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夢は座席で安楽死。

観る→考える→想う→書く。

【舞台】東宝版「1789-バスティーユの恋人たち-」

東宝版「1789-バスティーユの恋人たち-」

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@帝国劇場
2016年4月11日~5月15日

http://www.tohostage.com/1789/

去年人生で初めて宝塚を観に行ったのが1789だったのだけれど、そういえば私もしかしてこの趣味を自覚してから自分のお金で帝劇に入るのは初めてかもしれない(幼少の頃除くという意)。
だからやっぱり私はすごいミュージカルに疎いんだな、と思ったんだけどだからこそ思った事を好き放題書き残しておく。
昨年観に行った宝塚版の感想はこちらから。
ちなみに当日は小池ロナン、夢咲オランプ、花總マリーのキャストで観劇。

ざっくばらんな感想たち

前置き
私、少女漫画大好きなのだけれど、報われない恋みたいなの大好きなのだけれど、身分違いの恋とかすっごいイライラしながら大好きなんだけれど、くっついた瞬間凄い見てられなくなる体質で、あとそれが複数組いると頭ポーンってなる人類なのでいけこと握手しながらこの作品は観たい!みたいなところがある。
一緒に観ていた友人とも「出会って2秒で恋に落ちるのは理解が出来ない、最低そこまでは理解するけどその相手と国外に逃亡しようとかやっぱり理解が出来ない」という論をロミジュリの時もさんざっぱらしていたんだけれど(多分RENTの時もした気がする)、今回もやっぱりしてしまった。
出会って2秒で恋に落ちるの難しくない?販売開始2秒でチケット取るのは得意なんだけど。
というような「舞台自体は楽しかったんだけど登場人物の心情には若干同意しかねる人間」が書いてる感想なのでところどころ荒かったらすいません。
あと流石にいけこ氏が脚本書いてるわけじゃない(原案が他にある)のはわかってるんだけどそうじゃないっぽい書き方してるので「作品セレクト」的な文面で受け取ってもらえれば幸い。


宝塚版との違い
明確な相違としてはセットと衣装が比較的軽めに抑えられていたかな?という印象。宝塚版はなんかもう「そんなのアリかよ!」みたいなセットとか衣装がばんばん飛び出していたけれど、東宝版は少し控えめで、でもきちんとゴージャス感ももったまま~というイメージだった。
楽曲も生オケから録音になっていたけれど特にそこは今回私がこだわっていたポイントではないのでまあよいかという感じ。
後はもう演じ手が変われば作品自体は思い切り変わってしまうのでそこは特に比較なし。
あ、1個だけ。マリーアントワネット登場の舞踏会のシーンだけは宝塚版のあのギャンブル狂い!!!!って感じの表現とびっくりするようなドレスが物凄く好きだったのであれはちょっと観たかったかな~と思ってしまった。
突然三馬鹿が虫の格好して出てきたからThe LOVE Bugsがはじまったかな?とか思ってしまった。
という程度で特に「こっちの方がよかった~!」みたな事はあんまりなかったかな?


小池ロナンについて
そもそも1789を観に行こう!となったきっかけが小池くんで、小池くんがでるならヅカ版も観にいってみよう!みたいな流れだったのでまずはここの感想から。
事前の感想で小池ロナンは凄い「革命」感じるというのをちららほららと目にしていたんだけれど、はじまってみたら本当にすごい「革命!!!!!!!!!!!!」という感じだった。
小池ロナン、恋愛しなくても物語成立しちゃいそうなくらい革命に命注いでた、から余計になんで出会って2秒で恋に落ちたのかよくわからないっていうか、小池ロナンがオランプのこと好きになったのはいつだ…!?
革命の話が大好きなので、フランス革命の話とかもうサイコー!という感じなのだけれど、1789は話が進むにつれてカップルの数が増えていき、革命する理由が愛のため~みたいになってくるためになんか段々感情移入しづらくなってくというか、お前ら革命のために革命しろよ!!みたいな気持ちに何故かなってしまうのだけれど。
でも小池ロナンは「愛のために革命を!」というよりかは「ちょっと俺革命起こしたいんで、その為に誰か愛さなきゃいけないなら恋愛します!」くらいに、恋愛面への比重が軽く見えて(これは良い意味でも悪い意味でも捉えられると思うんだけれど、私的には良いという意味で書いてるから褒めている)、もう革命ガチ勢すぎる…やばい…というくらいには革命に対する執念というか、内に秘める闘志みたいなものが、遠くの席からでも透けて見えてびっくりした。
夢咲オランプもわりと自分の信念とかそういうものの力強さみたいなのが凄かったので、余計にかもしれない。これはこの2人の力量がどうという話ではなくて、結果的にバランスがよかったのかも?という印象なんだけれども。神田オランプとの組み合わせも観てみないとわからないよな~うーーーん誘惑が強すぎる。

