夢は座席で安楽死。

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【舞台】ロミオ&ジュリエット

ロミオ&ジュリエット

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@赤坂ACTシアター
2017年1月15日~2月14日

http://romeo-juliette.com/


大好きで憎いロミジュリの季節がやってきた!!!!
今回のロミジュリは「近代的」!AEDの登場にSNSも活発化!
一体私たち、どうなっちゃうの~~~!?!?!?

ロミオ 古川雄大
ジュリエット 木下晴香
ベンヴォーリオ 馬場徹
マーキューシオ 平間壮一
ティボルト 渡辺大
大貫勇輔

 

感想ぱらぱら

キャストを決めるのに悩みすぎて、しかしワガママを言い過ぎたら観にいける日がまったくなかったので検討に検討を重ねた結果このキャストの日に。
ぶっちゃけ「全員観たかった」ところがあるので、変な話2回取ればよかったのだろうけれど、「古川ロミオなら渡辺ティボルトがよくて~~~」みたいな「組み合わせ」にこだわってたら完全に死んだ。Wキャストあるある。そんな感じで今回はこの1回のみ。


直感的な感想は「ヤンキー漫画ものみたいだったなあ」というロミジュリからかけ離れたものだった。
というのも、今回の役のキャラクター達が妙に幼く描かれていた…のかどうかは知らない蹴れど、私が今まで観てきたロミジュリよりも、幼くて、子供で、「大人の力に負けたりしない!」と反発する若さを感じられた。
それゆえに観終わった後にこんなツイートをしてしまったのだが、未だにこの印象のままである。


ちなみにイケコ演出にはもう慣れてしまったので、今更「携帯電話が出て来たから物語が破綻してしまったではないか!!!」とかいうナンセンスなツッコミはしない。そこはもう間に合ってる。
とはいえイケコスタイルの新演出ロミジュリは「2017年的やりたい事」が沢山詰まっていた気がする。カラフルなLEDの照明のセット、マッピングと写幕とコンクリ壁を使ったり、振り付けも今までよりもパワフルになっていたり、「エンターテイメント性」は増し増しになっていて楽しかった。あとキャラクター達の色も濃くなっていた。
観終わった後に「これって結局なんの話だったっけ」となってしまったのは、もうその辺りが素敵だったのでよかった事にする。
というよりイケコ大先生がロミジュリ好きすぎて、もうほのぼの日常学園パロ(ヤンキーもの)を作ってしまったのだと思いたかった。
それにしても「神父さまのメールを読んでないの!!!?」は改めて聞くとシリアス台無しだなあと思ってしまった。
ロミオの「携帯がない!(イケボ)」しかり、途中から「携帯電話はめっちゃ大事だよ」というメッセージ性の強い舞台になってしまっている、凄い。

色々気になる点があったとはいえ「若さゆえの過ち」感が全面に押し出されていたのがよかったし、真面目に頭の固いことで揉め続けてる大人達と、パッパラパーで喧嘩上等な若者達の意識の差におけるすれ違いも上手い事描けていたのが凄かった。
客席から観る私たちからすれば「ロミジュリをやるなら実力派のキャストを!」みたいな価値観が出来てしまっているけれど、そういえばこの話自体は、大人達に振り回される若くて幼くて純粋な子供達が「背伸びをしながら大人のフリをしている」んだった、という事を思い出した。
浅はかで、向こう見ずで、先のことなんて考えてなくて、今がとにかく楽しくて、友達や仲間が好きで、家族はよくわからなくて、何もかもに一生懸命で、力を持て余して、一生懸命「今を生きてる!!」というパワフルさにおいては、「未熟」という意味ではなくて「未成熟」感というか、今回のキャスティングは個人的に当たりだったかも~という印象。

そんな近代的ロミジュリの一番好きなシーンは、ロボットレストランみたいな仮面舞踏会のシーンはビカビカカラフルLEDにKAORIさんの振り付けってエゲつねえ!!と思いながらも、凄く楽しかった。「世界の王」はシード枠なので論外で。

キャストについて

古川ロミオ
実は今回が初めて。とても中性的で、ジュリエットと並んでいても百合っぽかったというか、「雄っぽい」空気がなかった。しなやかで柔らかくて、小鳥みたいなロミオのイメージ。
唯一無二の存在感だけで王をかもしていて、誰にも捕まえられない、誰のものにもならない感じが「プレイボーイ」というよりかは、風と木の詩ジルベールっぽさがあった。
そんな「心は誰にも許さない」古川ロミオが恋に落ちてから、冷静さを失って暴走していくさまの移り変わりを見れて楽しかった。

