夢は座席で安楽死。

観る→考える→想う→書く。

【舞台】方南ぐみ企画公演「片想い」

方南ぐみ企画公演「片想い」

@俳優座劇場
2016年2月3日~2月7日

http://www.hounangumi.com/


戸谷くんが好きな友達に勧められて久々の俳優座
観劇当日の周りの席の状況がひどくて集中力もってかれて作品で泣きそびれ、スタッフの対応がヤバくて追い打ちをかけられ六本木の街中で泣き、記憶を封印しかかったのだけれど役者と作品に罪は無いのでやっぱり感想は書いておくことにした。
でも当日のあれこれに納得が行かなかったのも事実なのでしょっぱなから毒吐いてすいません。以降普通に感想。

感想ぱらぱら

わりと芝居の趣味があう友達に「この人の脚本がいいの!」と言われてたので最初からハードルちょっと高め設定。
戦時中の名古屋の動物園の話だったのだけれど、確かに重いテーマのわりにはサクッとみられて2時間早かった。
なんだろう「絶対にありえない」世界観だったから、漫画を読んでるみたいに舞台を観られて、戦争ものにある「最後はこうなるんだろうね」みたいな悲しい話じゃなくて「戦争ものなのにこうなっちゃうんだ!?」という驚きがあって楽しかった。
「戦争でみんな死んでしまう未来を知ってる人が書いたみんな死なない未来」っていうのはまあまさに平成の世の中を生きる人間がつくったこの舞台のことなのだけれど。戦争中にこんなに平和な世界があって、こんなに平和なことがあるんだろうか?という疑問が、悪い意味ではなくものすごく浮かんで、そういうところが完璧に現世とのパラレルだなあという印象が強かった。
普通の戦争ものなら間違いなく誰かしらが死んで悲恋で、でも真実の愛を貫きました~というところなんだろうけど、戦争中だけれどまるで2016年を生きてる人たちみたいな思想だとか悩みだとかが浮かび上がっていて、そういう面でもぐっと来た。
とはいえ戦争ものなのでどうしてもちょっと緊張感にかけるというか、リアリティは無かったので、逆に言えばすっごくファンタジーが強い舞台だったのかもしれない。そこのアンバランスも面白かった。

全体的に男子が弱くて女子が強い世界観で、私の好きな役どころが揃ってる~というところ。
観てる人間に行間を読ませるのにうってつけな脚本だと思った。過去に何があったのかとか、この後彼らはどういう人間関係を築いていくのかとか、描かれてない時間軸に何があったのか、この先の未来に何が起こるのか、そういうのがいっぱいつまってて、おたくの私は相性がよい脚本のタイプかなあ~みたいな。
って思ったら主催がLDHで、ああーーーーなるほどねーーーみたいな謎の納得をしてしまう。うん、なんかすごいしっくりきた。
皆どっか弱くて、皆まどろっこしくて、皆大事なことを口に出せなくて。でも皆芯はしっかり持ってて。そんな男子のアツくないんだけどじわじわとろ火で形成される友情…というこの感じがそれこそ本当に2016年現代の弱め男子だな~みたいな。
きちんとヒロインが複数いて、決して腐女子媚びをしている作品作りではないんだけど、ブロマンスまではいかないのだけれど関係性厨が観たら引っ張られてしまう記号がサブリミナルのように散りばめられてたように思えた。主観。

ところで、先生を見ていてほんっとうにイライライライラして、何かって言うと同族嫌悪。
私も0か100かの完璧主義でにこにこ笑える人に嫉妬してしまってイライラしてしまうタイプなので、いろいろ刺さりすぎてつらかった。
人に嫉妬するのやめたいんだよね、皆だって悩みがなくて笑ってる訳じゃないんだよね、わかるよ、でも言っちゃうんだよね、嫉妬しちゃうんだよね、そんで大事な事は口に出せないんだよね。うー!!つらい!!!もっと肩の力脱いて生きな!!!って舞台の上にいる私を写したような先生に向かって心の中で叫んだ。私があの世界の中にいたら、間違いなく嫉妬して同じこと言ってたと思う。

そんでもって、のらりくらりとかわして懐に入り込む、ってなんだこれ推しとおたくの関係性か?みたいな気持ちになってしまった。
そういえば私はどこの現場でもそういう生き方をしているなあ、やっぱり現場は動物園なのかあ~とか思ってしまって、多分ちょっと違う。ちょっとじゃない、絶対違う。
でも動物も人間も同じで、急に信頼関係を築いたりとか仲良くなるってのはできなくて、ゆっくり時間をかけて接することである程度の何かが生まれるんじゃないかな~と最近改めて思っているので、そういう点をふれてくれたのは、日頃人間関係をのらりくらり適当にしてる身としては面白かった。「人間」とか「関係性」についての価値観が近いのかもな~。