昨年デスミュ*1きっかけでお話するようになった小池くんのファンの方たちも「恋愛パートはちょっと苦手なのかも~」というような事を仰っていて、でも私にはその演じ方が好きと言うか。
小池くんはわりと「異性との繊細な距離感」はあまり…という印象なのだけれど、「同姓との繊細な距離感」が物凄く私のツボなイメージがある。わかりやすくいうと関係成厨ホイホイみたいな。
表情とか、声色とか、そういうのが「友人」「仲間」みたいなワードが出てくるとすっごい苦しくなる表情をしてくれる。
私も友人も「お前たちとは結局わかりあえない」といってカミーユたちと一回決別するシーンが一番泣けたという話になった。

あくまでも感想漁っていての所感なので自分の目で観てみないことにはなんともなのだけれど、世間的にはなんかこう恋愛の加藤!革命の小池!みたいな印象を受けた。
とはいえ加藤ロナンを観たらそれはそれできっと「あー恋愛にがむしゃらで不器用なロナンかわいい」みたいなこと言い出すんだと思うけども。
Wキャストのいいところってそういうところだよな~と思う。今回の作品のテーマが「革命」と「愛」ならばダブルにすることでその色がきちっと2人に出てるなら物凄く大正解じゃん。(個人的には)


カミーユロベスピエールについて
テニス出身の人間はどうしてもテニスの話をしたくなってしまうのでする。加藤和樹氏本人もテニス部が~とか言ってるから普通にする。
彼らが彼らの力量でここまで辿りついてるのはよくわかってる事なので、そういう意味で本気で言っている訳ではないのだけれど、今回カミーユ渡辺大輔くん、ロベスピエールが古川雄大くんということで、テニミュ同代の手塚と不二が揃っている。そしてそこが2コイチ悪友の役。
そんでもって来年東宝主催でやるロミジュリにも彼らがロミオとティボルトでの出演が決まってるので、東宝内部の何者かに手塚&不二コンビが好きすぎてミュージカル界に爪痕を残してやろうと思ってる人間がいるのではないかとかいうすっごいどうでもいい話をしてしまった。
だって今回悪友ですっごく楽しそうに2人で歌ってるのに、次に憎しみあって相手を呪いあいながら2人で歌って殺しあうってもし自分が推してるコンビでやられたら東宝に全資産を投げ打つレベルなんですけど…みたいな感じでロミジュリも楽しみだねと言う結論。

まあそんなこんなの2人が揃っているからついつい細かいセリフも別の意味で捉えがちで。
Twitterに書いたら同じ事思ってる人やっぱりたくさんいたけど「同じ学校からの学友で~」のセリフは明らかに「青春学園か?」とツッコまざるを得なかったし、そうかあの日パンをかじりながらテニスコートでねえ………コート内で物食うなよ!!みたいな気持ちになったし、テニスコートの誓いでは渡辺くんが「ネットを片付けろ!」とか言うものだから友人(手塚くんガチ勢)はなんか凄い感動していた。帝劇でネットの片付けを命じる部長、確かに感動する。
1点残念だったのは球戯場がテニスコートには見えなくて(ヅカ版は明確にテニスコートだったし、テニスするシーンがあった)、そこは!そこは!帝劇でテニスしてほしかった!みたいなのあった。テニスのおたくだからとかではなくて、なんかこう「劇場でテニスする」という描写がすごい好きなんだなってデスミュの時に散々実感したからテニスみたかった。ひどい感想。