木下ジュリエット
現役高校生なの!?マジで!?!?通りでピュアだ!?!?!みたいな直感的な
「弱い女の子」から「強い女」に切り替わる瞬間の表情の変化がとても素晴らしかった。
宝塚の娘役っぽさがあるというか、それは古川ロミオが中世的だからこそ余計に耽美だったのかな~とも思うのだけれど、儚くてビジュアルバランスも素晴らしく、歌声も綺麗だったので次回何か出るときも楽しみ。

平間マーキューシオ
100点満点パッパラパーDQN系ヤンキーがヴェローナに舞い降りて大歓喜(全力で褒めてる)。
平間くんの「ヤバい奴」役がとても好きなので、今回バリバリに振り切ってる姿が見られてとても嬉しかった。冒頭のティボルトとの喧嘩のシーンで凄い動きをしていたのだけれど凄かった(頭の悪い感想)。
絶対によくないクスリをキメてるし、でも一番のドラッグはマブダチだぜ!!みたいな感じがよかった。
歌声は低音がかなりよくなっていたけれど、高音はまだまだ伸びしろがあるイメージ。でも怒鳴る台詞が聞き取りやすくなっていて、平間くんの低音が好きな身としては満足。
絶対にコンビニのアイスケースに入った写真をSNSにアップして炎上する。自信がある。
あと過去にティボルトと何があったのか教えて欲しい(それくらい行間があったという話)。

馬場ベンヴォーリオ
個人的MVP。母みが強いのと、ちょっとサザエさんの中島くんポジっぽいなとか思った。
今までのロミジュリを観ていて、ベンヴォの事をそんなに深く考えた事がなかったのだけれど、今回色濃く印象に残っている。
何かというと「残されたもの」の辛さを凄くよく体現していて、それと同時に意外と余計な事をしてる気がするのに、なんだかんだ蚊帳の外だったり、傷ついたり、悲しんだり、と一番「客席の私」との感情のシンクロの仕方が近かったかもしれない。
ティボルトを刺してしまった後のロミオを慰めるシーンが最高によかったし、マーキューシオからナイフを回収するシーンがどうみてもお母さんだった。

渡辺ティボルト
ライチ光クラブのライチっぽさというか、なんだろう、人の心がちょっと欠如した感じが好きでもあり、ジュリエットへの恋心に関しては少し惜しさを感じた。
「ジュリエットに対して過保護になりすぎている」という面はわかったのだけれど、それが愛かといわれると、うーん??という感じ。
ジュリエットへの愛よりも、モンタギューサイドへの「憎しみ」や、キャピュレット夫人に対する「嫌悪・煩わしさ」の方が上手く出ていて、そっちのアプローチはとても好きだった。
あと知らない間にめちゃくちゃ声量が増えていて、ソロで一瞬高音が出た瞬間「うわっ凄い」と思わされた。

大貫死
今まで宮尾さんの「死」しか見たことがなかったので、新しいアプローチの「死」には凄いびっくりした。けれど力強くて軽やかにはねる大貫さんの「死」も見ていて凄くぞくぞくした。
宮尾さんの「死」がゆっくりと内側からきいていく見えない毒薬ならば、大貫さんの「死」はカマイタチにきられてるみたいに、鋭利で俊敏な見えない何かに外側から攻撃されているイメージというか。説明が難しい。
そうか~死って別にゆるやかに訪れるものではなくて、明確にちょっとずついたぶりながら、でも「これくらい平気だよ」ってしてる内に気がついたら致死量になってるって事もあるもんなあ~とか考えながら、今回大貫さんの「死」を観れてよかったとポジティブな気持ちに。

川久保パリス
Wキャストじゃないけども。すっげーーーー好きな顔俳優(勿論実力も含めて)な川久保くんをここまでウザくてセンスのない男に仕立て上げるイケコ先生は天才だという事が言いたかった。
毎度毎度「ティボルトが蚊帳の外」という話をするが、今回は最早モブレベル(なのに死因に直結してる)のが中々罪深かった。葬式にそんな花を持ってくるな。
別の演出版で「こんな二人の愛には僕は入り込めない」みたいな感じでかっこよくいなくなっていたのを見た気がするんだけれど、気がついたらログアウトしていて、お前と結婚させられるからって大変な事になってんのにどこいった!!とか思ってしまった。


