夢は座席で大往生。

観る→考える→想う→書く。

【舞台】デスノート THE MUSICAL 2020

デスノート THE MUSICAL 2020

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2020年1月20日~2月9日
@東京建物 Brillia HALL

https://horipro-stage.jp/stage/deathnote2020/


こんにちは、新生デスミュ!!!!
ということで2020年版の初日に行ってきた。
一言でまとめると「デスミュをやってた」(よくもわるくも)。

久しぶりデスミュ

何を隠そうこのブログをはじめたのが初演デスミュで、そこから約5年の月日が流れたかと思うと感慨深い。
5年前の日生劇場で柿ラを観て衝撃が走り、気が付いたらチケットが増え、気が付いたら名古屋にいて、そして5年後の今も私は日生劇場柿澤勇人を観てます元気ー!?!?!?(元気!)

多忙に多忙を極めてしまい、一時期ブログもTwitterもお休みしていたのだけれど、なんだかんだ昨年くらいに帰ってきて、そして無事にこうして新生デスミュを観ている。


ちなみに初演時のガラコンの時は食中毒で倒れており、再演は元々観に行ける日が1日とかしかなかったのに仕事をしていたらまったく観れなかった。ので完全に初演ぶり。

あんなにアツいブログを書いていても忙しくて観劇が出来ないとどうしようもねえな!!!という気持ちしかないので自分が観たいものは最低限観れる生活がしたいと改めて思いましたとさ。いや食中毒は不可抗力だけど。


キャストが決まった時点から「村井ライト!!!!村井ライト!!!!村イト!!!!!」と騒ぎ立てるほどにそこが楽しみで、かつ実際観ても村井くんがとてもよかったのでそこを中心に。
初日だったのもあってか、その他に関してはわりと辛口めかも。

ざっくり全体感想

全体的に「フレッシュでポップでカジュアルなデスミュ」という感じだった。
キャストが若い!!!!

なんというか「デスノートのミュージカルをやっている」というより「デスミュをやっている」のがとても気になってしまい、初演ほど世界にのめり込んで観ることが出来なかった。
これは私の求める行間とか暗さがなかったからなのか、今現在北極に頭を持って行かれていて脳が麻痺しているのかどっちなのかよくわからなかった。
役作りとか作品の行間という意味では色々惜しいな~と思ったのだけれど、私が拾いきれてなかっただけなのかもしれなくてよくわからない(麻痺)。


とはいえエンターテイメントとか興行という意味では、ズブズブしていない感じが逆によかった気もするし、池袋という立地もあって、フラッと「デスノートのミュージカルやってるんだってー!」みたいな感じで観に行けそうなカジュアルさがあった。
良くも悪くも映画っぽいというかなんというか。

気が狂って100万回ツイートしてるおたくが観るミュージカルというより、その辺歩いてるカップルが観てもよさそう、みたいな謎の感覚に陥った。
でもその辺歩いてるカップルは13500円払わないよね。
S席9000円とかでやったら丁度いいのかもみたいなニュアンス、伝わるかな、どうでしょう。


それでいうと新生キャストはその毛色にあっていたのかもしれないけれど、私はあまり合わなくて、かつ村井くんは私が好きな毛色だったのでちょっと勿体ないな~と思ってしまった。
新生Lの髙橋くん、如何せん若い。若いからよくないという事ではないのだが、村井くんとの年の差が10くらいあるので月とLとしてはうーんという感じ。
もう1人の月役甲斐くんは髙橋くんと同世代なので、そっちはそっちでバランスがよいのかな~などと考えていた。

村井くんは実年齢よりも若く見えるし、浮いていたわけではないのだけれど、もうちょっと薄暗くて鬱々したLとの組み合わせが観たかったな~とかちょっと思ってしまった。
鈴木拡樹か平間壮一あたりを連れて来てくれんか。


パクレムは歌は申し分なかったものの、申し訳ないけれど台詞が苦しかった。
それでヨシとする人もいれば、気にしない人もいるのだろうけれど、私は中々綺麗に台詞が脳に届かず集中が切れてしまった。
今回ミサの演技プランがかわいくなかったので(ミサってそういう女ではないのでは)、ミサとレムのやり取りにまったく集中できず記憶がおぼろげである。


なんというかとてつもなく「死神に翻弄される夜神月の話だった。
そして全体的に親切で、優しくて、コミカルで、わかりやすかった。何もかもが。
そういう意味では初演時とは全く違うアプローチで、新しいデスミュの世界を見せてくれたのかもしれない。
私の好みはもっと「わっかんね!!!!」となってる方なので、単に合わなかったのかもな~という前提が大きい。


「デスミュをやってる」とは

もうちょっと掘り下げ。
今回の開幕に向けて、新キャストのファンなどなんにしろ「初演キャストが凄かったから~」というような言葉が目につき、それが気になった。
そして、初日の公演を観てもやっぱり似たようなことでひっかかってしまう。

この人達「デスミュをやってる」!!!!!