そういうどうでもいいフィルターを含めたとしても渡辺&古川コンビが一緒に帝劇に立ってるの凄いな~と改めて思ったし、そうかこれ加藤ロナンを観るとそこにもう1人くるのか…となったので(広瀬フェルゼンは出番が微妙に噛み合わないのでその点ではノーカン)ちょっと今どうしようか凄い迷っている。


アルトワ伯について
アルトワ伯ちょーーーーーー好きなんですけども、本当に、もう、たまらない。どうしたらいいのかよくわからないくらいにアルトワ伯が好きで、キャストが変わっても大好きだったから本当にアルトワ伯が持ってる記号が好きなんだと思う。
愛と革命がテーマの中で、革命の裏でこそこそなんかやろうとしてるし、愛に不器用だし、すごい仲間はずれ感がやばい、1人だけFacebookで友達になれてないティボルト(いけこ演出ロミジュリのアレ)ばりにやばい。というかティボルトが好きだったらアルトワ伯も好きだろみたいな勝手な事を言い出す。
アルトワ伯の「氷帝学園にいそう感」と「私は神だを跡部様に歌って欲しい感」はヅカ版のときから変わらずに、むしろ今回男性キャストが演じた事でより一層そう思ってしまった。
なんていうかアルトワ伯って本当にこの愛にまみれた世界の中で誰にも愛されてこなかったのかなって心配になるし、人を上手く愛する方法もわからないから好きな女を口説くのに言葉じゃなくて催眠術かけようとしちゃう辺りが辛さを感じていて、本当にこの感情はなんだろうというくらいによくわからないんだけどとりあえず凄く好き。
多分作品内で一人「愛」の方向が違って、皆が誰かのために!となっているのが全部自分に向いてるのがたまらなく人間らしくて、決して誰かのために立ち上がってるロナン達が綺麗ごとを言っているとは思わないのだけれど、その自分のことしか考えられてないアルトワ伯の弱さとか人間みがある部分が大好きなんだと思う。
秘密警察の三馬鹿の存在によってシリアスとコミカルのバランスもいいし、ずば抜けて2次元みがすごい。あと吉野アルトワの赤のシャドウがすっごいよくって思わず双眼鏡でずっと見てたら具合が悪くなった。
あと歴史的ネタバレすると結果的にこの人王位につくので、いけこさま、いけこさま、この設定のアルトワ伯のスピンオフお願いします。


マリーアントワネットを好きになれないことについて
キャストの話ではなくて、マリーアントワネット本人について。キャストは大変素晴らしかったです、はい。
何の媒体でも、それこそベルばらとか読んでいてもフェルゼンのことは好きで応援したいんだけどマリーアントワネットのことはあんまり応援したくなくていつも凄く頭を抱えている。
私はルイ16世が一番トンチンカンだと思うので(言葉の選び方をそろそろ忘れてきた)、マリーがフェルゼンみたいな超かっこいい人の事好きになってしまうのも、愛してしまうのも、まったく問題が無いと思うんだけれど、結果的に彼女はそれを「罪」と言ってフェルゼンを突き放して、一人だけいい人に戻ろうとしてるのが気に食わないのかもしれない。
ジョセフが亡くなった時も「私への罰だわ」みたいな事言い出して、いやお前最初自分は政略のために結婚させられたかわいそうな私!でもフェルゼンっていう本当に愛してる人いるから平気で~す☆みたいな空気出してたのに突然何ジョセフに対しての免罪符作り出したの……みたいな苛立ちがこの辺りで結構なレベルになっていて。
その後フランス王妃として、本当に愛する男に別れを告げて、自分の本来いるべき立場に戻って、それが亡くなった息子やこの国への誠意だ~みたいな感じでいうのはいいんだけどもうちょっとフェルゼンの事も考えてやれや!!!みたいな気持ちになってしまって苛立ちがカンストしてなんだろう、生き方の解釈違い?
フェルゼンは「愛する人間と、その愛する人間の愛する人(家族)が一番」という最高にかっこいい事を言っているのに、マリーは愛したフェルゼンと一緒に悪い人になってあげることすらしないのがなんかこう私としてはフェルゼンに幸せになってほしかった気持ちでいっぱいで具合が悪い。フェルゼン、お前本当にいいやつだな……。
あと「なんでマリーアントワネットはもうちょっとおとなしい服ででかけねえんだよ(怒)(怒)(怒)」って去年の夏も怒ってたけど今回も怒った。
とはいえ花總マリーの何かここではないどこかを見つめてるあのちょっと狂ってしまってる感じがとてもよかったというか、その「お前なんでそんな!!」と思わせる私とは違う価値観の違う世界の人間感がものすごくて、それを表現してるのが怖すぎてぞっとした。ので、まあなんていうかマリーアントワネットとは価値観が合わなくて当たり前なんだと思う、私スラム出身の平民だし。