その他大人達の布陣は全員文句なしでニコニコ観ていたので一旦コメント割愛。あと今回はアンサンブルの出番と運動量が尋常じゃなかったので、正直メインキャストよりしんどいのではなかろうかと思っている。

私はロミジュリに対して「好きだけれど何度も観る作品」ではないと思っていて、観劇するのも1シーズンに1回と決めている。
それは多分この物語自体に納得がいってなくて(特にイケコ演出だとたらればがいくらでも出せてしまうし)、シーンごととかキャストごとでしか観られなくなってしまって「物語を楽しむ事」を放棄してしまうからその道を選んでいるのだけれど、今回はもう一方のキャストも観てみたかったなあ~と思わされたので、1回しばりも取っていいかな…と思ったものの、やっぱりなんか色々気になる点があるので、同期間中に2回みたら色々ダメな気がするので、今回はこのキャストとご縁がありました、ということでひとつ。

ロミジュリに学ぶビジネスマナー

ロミジュリを見る度に「頼むから新社会人にこの演目を見させてビジネスマナーを学習させて欲しい」と騒いでいるので、今回のロミジュリにおける「そこをなんとかしてくれ!」という点をいくつかあげてみる。
これはあくまでもネタであり、またの名を揚げ足取りとも言うので趣味が悪いと感じる方はそれまでなので悪しからず。

  • 慌てず騒がず、自分達だけで判断せず上のものの判断を仰ごう

AEDがあるレベルの医学の進歩率なのであれば、確実にあんな小さなナイフで刺された位じゃ死なないだろうし、マーキューシオとティボルトが刺された時点でとりあえず救急車を呼んでもよかったのではないかと思う。
トラブルが起きないようにするのが一番だけれど、トラブルが起きた際に自己判断で諦めてしまうのが一番よくない。

  • 社外秘の事を話す時は環境に気をつけよう

→教会でこっそり結婚式を挙げるに当たり、トイレに自由に入れる環境下で行うのがまずよくない。これがもしキャピュレット社とモンタギュー社が秘密裏に合併するという話を進めていたとして、その情報が漏れて、トイレを借りたキャピュレットの若い子が株を買ったりしたらインサイダーになってしまう(???)。
よもやその話をSNSに載せて拡散されるなど持っての外なので、取り扱い注意の話題に触れる時は場所選びが大切なのではないだろうか。

→ジュリエットが携帯電話を持っていれば、間違いなくロミオは携帯を手放さなかっただろうし、国外追放された所でちゃんと連絡は取れたのだから、ヴェローナから旅立つ前にロレンス神父にお金借りると貸して2台目を契約して、ジュリエットに持たせておけばよかったのでは。今ほら、格安SIMとかもあるじゃん……。

  • 大事な連絡はメールを送りっぱなしにしないで電話確認をしよう

→これは普通に仕事していてもイライラするから皆頼む!!!!!!!!!!(私怨)
「先ほど月曜までに確認が必要なデータをメールで送付させて頂いたのですが、到着しておりますか?」は出来るようにしておくといい。というかしよう。うっかり届いてなくて月曜に返信がなくて、実は未送信BOXに入ってたとかあるあるだから。
「ジュリエットを仮死状態にする」とかいう一大プロジェクトをやるのであれば、それくらい追って連絡をして欲しいと思う。

  • 現状の進捗状況を確認してから行動に移ろう

→ベンヴォーリオ、お前だ!!!!!!
ジュリエットの死を知ったベンヴォが、一旦教会にさえ寄っていればこのすれ違いは起こらなかったのだから、独断で判断して行動に移ってはいけない。
というよりも予めこの一大プロジェクトを行う際に、ロレンス神父がベンヴォにも話を伝えておけばよかったのだから、「敵を欺くには味方から」などと言っていないで、きちんと報告!連絡!相談!略して「ほう・れん・そう」を守る事で救われる命もあったのではないだろうか。


などとくだらないことを言ってしまった。
この物語は「すれ違う」「ちょっとした確認の怠り」ゆえに起きてしまう悲劇がメインなので、これらを解消すると「ただのちょっとした小競り合いの後の日常」になってしまうので、ここが解消されてはいけないのだけれど、ロミジュリにおいても、ビジネスシーンにおいても、ちょっとした気遣いを怠らないだけで、ボタンの掛け違いからの大事故にはならずに済むという事も多々あるから、自分も気をつけようと思いながら観てしまった。
ロミジュリに一体何を求めているというんだ。


そんなこんなで2017年版もとても楽しかった。次はいつかな~~~。