それはなんぞや、という話なのだが、つまるところ演じているキャストが皆、台本と初演時の映像しか観ていないのでは?と思わされるくらいに前任の影が大きかった。

勿論初演のキャストは素晴らしかったと今では思うけれど、初演時だってミュージカルになるなんだかんだで散々賛否両論があったし、最初は客席もガラついていた。
インターネットではミュージカルを観に来ようともしない一般層の小池Ldisツイートに対して、ブチギレるデスミュ沼の住人みたいな構図が日夜繰り広げられていたもので(あったぞそんなこと!)。

それが次第に熱を帯びて、熱狂を生み、最終的に伝説となったのが初演なわけで、別に初演がお手本な訳でも正解なわけでもない。


藤原竜也夜神月がいて、宮野真守夜神月がいた上での浦井健治柿澤勇人夜神月がいたわけで、
松山ケンイチのLがいて、山口勝平のLがいた上での小池徹平のLがいたわけであり。
今までのどのメディアミクスでも見た事がない新しい、けれど原作の世界をきちんと保ったデスノートの世界」が創り出されたのが初演デスミュだった。

けれど、今回のデスミュはどうにもこうにも「初演がオリジナルミュージカルとして存在して、それの新キャスト版」と言いたくなるような作り込まれ方に見えた。
伝わるかわからないけれど、RENTとかロミジュリを新キャストでやった時の「お前こうくるかーー!!!」みたいなそれがあんまりなかった。
そういう意味でもとても「2.5ぽさ」があった。


原作ものだからといって原作を全て読み込む必要はないし、役者は台本に書いてあることが全てで良いと思う。
けれどだとしたらあまりにも初演に引っ張られすぎてないか?と初演を穴が開くほど観た身としては思ってしまう訳で、もっともっと別の解釈とか別の表現が観たかったな~残念!というのがとても強い。

仮に原作をしっかり読み込んだうえで「初演のキャストはそれはそれ」として、ゼロから自分達の役作りをしていたらこうはなっていないと思う。
そしてそれが出来ているのが村井くんだけだったので、Lを観ていてもミサを観ていてもぼやんとしてしまう。
どうしてLとミサはああなってしまったんだ…?すごく勿体ない!!!
原作から物凄くLが好きだからこそ、髙橋Lが上手く飲み込めなくてとても苦しい。


「前任と比較するのはナンセンス」だと思うが、このやり方は余りになあと思ってしまうし、勿論もっと違うアプローチで来てくれたら「ここがこう、ここはこう」と語れたものの、「凄く見たことがあるけど違う何か」を観てしまうとなんだかもう何も言えなくなってしまう。


Lとミサの2人は、歌は上手いのだけれどお芝居を自分でゼロベースから作り込む力は持っていないように見えたし、その上で歌のタイミングが来ると突然全力で歌ってくるので上手く咀嚼が出来なかった。
「表現のひとつに歌を用いるお芝居」ではなく「綺麗な歌のついでに芝居を観てる」感覚に近かったというかなんというか。
役として、芝居の延長として歌を歌っているようには、申し訳ないけれど見えなかった。

「歌ってます!」の強さに関しては粧裕も同じで、「ミサの歌を口ずさむ」表現として、その直前に歌っていたミサと同等もしくはそれ以上の勢いといい声で歌うのはなんか違うのではないのだろうか、どうなのだろうか。
なんとなく私は全体的にこそばゆくて、歌うま選手権大会を観てるのかしらという気持ちになった。

というか歌唱のアレンジが既に「その役者が出る一番いい音をいい感じに出せるアレンジ」になっていたのでミュージカルのそれとは違う気はした。
聞いてて気持ちはよかったし、上手いとも思うんだけど、なんかこう、なんか、なんか!!!!(観た人~!!!!!)
それも相まってやっぱり「デスミュをやってる」ように見えてしまった。