陳内くんについて
別にレポート提出は求められていないんだけど、今回の大尉の役が個人的にツボだったので。大尉、スピンオフとかあってもいいレベルにいい設定付きまくってたなあ。
陳内くんって、お芝居上手いんだけど何か独特かつ不思議で他の人とは違うものを感じる。それが良いとか悪いとかの話ではなくて、なんだろう、圧倒的に「違和感」がある。
その「違和感」をうまく使いこなせる演出家にぶつかるとスパっとハマるだろうし、逆にそうじゃないと~みたいな所があると思うので、今回はこの役がそもそもわりと2次元的だったのでとってもよかったんじゃないかな。
うまく言葉で説明できないんだけれど、佇まいとかセリフの発声の仕方、その他諸々が何かちょっと舞台上にいる他の人とズレが出てる気がする。で、そのズレが面白いと私は思う。
すっごい綺麗でよく通る囁き声が、あまりにも綺麗すぎて、陳内くんがしゃべる度に何かと違和感あった。
多分陳内くんもわりと神経質なタイプなのと、無意識にちょっとだけ自分をかっこ良く見せようとしてしまう所があるのかな~という所感は2011年から変わらずなので、もう2、3枚殻をぶち破れるともっと良い役者になるんじゃないかな~。いやもしかしたら今回がそういう役だっただけでもっと他のところではそういう役やってるのかもしれないんだけど。
あーなんだろう、舞台の上にいるんだけど映像的なのかもしれない。


戸谷くんについて
レポート提出を求められているような気がしたのと、ものすごく久々に戸谷くんを観たのでせっかくだからきちんと書いておく。というか戸谷くんも最後に観たのいつだろう。私の観劇スケジュールとことごとく噛み合わなくていつも断念してる気がする。
戸谷くんは本当にやわらかくなった。本当に柔らかくなった。
実は私は昔は戸谷くんの事が嫌い……とまでは言わないけどものすごく苦手だった。基本的にアミューズのイベントの時の記憶しかないんだけれど常にオーラが怖かったし、2009年頃のライダー出たあとくらいのあからさまな「調子乗ってる」感が本当にいけ好かなくて、先輩が話してる時にファンサしてるのとかなんなんだコイツと思っていた節である。
それはもう友達どころか普通に周りにも公言していることなので、ここ2、3年で私が戸谷くんをすごい褒めているので「一体何が」と周りからも言われているのだけれど、単純に本人がよくなっただけだと思う。
最近は本当に話聞いても姿見てても、いけ好かないとかは思わず、この人は不器用で誤解されやすい人なんだな~しかも着実にスキルが上がってるな~みたいな印象に変わったので、何故かどんどん右肩上がりになっているのだけれど。
すっかり大人になって、相変わらず不器用だけれど視野が広くて身の丈をわきまえた立ち位置にいる気はする。個人的な意見。
やっぱり苦手な印象から入った人の方がひっくり返った時に評価がよくなる。まあひっくり返らないと一生そのままなんだけど。

戸谷くんはもともと繊細な人なんだろうなというのがわかるくらいに表情が細やかというか「思い悩む」「慌てる」「悲しい」「苦しい」みたいなネガティブな方の表情の出し方がうまいと思う。(逆に笑顔は未だに不器用だよねとは思うんだけど。)
そういう表情にリアリティを付随させるのって、それなりに自分の中に何かしらがないと出来ない事だと思うので、彼ももがいて生きてるのかな~みたいな。
あとはツイートもしていたけれど発声が本当に良くなった。戸谷くんはわりと低音で少しガサっとしている声質なので、やっぱり声が小さくなってしまうと言葉も感情も届きにくくなってしまう。
けれど今回マイクがない舞台で後ろの席まで十分に感情が飛んできたし、痛いほどささった。からそれは彼の頑張りと進化なんだろうな。
一平ちゃんの手話をする時の不器用さとか、愛してる人に向けてのやわらかい笑顔とか、そういうの、全部よかった。
多分好きな相手が舞台上にいなかったのがよかったのかもしれない。いないからこそ、なんとなく自然に笑えてたのかも。真相はしらない。
なんだろう別に戸谷くんに対して上から目線で何かを言いたかった訳ではないんだけれど、日々戸谷くんをがっつり応援してる友人から定期的に情報が入っているのもあって凄い謎な目線からになってしまった。


観劇終わったあとにがっつりため息をついてしまったのは間違いない事実なんだけれど、「観に行かなければよかった」とは思わなくて、むしろ素敵な作品が観られてよかったな~もうちょっと集中したかったな~残念!な感じ。
まあでも最終的にこうやってポジティブな感想を書けてるので、やっぱり1本も無駄な観劇ってないよなあ~と。
そろそろ周りの環境で自分の集中力を左右されてしまうのをなんとか改善したいなと思いつつも、でもそれくらい神経質で見てないと拾いきれないものもあるから、本当に「劇場」という全員が同じものを観ている環境でどこまで他人に迷惑をかけずに、どこまで自分が楽しむかっていう事はいつだって考えないといけないことだよなと自分の観劇態度に対して今後気をつけよう~という学びになったのでプラスということで。

2月は観劇スペースが落ちてるので(意図的に土日のスケジュールを埋めてるので仕方がない)3月からまたピッチ戻していけたらいいな~。