い意味でもっと他人事で観られる舞台だと思って観劇にいったので、観ていてこんなに主人公に対して感情移入したり、力を与えられる舞台だとは思わず、その辺りでも得をした気分。
いろいろと頭の中がごちゃごちゃしてしまっていたので、自分も自分で好きなことを芯をもってやり続けていきたいな~とか思ってしまった。

あと、この手の舞台においての橋本淳くんの使われ方だと、きっと2幕くらいまで出てこないだろうな~と踏んでいたので1幕後半で出てきてそれも「ラッキー」という感じ。
下手側前方の席に座っていたので、最初は後ろ姿と足の裏を見つめる事になってしまった。29歳でもなおまだ学ランが似合うの、完敗。
今回の淳くんはわりと物語の中にいるけれど、感情の波からすると蚊帳の外にいる人だったので、安心して観ることができた。久々に誰にも恋してない彼を観たかもしれない。
いや、恋してたっていうと密かなあれそれという話があったのだけれど、その辺りは「悪い芝居」の山崎くんが持って行っていたので一旦そっち。もしあのポジションに淳くんがいたら私はまた具合が悪くなっていたんだと思う、事実、今は山崎くんのことすごい好きになってしまっている。
ああいう強い女の子に恋い焦がれるちょっと弱い男の子が私は好きなんだ。つらい。
クレジット的にも後から登場予想ドンピシャの兼崎くんは、悔しいけれどかっこよかった。
ダメ男っぷりと和装の似合いっぷりに少しよろめく、兼崎くんに和装させたらダメな気がする。反則だ。

華ちゃんと淳くんの共演がとっても嬉しかったし、華ちゃんと葉月ちゃんの絡みも嬉しかったし、淳くんと山崎くんと兼崎くんの3こいちも観られてとっても満足した。
華ちゃんと淳くんが並ぶとどうしても革命起きないかな~!?と思ってしまう。飛龍伝、また観たい。
あと淳くんと兼崎くんの共演は「る・フェア」ぶりだったので、一瞬自分が明治座にいる錯覚を起こしてタイムスリップしたかと思った。
ここ2人、当時はそこまで親密に仲良くしてる印象なかったのと同じシーンにいなかったので気がついていなかったのだけれど、演技の相性よいのでは!?という事に気がつけたのでまたひとつ収穫。
「若手俳優」というのが一体どこからどこまでのくくりなのかは解らないし、どういう舞台が優れてるかという話ではないんだけれど、最近いわゆる「若手俳優」と呼ばれている(いた)人たちと橋本淳くんとの共演をみて「へー!?!?」となることが多いので、これからもまた色んな人と共演してる姿が見られたらいいな~。

なんて偏った感想なんだ!というところなのだけれど、そんな感じ。
当日券すら激戦のようだったので、本当にチケットについて諦めなくてよかったし、悔い改めて気をつけて生きよう、見逃していい舞台なんて1本もない…と改めて思わされたのでその点も感謝。