レムに関してもあれはレムではなくて濱田めぐみだったし、総一郎に関してもあれは鹿賀丈史だった。
というか総一郎が顕著じゃなかろうか。
鹿賀さんの演じる総一郎はあくまでも鹿賀さんの総一郎であって、原作の夜神総一郎とは大分異なる。
けれど実写やミュージカルになる上で、鹿賀さんの解釈で作り込まれたのがあの総一郎像であり、それを他者が引きずる必要はない。
けれど、舞台上にいたのは鹿賀さんの総一郎だった。
元々の演技の癖が似ているのか、演出プランがそうさせたのかは知らないけれど、「これ鹿賀丈史だよなあ」と思ってしまったので、もうその時点でそうなのである。


そういった色々の積み重ねが、絶妙に引き継いではいけない何かだけ引きずり、今回のキャストが本来持っている持ち味を潰して、そして「比較される」という最もたどり着きたくないところへ誘発してしまっている気がする。
いやだってそうでしょ、前任をお手本にしてやったらそりゃ~~~前任の影がかすめていくわけで、けれど勿論今回演じているのは前任者ではないので「なんか違うな」となってしまう。一番嫌なパターンでは!?!?


そんなこんながあったので、私は「村井くんめっちゃ勿体ない!!!!!!!」となってしまった。
別にこの作り方が悪いとも思わないし、これが2020の新生デスミュです!というならそれでいいと思う。
けれど村井くんは1人真っ向からゼロベースで新しい夜神月を作り出していたので、そこに対してLもミサも総一郎も前任の影を引きずられてしまうと「勿体ない」という言葉しか出ない。

初日の時点でいい演技をしていたが「いやこれもっといけるでしょ」としか思えなくて、けれどその地点には村井くん1人で到達することは出来ず、共演者の力が必要なので、どうにかもっともっと高いところに村イトが行きつけるといいなと願っている。


ので、今回初めてデスミュを観る方たちはすんなり楽しめると思うけれど、初演再演に熱狂してた層はちょっと引っ張られる何かがある方もいるのではないのかな~と。
私自身も自分の感情が整理できていないので、色んな方の感想が知りたい!!!!

ここがよかった!村イト!!

という訳で他のキャストに関しては口を開いても特に感想が出てこないのだが村井くんがとてもとてもよかったのでよかった所はベッタベタに書き記しておきたい。

いや、まずそもそもとしてキーが高い。
村井くんが元々ハイトーンボイスの持ち主なのは理解していたが、「♪デスノート」のイントロが入った瞬間に「キーたっっっっっっっか!?!?」と思ってしまった。
これをどう歌い上げるのやら…と思う間もなく、あっという間にさらっとしれっと歌い上げてしまう。
そもそもハイトーンを綺麗に聞かせる楽曲が多いデスミュだというのに、更にキーを上げてどうするんだ!と思ったら物凄く綺麗に歌い上げていてびっくりした。
恐るべし村井良大


Twitterと重複するが、村井くんの”凡さ”に信頼を置いているので、物凄いカリスマ的な教祖!とかすっげーイケメン!!!とかとてつもない秀才!!!!!という要素はあまり見えず、その点は今までのどの夜神月とも異なっていて新鮮だった。
ちゃんと「村井良大夜神月」がいて安心をする。

村井くんの持つ”凡さ”を生かした上での夜神月は、「平凡な日常が次第に狂気を帯びていく」という表現をするのにうってつけだった。
本人は正しい事をしてまっすぐに進んでいるつもりが、デスノートに取りつかれて自分の選択が自分のものではなくなっている、この「死神に踊らされている感じ」は村井くんじゃないと出せないのではないだろうか。


にこにこへらへらと安心して心地のよい笑い方をしていたかと思えば、急にシラけた「無」の顔をしている、そのアップダウンがとてつもなく恐ろしかった。

浦イト、柿ラがどちらかというと「狂気に向けて目がらんらんとしていく」ならば、村イトはどんどん目が死んでいって、健全さを失っていき、それが「日常から外れてしまった悲しみ」を連想させて素敵だ。

あとはこれも村井くんの持ち物なのだろうが、全体的におちゃめでコミカルだ。
粧裕が部屋のドアをノックしないで入ってくるシーンも、リュークにリンゴをぶつけようとして机の上に登ったりと、「架空の男子高校生っぽさ」があって楽しかった。
そこの表情は村井くんにしか出来ないよね、とか、そういう表現は村井くんだからこそだよね、としみじみ思わされた。

そんな風に浦イトにも柿ラにもなかった新しい「夜神月」の姿を見せてくれて、ああこれが再演とか別キャストとかの答えだよな~というので物凄く高評価だった。


歌唱に関しては後半に向かうにつれてどんどん狂気が増し、ひきつった笑いや高笑いまじりで歌い上げてくる。すごい、凄すぎる。
まるでピアノ線で首を絞められているような感覚に陥り、「すっげーーー!!!!!」としか言いようがなかった。