ロベスピエールの彼女(仮)について
2幕のサ・イラ・モナムールの時に恋人同士手を取り合って愛のために革命頑張っちゃおう!みたいなハイパーパリピタイムみたいなのが入るのだけれど、その時にロベスピエールが気がついたら知らない黄色いスカートの女とチューしててびっくりした。
んだけど、もしかして連日の疲れで私が知らないうちに寝ちゃってたのかも!!!寝てる間に恋愛パートあった!?!?と思って黙っておきながらも、一晩経ってやっぱり気になったのでTwitterで「ロベスピエール 彼女」と検索したら相当数の人が「レンタル彼女」とか「偽装彼女」とか「彼女誰だよ」とか言っててひとしきり笑った後に「やっぱり誰だよ」という話になってすっごいここが気になりだしたら止まらなくなってしまったから私も大喜利大会に参加したい。
あと話が変わるんだけど古川ロベスピエールの強そう感が半端なさすぎてとりあえずロベスピエールって言いたいだけの人みたいになってきた。最早もう古川くんに直接聞きに行きたいからアンサーをくれ。


その他ぱらぱら
三馬鹿のお人形劇からの三部会のシーンを説明する操り人形コーナーみたいなのがすっごい好きだった。とっても綺麗。あそこ凄いよかったな~センターの引きとかで観たら物凄く圧巻そうだし、近くでピンポイントで観ても死にそう。
生きてる人間が操り人形にされてる演出がもしかしなくても物凄く好きなのかも知れない。

あと凄いどうでもよい話としてソレーヌにぶん殴ってパン出せよって言われたのにすぐソレーヌたちのこと許してあげるパン屋優しいねって話になったんだけどよく観てたらそのパン屋が松永一哉くんだったから松永くん優しいな~と思ってTwitterを見に行ったら私たちの知らない春川くんがいてびっくりした(昨夜の話)。ロベスピエールの彼女よりもびっくりな案件。


そんなこんなで凄い満足しながら帰って来て、改めて宝塚版のパンフレットと読み比べたりとかしてると、むこうのパンフには歌詞がズラーーーっと書いてあるから思わず歌ってみたりとかしちゃってて、多分今回殆ど変わってないよな?と思うので是非なんかこう両方のパンフを並べて読み比べる会とかしたら楽しいんじゃないのかなと思うと同時に、今回は歌詞の聞き取りしなくていいから楽だなと思ってしまった(むしろ予習が出来てる)。
1700年代の話なのに楽曲が現代でスタイリッシュなのがとっても好きだし、やっぱりいけこの事は凄く好きなんだと思う、好きなんだけどやっぱり「なんでだよ」って思うことはいっぱいあるし、それでも好きだしみたいな難しいところ。
いけこもわりと「女の子が強くて男の子が弱い」の世界が好きな人だと思うし、「恋焦がれてる」のフェーズが好きな人でしょって思うから、モヤモヤする、すっごいモヤモヤするんだけど、私はそのモヤモヤが好きだから観に行くわけで、モヤモヤするのが正解なわけで。
結果的に可哀想なメリバ民であることを実感した4月の日比谷のパリだった。

*1:DEATH NOTE the MUSICAL