柿澤くんの濁点つきまくった歌唱法が好きなのだけれど、村井くんの金切り声までいかないギリギリの何か(しかし音程は保っている)もたまらねえなと思わされる。
ここ、とてもお気に入り。


村井くんがばっちりまるでまったく夜神月!!!とは思わないのだが、本来のデスミュが持つ空気感や行間は村井くんにとても似合っているのでしっくりきたし、観る事が出来て嬉しかった。
しかし、だからこそ惜しいし悔しいんだよなあああああああ!!!!!(一生言ってしまう)


今回のデスミュはこれでいいかな~と思っているのだけれど、何かがあったらもう1回村イトが観たいな~という気持ち。
村井くんのファンだったら色々ぶつくさいいながら全通してたんだろうな位に村井くんは素晴らしかったし、初日であれだけ持ってるならここからどんどんヤバくなっていくと思うので、それを一緒に体感しておかしくなっていけるの、とても羨ましいので村井くんのファンの皆様頑張ってください!!!


初演と同じ点・相違点

大幅なカット追加はないものの、個人的に気が付いたこととか覚えてることメモ。
前述の通りに再演を観れていないのでそこから変わったものがあったらご教授ください!
あとここにきて初演のWOWOWBlu-rayに焼いたやつが再生できなくて「そうだったっけ」の確認すら出来なくなってる。
曲なんかどれもこれも短くなってるよね?

  • キー変更

村イト時の「♪デスノート」と「♪私のヒーロー」のキーが上がっている。

  • シブタクの重要人物化

ミサの両親殺した事になってた。そうだっけ?
その後に捜査本部でも「ミサミサの両親の~」みたいな台詞が追加されてたから大分世間が狭くなってしまった。

  • M6「恋する覚悟」

短くなってた。

  • リンゴダンス

M9「♪一線を越えるな」の歌唱前、総一郎が部屋に入ってきた後に台所に向かうリュークがリンボーダンスの様な曲と共に「リンゴ~!!」と騒いでいる。
ちゃんとオケも入る。

  • M10「♪秘密と嘘」カット&台詞変更

「目障りだから遊んでやろうか」のくだりなくなってる(悲しい)。
歌唱後の「高校生だ」が「学生だ」へ。
この時点で日本人って特定されてないからか?

  • ミサが黒髪に

あれっ?と思ってたけど普通に黒髪なのは何故?
というか今回のミサのヘアメイクがあまりにも微妙過ぎてなんとかならんのか…?
ただでさえ演技プランがかわいくないので見た目はめちゃかわにして欲しいぞ!凄い勘違い痛いオタクみたいできつさある。

  • Lの靴が最初から汚く

「大分外歩いてる汚さ」だったのでその意図をお伺いしたい(過激派)。

  • 謎ステップ

主にスクランブル交差点とか群衆がわらわらいるフォーメーションの時に謎のステップが多用されてた。

  • M18「秘密のメッセージ」

2番がカットかな?短くなってる。

  • ハチ公は相変わらず振り向く

あんまり凄くはないそのギミックでクスクス笑いが起きるの楽しい。

  • テニス

相変わらずやってた。
村井くんが舞台上テニス経験者だから「テニスやってら!!!」という気持ちになる。
初めてデスミュを観た人達の「テニスしてた!」「賛否両論あるんじゃ」みたいな感想をにこにこ死ながら眺めて時は繰り返すんだな~と思ったりなどする。
5年前から賛否両論してるから大丈夫!!!!
ka-ri-ng.hateblo.jp
ちなみに月もLも使用してるラケットは変わらず。

  • L左利きから右利きに

テニスシーンでラケット持つ手が右手だった。
これはただの役者の利き手問題だったのか!というのが2020年に明かされる面白さ。
初演の時のフォーメーションで動いてる、ラケットをお互いに向ける所で持ち替えてるとこがちょっと面白かった。

もう2020年だしね。でも着信音は短音なの面白い。

  • M24「愚かな愛」の後シーンカット

ここって月の部屋でレムと会話してなかったっけ?
歌唱後にレムの独白が入り、そのまま大黒ふ頭へ。
一番ばっさり行ったのはここかな?

  • M25「♪最期の時」イントロ時台詞変更

「ノートに書いたんだ、今夜の行動を」から
「ノートに書いたんだ、"俺が考えた"今夜の行動を」へ。
一人称はなぜ???



全体的に「わかりやすく」はなっていた印象。
後何か思い出したら随時追記。